表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/128

宇宙ネコ ミャクター船長の大冒険:エピソード11「銀河の封印を解け!(中編)」

 それぞれの試練が彼らの本質を試していた。暗闇の中で孤立したミャクター。目の前に立ちはだかる獣は、銀色の瞳を輝かせながら、船長を睨みつけていた。


「この試練、乗り越えなければ銀河は救えないってことか……」

 ミャクターは尻尾を高く掲げ、力を込めて構えを取る。


 一方で、明るい光の中にいるトビーは、無数の古代文字を前に頭を抱えていた。


「『絆が試される』……それってどういう意味なんだ?」


 古代文字が次々と形を変えながら、トビーの周囲に浮かび上がる。急に文字が赤く点滅し、足元の床が揺れ始めた。


「うわっ! これ、時間制限があるのかよ!」  トビーは慌てて文字を解読し始めるが、焦りのせいでなかなか進まない。


***


 ミャクターの前の獣が低い唸り声を上げる。獣は力強い足取りで近づき、今にも襲いかかりそうな様子だ。


「俺を試しているんだな。力で勝てって?」


 だが、ミャクターは目を細めて獣をじっと見つめた。


「いや、違う。これはただの力試しじゃない。この試練が『絆』に関わるなら、戦いじゃ解決しない」


 ミャクターはゆっくりと構えを解き、足元に座り込んだ。そして、穏やかな声で話しかける。


「分かるぞ、お前も孤独なんだろ? 俺がこの道を行くには、お前の助けが必要だ。でも、お前も一人でここにいるのが辛いんじゃないか?」


 獣は一瞬動きを止めた。銀色の瞳が揺れ、低い唸り声が次第に消えていく。


「よし、仲間になってくれないか。お前と一緒なら、この封印を守ってきた意味が活きるはずだ」


 その言葉を聞いた獣は、ミャクターに近づき、静かに頭を下げた。


***


 光の中で苦戦を続けるトビー。解析途中の文字列が消えかけ、さらに足元の揺れが激しくなる。


「ダメだ、時間がない! でも、これだけははっきりしてる……『絆』が答えだ!」


 彼はふと、あることを思い出した。以前、ミャクターが彼に語った言葉だ。


「困ったときは力を借りろ、一人で抱え込むな。それが冒険の基本だ」


「そうだ、船長がいたらどうする?」


 トビーは自問しながら、周囲の文字列を見渡した。そして意を決して叫ぶ。


「ミャクター船長! どこにいるか分からないけど、力を貸してくれ!」


 その瞬間、光が弾けるように散り、空間全体に響く声が聞こえた。


「トビー、お前ならやれる。信じろ!」


 ミャクターの声だと確信したトビーは、文字列の中から一つの答えを導き出した。


「これだ……『絆』の力!」


 彼がその答えを口にすると、光が全ての文字を包み込み、空間全体が一瞬で静けさを取り戻した。


***


 トビーが目を開けると、目の前にはミャクターが立っていた。尻尾を三本とも揺らしながら、満足げな笑みを浮かべている。


「船長! 無事だったんだ!」 「お前こそよくやったな、トビー」


 二人の周囲が急速に変化し、試練の空間が消えていく。気づけば彼らはエクリプス・コアの中心部に立っていた。


 そこには巨大な石碑があり、銀河の封印の核が鎮座している。


「この次のステップで封印を修復するんだな」

「うん。でも、きっとこれが本当の試練だよ」


 彼らは石碑の前に立ち、次なる挑戦に備えるのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ