翼がバザバザ
ギルドカードも持っていたということでとりあえずダンピールをつれて俺はギルドに戻っていた。
戻っている途中に人を襲ったって噂が流れてるけど襲ったのか?と聞いてみたら
「道を聞こうと近づいたことならあります」
と返ってきた。まぁボロボロだしなコイツ、間違えられても仕方がない。
ギルドに着いて早速受付嬢に俺は任務の結果について説明する。なかなか信じてもらえなかったがエミリス(移動中教えてもらったダンピールの名前)のBランクのギルドカードを見せると信じてくれた。任務も終ったということでエミリスと俺はギルドを後にする(エミリスはなぜか後を着いてきた)
「なぁ。血魔法って俺にも使えるのか?」
なんとなく着いてきているエミリスに聞いてみる。
「う~ん出来ないことはないと思うけど…」
そ、そうなのか?血魔法ってヴァンパイアだけが出来るものだと思っていた。
「どうやるんだ?教えてくれ!!」
どうせだし教えてもらおう!!こんな機会滅多にないからな。しかし、エミリスから返ってきた言葉は意外なものだった。
「フォーガクが吸血鬼になれば出来るようになるよ?してあげようか?」
え、それはちょっとやだな俺、人間として生きたいし…
「いや、なら別にいいかな翼とか別に要らないし」
そう断るとピンといつも張っている翼をダランとさせて悲しんだ素振りを見せた。同族が増えることは嬉しいことなのだろうか。
しかし行動がわかりやすくて面白いな。俺がダンピールだということを信じてギルドに向かっている途中も翼をバサバサさせてたし。しかしコイツどこまで着いてくるんだ?俺はこの後どこに行くかも決まってないし逆にエミリスの行く場所について行くのもありだな
「なぁ、エミリスはこれからどこ行くんだ?俺は別に行くとこ決まってないしどうせだし着いてくぞ?」
まぁもうひとつの理由はまたなんかやらかしそうということもあるんだが…
「じゃぁドラキュラ城まで着いてきてよ!!」
エミリスは翼をバサバサと羽ばたかせながら言った。
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