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転校生は不思議がお好き?

 これは夢を見ているのだと思いたい。

それは転校生が来てから数日経ったある日の昼休み、ちょうど飯も食べ終わって何をしようかと考え始めている頃だった。噂の的の転校生神薙茨が椅子に座る俺の前に来て、それだけでもクラスの人間からの注目で死ねるというのに、あろうことか話しかけてきたのだ!


「すみません、貴方が木戸秀児さんでよろしいでしょうか?」


 何をどうしたら、俺のような平凡な高二男子が美人の転校生様に話しかけられるというのだ。ただでさえ可愛い女子に話しかけられるなんてことがあればその日1日は嫉妬と欲にまみれたクラスの男子による質問責めで虚無になるというのに、そこに転校生なんて付け加えられた日には学年の男子全員からの突き上げがおまけされるのは間違いないだろう。


「人違いだと思います」


 願望が思わず口から出てしまった。


「あれ?そうですか、失礼しました」


 そう言って離れようとする彼女を心はいかせたがるが、いかんせん外聞が悪いし一個人として彼女が俺に何を聞きたいのか知りたいので引き留める。


「ごめん、噓です、俺が木戸秀児です。何か御用ですか?」


 そう告げると彼女は、恐らくはなんでそんな嘘をつくのかといった風な具合の、困惑した顔でこちらに振り向いて喋り始めた。


「私、今日の放課後、貴方に学校を案内してほしいんです」


「俺に?なんでまたこんな冴えない男にそんなことを?」


「色んな人にもしこの学校のことをそこにまつわる話と一緒に回るならだれがいいのかって伺ったんですけど、そしたら貴方の事をオススメする人が多かったので」


「なるほど、確かにそれなら俺が適任かもね。これでもこの学校で一番の情報通だと自負してる」


「はい、それと同じかそれ以上にトラブルに首を突っ込む人、とも皆さん仰ってましたけど」


「うぐぅ」


 困った認めざるを得ない。今日は痛いところを刺されまくる日なのだろうか。脳内で今日の自分の反省をしていると、どうやら神薙さんを待たせてしまっていることに気づき急いで了承の意を伝える。


「っと、喜んで案内させてもらうよ。ただその前にどうしてそんな、曰く、でいいのかな?そんな事を知りたいのか聞かせてもらってもいいかな?」


「はい、構いません。じつは私、不思議なものが大好きなんです!」


 少し茶目っ気を交えて返されたその言葉の余りの可愛さに、俺とクラスの男子は揃ってその場に釘付けになってしまいその後の休み時間を無駄にした。けれども俺の心にはどうしても違和感というべきかもわからないしこりが残ることになった。その理由はきっと彼女の眼と髪のことなのだと俺は確信できている。何故ならクラスの男子達が彼女を褒める度に毎度のごとく口にする、「黒曜石のような髪」だの「ガラス玉のように透き通った黒い目」というような文言が俺には分からないからだ。けれどそれは別に美醜がわからないというわけではないもっと根本的なもので、俺にとって彼女の眼は燃えるような赤に見えている。同じように髪の色も黒ではあるが強く赤味がかっているように俺には見える。

 だから俺はある事を決めた、今日の放課後の学校案内の時に神薙茨の髪と目の秘密を調べてやる。彼女は不思議なことが好きらしいが、それと同じぐらい俺は分からないことを調べるのが好きなのだから。

Q想定したヒロインがまだ出せていないのはなぜですか?


A作者の力量が足りないからです

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