一文無しさん
俺はその後少しインデクスさんとご飯(オークのサンドイッチというものがあったが断念してコーンスープとパンにした)を食べ、部屋に戻った。部屋のなかを見ると当たり前にエミリスがたった一つしかないベットを占領していた。流石に起こしてどかす程俺は酷くはないので、寝るのはソファーで我慢。まったく、俺のおかげで無料で宿に泊まれているというのに…
「フォーガク?朝御飯食べたいんだけど?起きてぇ~」
エミリスが俺の肩を大きく揺らす。
「それなら一人で下に行って食べてくればいいじゃないか。別に俺がいなくても飯くらいは食えるだろ」
俺は目を擦りながら答える。ぼやけた目でふと時計をを見るとまだ4を短針が指している。まてまて、さすがに起きるの早すぎるだろ。
しかしそんなことはお構い無しにとエミリスは話し始める。
「いやぁ、私はお金なんて持ってないしフォーガクに奢ってもらわないとちょっとゴニョゴニョ」
何をいってるんだコイツは、金が無いだと?確かに馬車の金を払わなかったり自分で宿を取ったりしていなかったがまさか一文無しだとは。
「てことだから下に行こう?」
ということで渋々エミリスに着いていくことに。あぁ旅に着いてく奴間違えた…
「おい、注文しないのか?」
数分経ち、ウエイトレスさんが注文が決まった俺達をみかねて注文を取りに来てくれたのだがさっきまであれを食べるとかこれを食べるとか息巻いていたエミリスが急にしんとして何も喋れなくなってしまった。
「じゃぁ俺が言うぞ、ローストラッドチキン、ポテト、サンドシャークの刺身盛りとロックバードのステーキとラズベリーボアの血のミルク割り、それとオーク肉のサンドイッチとミルクコーヒーお願いします」
「わかりました。ご注文以上でしょうか?」
俺は確認を取るためエミリスの方を見る。するとエミリスはコクコクコクと素早くうなずいていた。まじでなんなんだよコイツ…
「以上です」
そう言うとウエイトレスはキッチンへと帰っていった。
それは良いとしてエミリスだ。図々しいのか臆病なのか荒っぽいのかまったくわからん。俺はエミリスを再び見るがウエイトレスがいなくなった瞬間からいつも通りにすこし落ち着きがない感じだ。俺はコイツは本当に変な奴だと再認識するのであった。
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