エミリス?
俺はギルドの前で立ち止まる。ここからはスピード勝負だ少しでも奴等に隙を見せれば公開尋問の始まりだ。大丈夫…俺なら出来る。
「大丈夫?」
エミリスが俺の顔を覗き込む。大丈夫な訳がないだろう。もとはといえばお前が森で迷うからだ。しかしここを開けないことには泊まる場所もない。
震えた手でドアを開けると昨日襲ってきた冒険者がまた酒瓶片手に立っていた
「よぉーし来ぃたなぁお前ぇ!!きのぉのぉぉ俺はちょっと油断してぇぇぇぇぇ!!」
ズドォォン
冒険者が又もや受付まで吹き飛ぶ。まて、まだ俺はなにもしてないぞ?もしかして…
俺はゆっくりと右に立っているはずのエミリスを見るがそこには予想通りエミリスはいない。もしやと思い受付の方に目をやると
「邪魔なんだけど」
とてもエミリスの声とは思えないまるでレディースの総長の様なドスの聞いた声が響き、いつの間にか受付まで吹っ飛んだ冒険者の首にエミリスの身長より大きい大鎌を当てている。
「エ、エミリス。ソイツはいいから宿取ろう?」
このままだとエミリスが殺してしまうかもしれないと思いとりあえず諭すように声をかける。
「あ、あぁ、そうだね。う、受付さん私とフォーガクをここの宿に泊めてくれる名義はフォーガクね?私はAランクじゃないから」
エミリスの声がいつものフワフワした声に戻る。良かった。おまけになんとか宿を取ることも成功した。
受付に置かれた宿の鍵を取り俺は、そそくさとエミリスをつれてギルドの二階に上がる。ゼッッッタイにアイツらから質問責めに合うことは確定してしまったがそれならばもう下に俺も降りなければいいではないか。
宿の鍵を開けて素早く俺達は部屋の中に入る。相変わらずのそこそこ快適空間。
「俺はシャワー浴びてからすぐ寝るけど、どうする?下から食べ物とか買ってこようか?」
ゼッッタイに下には行きたくないがエミリスはもう眠そうにしてるし多分大丈夫ということに賭けて聞いてみる。
「いや、もう私は寝るよ。ふぁぁ、おやすみ」
でかいあくびをしてからエミリスはベットのある奥の部屋に消えていった。その後俺はシャワーを浴びてからリビングのソファーをベット代わりにして普通に死ぬようにぐっすり寝た。
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