表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/8

遠い日の夢

風邪ひいたときに見た夢でお告げもらったので投稿します

 夢を見ているのだと思う。

 とても昔の、特別な友達と遊んでいたころの夢。


 大人たちには近寄っちゃいけないよって言われている今時だと少し珍しいくらいに木々が青々と茂っていた山の中にあるかなり開けた子供にとっては十分なくらい遊べるスペースのある秘密の場所。

 自分しか知らないはずの場所で、いつの間にかこちらを見ていたあの女の子の名前は何と言っただろうか。子供心に変な名前だと思ったのは今でも何となく思い出せる。


 あの時の僕は人見知りでいきなり現れたその娘に酷く怯えていたけれど、いつの間にか一緒に遊ぶくらい仲良くなっていた。今にして思えば両親は、1人で山へ出かけて日が暮れるまで帰ってこない息子のことをとても心配していたように思う。けれどその娘以外には友達がいなかった僕にとってはその娘と遊ぶことさえできればば満足だったし2人で遊ぶことが何よりも楽しかった。


 けれど、2人で何度も何度も遊んでいたある時どうしようもないくらい些細で、子供らしくて、残酷で、致命的なミスをした。


 その日は確か、かくれんぼをしていたように思う。片方が隠れたのを探してもう片方がそれを見つけられたら役割を交代する、なんていう今考えると稚拙で少しもしないうちに飽きてしまうだろう不毛な遊び。だけどあの時の僕らにとってはいつまでだって遊べる最高の遊びだった。

 そうして何度もお互いが隠れたりそれを見つけあったりしているうちに探している側の僕が山道で転んでしまい泣き出してしまった。それを見かねたのかあの子は隠れていた場所から出てきて、僕におまじないと言って何かを僕にくれたのだ。それが何かは覚えてないけれど、あっという間に血が止まったのは覚えている。そうして泣き止んだ僕を見て、あの子はかくれんぼの続きをしようと促した。勿論僕はそれにうなづいたし彼女が隠れられるように顔を手で覆って数を数えだした。

そうして二人の間で話し合って決めた数字まで数えたら、お決まりのように「もういいかい」と僕は声を上げた。返事は帰ってこなかった、だけど僕らの間では隠れる場所はどこまでとは決まってなかったから今回は上手く隠れたのだと思った。思っていた。けれど、あの娘はどこを探しても見つからなかったし、降参だと言っても出てくる様子はなかった。


 そうして戸惑っているうちに日は暮れてしまい、僕は帰らなければいけなくなってしまって、あの子を見つけられないうちに帰宅することになってしまった。

 当然、次の日もいつもの集合場所に向かったけれどあの子の姿はどこにもなくて、それは次の、そのまた次の日も同じだった。見つけられなかったことをあの子が怒ってここに来たくなくなってしまったのかと思って、学校だったりで彼女を探してみたりもした。それでもあの子はどこにもいなくて、まるで全部が幻だったかのように消え去ってしまった。あの子を探しているうちに僕には何人か友達とよべるような子ができてあの子を探すことも少なくなり、いつの間にか秘密の遊び場に行くこともなくなった。


 そんな昔の、大切なものを置き忘れたときの夢を見ていた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ