決心
砂埃が落ち、やっと辺りが見渡せるようになる。
「…」
そこには俺がやったとは思えない恐ろしい光景が広がっていた。
そこには先程までいたオークの姿はなく、横10m、長さ100mはあるだろう空間が出来ていた。地面はえぐれ、火の粉が宙を舞っている。
「さ、流石に死んだよな…」
ま、まぁ一息で殺してやったし、人も通ってる気配はなかったから…ね?
歩くか…地面がまだ熱いけど。靴底溶けないか心配だな。
焼け跡の終わりまで来ると森にはここから先は通さない‼と言わんばかりのゴブリン、オークそして火魔法の斧を使うことで有名のレッドゴブリンが合計20体ほど襲ってきた。自分達の住みかを燃やされたようで、とてもお怒りのようだ。まったく、誰がそんなことをしとのやら…
「超質量紫炎槍‼(業火+物体縮小+放出)」
今回も容赦なく超質量紫炎槍をぶちこむ、前回の反省を生かして今回は縦方向に威力を放出をする。めんどくさいから威力の調節はしない。
前回と同じくまばゆい光が辺りを包み込む。
威力はまったく同じなので今回も瞬殺だろう…
「グガァァ」
ゴブリンの声を聞いて咄嗟に俺は身を後ろに引く。そういえばレッドゴブリンがいたな。火魔法が効かないのか。完全に忘れていた。
「超質量氷河砲‼(氷河+物体縮小+放出)」
無難にこの技だな…確実に殺さなければ。
グァャァァ
断末魔と共にレッドゴブリンは膝から崩れ落ちる。
なんやかんや魔物の断末魔を聞くのは初めてだな。
「あ、こいつの死体冒険者ギルドに持ってけば金貰えるかな…」
冒険者ギルドは名前の通り世界中を旅する人々が主に所属するギルドだ。特典として任務などをこなして様々な報酬を貰ったり道中で狩った魔物などを売ることができるらしい。
父さんも母さんもそういう道に俺が進まないようにあまり詳しく教えてくれなかったが存在くらいは知っている。
「よし!決めた冒険者になろう‼」
しかし、この後俺は森を焼き払ったことがこんなことに繋がるなんて知りもしなかった。