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15 ルルのいない朝

 「ふぁぁぁぁ。ねむた〜。ルル、おはよー。」

 あれ?返事がない。いつもは先に起きてるのに……。まあ、今日はたまたま起きるのが遅いだけか。

 そう思い、俺はルルの寝ているベッドを見てみた。

 ……あれ⁉︎いない!じゃあ、トイレに居てるのかなぁ。

 そう思い、俺はトイレを見てみた……が。

 いない!どこ行ったんだ⁉︎……まさか、出て行った……とか?も、もしそうなら、どうしよう……?出ていって欲しくない!

 ……でも、出ていくかどうかはルルが決める事。俺がどうこう言える事じゃない。

 でも、本当にちょっとだけだったけど、ルルと過ごす日々は本当に楽しかった。それだけで、引き止める理由にならないか?いや、きっとなる!

 探しに行こう——。

 それだけでは引き止める理由にならないんじゃないかと思いながら、俺は「楽しかった」だけで理由になる。大丈夫。と自分に言い聞かせ、どこにいるんだろうと考えながら、ルルを探しに宿を飛び出した。

 

 ビュオォォォ

 今日は特に寒く、風がため間なく吹いていた。しかも風の勢いが強い。

 ううっ!さむっ!ルルはこんな寒いなか外を歩いているのか……。それに、ルルは温かい服を持っていない。持っているのは、肉肉亭にいた時に着ていた服だけ。絶対寒いに決まってる。温い服を着ている俺でさえ寒いんだから……。早く探しに行かないと。そして、引き止めたら温かい服を買ってあげよう。

 そう思いながら、俺は足を速めた——。

 

       ◆   ◆   ◆


 ビュオォォォ

 急に風の勢いが強くなってきた……。寒い……!

「お母さん、寒いよー!」

「我慢しなさい。」

 さっき私がクッキーをあげた女の子とそのお母さんだ。二人は薄着で、上着も着ていない。

ファサッ

私は着ていた上着を脱いで二人にかけてあげた。寒くないように。

「わぁっ。あったかい!」

「えっ。これは⁉︎あ、さっきの……!クッキーももらったのに、上着もかけてもらうなんてだめです!」

「そんなことないですよ。それに、私がしたくてしているので。」

「で、ですが……。」

 お母さんは、どうなんだろうと思いながらも、それから何も言わない。ってことは、納得したってことかな?だったらいいな。

 ザッザッ

 私がそんな事を思っている時だった。足音がしたのは——。

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