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2 ビーストテイマー

それからも、あの世界最強のドラゴン——ファイアントドラゴンが、何回もブレスを吐いてきたり、物理攻撃をしてきたりした。初めはなんか怖かったけど、いつの間にか慣れて、怖く無くなっていた。慣れって怖い!

「くそう。本当にブレスも物理攻撃も効かぬ!ああ、ブレスを吐いたせいで我の自慢の魔力が無くなっていく……。」

魔力?魔力って、魔法を使ったらなくなるあれだよな?ブレスって、魔法の類に入るんだっけ?

「そろそろ観念したらどうだ?ブレスも物理攻撃もきいてないし。」

「ぐぬぬ!我は、そんなことしたくない!」

あー。なかなかしぶといな。こっちから攻撃したら、諦めてくれるだろうか?あ、そういえば、俺って、攻撃を受けてばっかりで、こっちから攻撃したことって無いんだった。よし!試しに攻撃してみるか!

「それならこっちから攻撃するぞ!」

うーん。今更だけど、魔法って使えるんだっけ?まあ、使えたとしても、今は使い方が分からないから、物理攻撃かな〜?よし、とりあえず殴ろう!

「小僧、まだ攻撃しないのか?そうか、今更我のことが怖くなって……。グワァぁぁぁ!」

 ファイアントドラゴンが、俺の攻撃を受けて、遠くまで吹っ飛んでいった。どこまで飛んでいくんだろう……。あ、山にぶつかってとまった。あれ?俺、もしかして超強い⁉︎まあ、そんなことないか。これが普通なのか。だって俺、弱いもんな。あ、ファイアントドラゴンが戻ってきた。あ、山が崩れていく……。山、ごめん!

「観念したか?」

「ぐぬぬ……。もう一度攻撃したい……。」

「おい、なんか言ったか?」

「もう一度攻撃し……。」

「なんか言った?」

「いや、何も言ってない……。」

まあ、本当は聞こえてるんだが。ふう、ようやく観念したー。なんか疲れたかも。今更だけど、俺、なんでこんな世界に来たんだろう……。あ、ドラゴンなら分かるかも……。

 

 俺は、ドラゴンにこれまでのことを話した。

「それなら小僧、転生したんではないか?」

転生?転生ってあの⁉︎

「そんなことない!まず俺は死んでないし。」

「寝ていたら死んだのかもしれぬぞ。」

「え。」

寝ていたら死んだ?でも、どうやって……。誰かに殺された?そんなわけないか。

「とにかく、我をテイムできたということは、この世界の人間だということだ。なんで転生したかを考えるより、これからの事を考えたらどうだ?戻り方も分からないし。」

そうだな……。どうしてこの世界に来たか、どうやって戻るのかが分からないなら、それをいつまでも考えるよりも、これからの事を考えたほうがいいのかもしれない……。

「とりあえず、この世界のことを教えてくれ。」

「我に頼み事をするときは、敬語を使……。」

「何か、言ったか?」

「いや、何も言っていない……。」

 

 俺はドラゴンにこの世界のことを教えてもらった。簡単に説明すると……

この世界では皆魔法が使える

魔法には属性があり、火、水、雷、森、光、闇、神、無がある。

なかでも神属性は神様しか使えなく、本当に存在しいているか自体が怪しい。

職業もたくさんあり、俺の職業はビーストテイマー。

ビーストテイマーは無属性に入る。

ビーストテイマーに出来ることは魔物を従えること。

従えた魔物のステータスを見れたり、名前をつけられたりする。

なんか色々ありすぎて混乱する……。

「じゃあ、生きていくためには、どうすればいいんだ?」

「うーん……。小僧なら、冒険者なんかどうだ?」

冒険者かぁ。冒険者って、なんかかっこいいよな。

「じゃあ、冒険者になるためにはどうしたらいい?」

「とりあえずは、冒険者ギルドに登録することだな。ここから一番近いギルドは……スラム街のギルドだな。七日ぐらいで着く。」

え?スラム街?スラム街って、あの⁉︎なんか行きたくないな……。しかも結構遠いな!

「他は?」

「一ヶ月ぐらいかかるが?」

え?四倍?ははは……。

「じゃあ、俺はスラム街に行く。案内してくれないか?」

「仕方ない、いいぞ。歩いて行くなら七日かかるが、我が飛べば一日で着く。」

え?めっちゃ速くね?

「じゃあ、今から行くぞ。」

「え?今から?まあいい。我に乗るがいい。」

なんか上から目線だな……。まあ、今回だけは、許してやろう。

「では、行くぞ!」

俺たちは飛び立った。結構速い。風圧が……ない!快適すぎる!なんだこれ!

「おい、なんでこんなに風圧が無いんだ?知ってるか?」

「それは、スキルのおかげだろう。」

 スキル?おれ、スキル持ってるんだ……。まあ、ドラゴンをテイム出来たのも、スキルのおかげなんだろう。あー、なんか、ドラゴンってなんか呼びにくいなー。

「なあ、テイムした魔物って、名前をつけられるんだったな?」

「ああ、そうだ。」

「じゃあ、お前の名前はアントな。」

適当に、ファイアントドラゴンのアントをとっただけなんだけどな。

「は⁉︎あ!本当に名前になったではないか!」

「そんなこと言われてもな〜。」

「くっ!」

こうして、世界最強のドラゴン——ファイアントドラゴンは、アントになったのだった。

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