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隣にいるのは、君がいい。  作者: ゆめおい しん
第1章 日常から
1/5

幼馴染

『人を好きになる』というものは全てが美しいものである。

人の葛藤、苦悩、後悔を含め、優しさ、柔らかさ、温かさ。


様々な感情を丁寧に一つ一つ書いていきたい。



そして4組の男女、どのカップリングがお好みか、誰が好きか、考えるのもまた読むことの楽しさのひとつかもしれません(^^)


前書きを読んでくださった方、ありがとうございます。

晴れ渡る空。

それを見て、幼馴染の彼女は言う。


「『晴の空』だね!」


あまりにも曇りのない笑みで言葉を紡ぐため、いつの間にか、物心がついた時からずっと。


彼女のことが愛おしくてたまらない。





《ピピピッ》

カーテンの隙間から射す太陽の光が眩しい。

重たい目蓋を動かせず、『朝倉あさくら はる』は寝返りを打った。

「はーる! 朝だよ〜! 新学期早々遅刻しちゃうよー?」

そして聞こえてくるのは幼馴染の『島崎しまさき そら』の言葉。

「ん……そら…?」

「ほんと晴って朝弱いんだから…」

「あと5分…」

「良い天気だよ! ほら、起きて!」

少し駄々を捏ねるように布団を頭の上まで被って抵抗した。

「あー!もう!起きなさーい!」

《バサッ》

勢いよく空は布団の上にダイブすると、中から『グハッ』という苦しそうな声が漏れる。一気に眠気が吹っ飛んだ晴は布団から顔を出した。

「おっきした?」

「『おっき』って…」

可愛らしい言葉は容姿端麗な彼女が使うと、より一層可愛らしく耳に入ってくる。

顔を合わせると彼女は元気よく、

「おはよー!晴!」

と挨拶。

(………顔…近い…)

それに対して朝から晴の心臓は煩くて、

「おはよ」

気づかれないように冷たく挨拶を返した。




「んー!気持ちがいい朝だー!」

玄関先で空は大きな伸びをしながら、振り返って晴の顔を見つめる。

「雲ひとつないよ〜」

太陽は燦々と光り、空と晴のことを照らしていた。

「こういう日のこと、なんて言うか知ってる?」

「『快晴』」

「ブッブー!」

空は、半ば馬鹿にするように笑い、明るい声音で言う。


「『晴の空』…だよ?」


「……空が勝手に考えた造語じゃん」

対して晴は、見目麗しい幼馴染の発言を、柔らかな笑みを浮かべて見つめていた。




幼馴染とは、幼い頃から一緒に過ごし、共に沢山のことを体験することで誰よりも深く思い出を共有できる。

そんな間柄から、一つ上の間柄になるために、ヘタレな男子、晴が日々奮闘していく物語。



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