戦闘終了。
「オラオラオラ! 喰らえ喰らえ!」
ビーコが言った。
「いや、攻撃してんの私だけどな」
「いやいや、雰囲気よ雰囲気。お前の攻撃はウチの攻撃。ウチたちは二人でひとつ、だろ?」
「うるせぇよ、ハイエナ。勝手に他人のこと半人前扱いすんなや」
「そう強がるなよ。自分の弱さを、認めようぜ」
「あームカツクわぁ! 黙ってフィールドの隅でパワー溜めしとけや!」
「してるだろ! さっきから! それしかしてねぇよ! そんな自分が不甲斐ねぇよ!」
「分かった分かったから、泣くなや。もうすぐ出番くるから、亀ハンマー使いの」
「……さらっとディスりやがってよ。ホント油断も隙もねぇな」
「あるわけねぇだろ、んなもん。オメーとは違うんだよ」
「うるせぇな、分かってるよ」
「分かってんのかよ。悔しくねぇのかよ?」
「当たり前だろ、隙がある方が人として魅力的だからな」
「……何、ちょっと考えさせられること言ってんだよ」
「知らねぇよ。お前は頭より手を動かせよ」
「うるせぇな。言われなくてもそうする、よ!」
モンスターがよろめいた。
「ほら、出番だぞ! 亀野郎!」
エーコが言った。
「いちいち言われんでも知ってるよ! おら、喰らえ「ビクトリークラッシュ」!!」
「ダッセ! ゴミみたいなネーミングしてんな!」
「ゴミがゴミっていうんじゃねぇよ!」
「んだとコラ!」
「あんだよ!」
倒れ行くモンスターを他所に、二人はにらみ合った。