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春が嫌い

作者: 風守羊

初投稿です。頑張ります。

春が嫌いだ。


花粉症持ちの自分からしたら何が楽しいのかわからない。


毎日ボックスティッシュを持ち歩き、嚏が止まらず3分おきに鼻水の溜まった鼻に不快感を覚えて、一枚抜き取り鼻をかんでいる。


それでもかみ切れなかったらもう一枚、もう一枚と抜き取り鼻をかむ。目もかゆくなってきた。


子どもの頃から朝晩飲んでいた薬は、当分貰っていないためにもう底を尽きる。一人暮らしで医者に薬を貰いに行くのも億劫で、顔にぬぐい切れない不快感だけが募っていく。喉も痒い。


春が嫌いだ。


気温が上昇し始め、虫と植物たちが顔を見せるようになる頃だろう。


衣替えは面倒だし、蚊柱に突っ込んだら口の中に入ってきやがる。毛虫なんて目にもしたくない。


そういえば今年の桜の開花はいつだろうか。最近外にも出ていないしテレビも見ないからわからない。


もう調べようとさえ思わない。


春が嫌いだ。


卒業式シーズンの真っ只中。


それと同時に新しい生活の準備が始まる。


街中はより一層人で溢れ、息がしづらい世の中になる。


ただでさえ花粉で苦しいのに勘弁してくれ。


環境が変わるのは精神的に疲れる。


新しいことを始めるのに疲れが生じるのと似た感覚だ。


こっちはそんな気なんて全く起きないってのに。




本当に春が嫌いだ。




誰なんだ。最初に、春を何かが終わって、何かを始める面倒な節目にしやがったクソ野郎は。


誰なんだ。春をこんなに寂しい人がたくさん生まれる季節にしやがったクソ野郎は。


誰なんだ。こんな季節に桜なんて花を咲かせやがったクソ野郎は。







いつからだ。春に何かが始まる高揚感を覚えなくなったのは。


いつからだ。春に太陽と憂鬱が混じり合ったような匂いを感じるようになったのは。


いつからだ。桜が咲くのにこんなに期待を抱かなくなったのは。


いつからだ。花見をしている客がこんなにも憎く感じるようになったのは。


いつからだ。春にこんな喪失感を覚えるようになったのは。


いつからだ。自分の生まれた季節を嫌いになったのは。


いつからだ。誕生日を迎えるのがこんなに楽しみじゃなくなったのは。


いつからだ。春がこんなに大嫌いになったのは。




春が嫌いだ。




いつからだ。




いつからだ。




誰なんだよ。




それでも桜が綺麗だと思える心だけ残しやがったのは。




誰なんだよ。











そう遠くない昔のように思えた。







読みづらかったら申し訳ないです。

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