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第21話 紅蓮の飛竜・ハル

 お早うございます。とうとう、評価の日となってしまいました。何だか不安ですが、宜しくお願いします。

 昨夜の祝勝会は、夜遅くまで続いた。アリスの機嫌も徐々に良くなり終わりの頃には、お酒も手伝ってか上機嫌だった。出発の準備をして食堂に行く。すでに、二人と一匹?が朝食を食べている。


「おはよう! パルムに向けての出発準備は大丈夫か? 」


す るとエルサが、


「昨日は、早めに引き上げてお肌の手入れをしたので、バッチリです。見てくださいこの張り! 」


 その横でアリスが、頭を抱えてテーブルに倒れている。こいつは、二日酔いのようだ。ハルはいつものように、器用に食器を使い食べている。


「ところで、ハルに聞きたいのだが、お前さんは大人気だが、何か心当たりでも有るのか? 」


 すると、ハルが考え出し、


「そうなんですよ旦那! 心当たりが無いのですよ。ハルは、竜王の化身というぐらいで・・・ 」


「その、出会ってから気になってはいたのだが、その竜王の化身とは何なのだ? 」


「何を言っているのですか? 竜王の化身は竜王の化身です」


「その竜王の化身の意味が判らないのだが・・・ 」


 ハルが黙り込む。多分、ハルの行った先々で竜王の化身というパワーワードが独り歩きした可能性が高い。


「イメージは、竜王になると世界征服出来るみたいな感じなのか? 」


「多分、そういう感じだと思います。 ハルは凄いのだ! 」


 するとエルサが、


「ハルは、500歳らしいから竜王になるには、あと1000年は掛かるかもね? 」


 それを聞いたハルが凹んでしまった。


「ハルも、それは分っているのだ。500歳を超えても,竜王に成長する気配がない。おかしいので、調べてもらったのだ。すると、古代魔術によって力が封印されているため、竜王として目覚めないと言われました。すぐさま、手掛りを探すため、諸国を回り始めたのですが、しばらくすると追手のようなものが行った先々で襲って来るようにり、その内、病に掛かり現在に到っているのです」


 そりゃ! 人気者になるわな! 竜王の化身ハルと名乗っているもんな。誰でも気付くって・・・


「ハル。お前いつものように名乗ってみろ! 」


「何を言っているのですが旦那は? 私は竜王の化身ハル、500歳です」


「お前は馬鹿なのか? 」


「何がですか?」


「自分で竜王の化身です。狙ってください! と言っているようなもんじゃないか? この混沌とした世の中で・・・ 」


 ハルが頭を抱えて考え出した。それを見るや、いやいや考えるまでも無いだろう。


「何はともかく、竜仙郷までの道のりは長い。ハルはこれから《生まれて三年ラブリードラゴン・ハル》に改名しよう」


「ジャン! 死ね! 」


 エルサが冷めた目で睨み付ける。


「500歳で《ラブリー》は勘弁願いたいです。旦那! 」


 ハルが懇願してくる。


「じゃあ。エリサ何か案が有るのか? 」


「《誕生三年愛の飛龍・ハル》で、如何でしょう? 」


 エルサがドヤ顔をする。


「いやいや、カタカナを漢字に置き換えただけじゃん。なら《ラブリー》でも良いじゃん? 」


 ジャンとアリスが対立する。すると、体調の悪いアリスが突然起き上がり、


「《紅蓮の飛龍・ハル》で良いだろう。他の二人よりかはかなりましだろう! 」


「姉御ー! 命の恩人であるばかりか、カッコイイ名付けまでして頂き、ありがとうございます」


「いやいや、《紅蓮の飛龍》はどうだろう? 《ラブリードラゴン》の方が良いんじゃないか? 」


 すると、ただでさえ体調の悪いアリスが怒り出し、


「私が《紅蓮の飛龍》と決めたのだからそれで良いのだ。助けて看病をしたのも私だ。ジャンしたか? 」


「そうですね。アリスさんが看病してましたもんね! それに《ラブリードラゴン》じゃ、ダサいですもんね! ペンネームみたいな感じですが、しっかり熟慮が必要ですもんね」


 エルサがアリス側に寝返る。が、言っていることが俺様の時と矛盾を起こしてますけど・・・


「当たり前だ! 例えペンネームみたいなものでも、しっかり考えないといけない」


 アリスも強い口調でエルサに合わせる。


「《紅蓮の飛龍・ハル》年齢は3歳、で良いだろう。誰も、見た目の年齢など分る筈もないだろう・・・ 」


「ありがとうございます。《紅蓮の飛龍・ハル》として、頑張ります。年齢はサバ読みすぎですが・・・ 」


「大丈夫。子供の飛竜にしか見えないし、誰も本当の年齢なんて分らないわよ! 」


 アリスがハルを押し切る。だがハルも、


「そうですね! 500歳とはいえ、子供の飛竜ですし若く見えますもんね! 」


 それを聞いたアリスが、


「皆、死ね! 」


 と言い、先程と同じようにテーブルに倒れ込んだ。


「姉御! 大丈夫ですか? 今日の姉御は体調が悪そうなので、今度はハルが、全身全霊をかけて看病致します」


 いやいや、アリスはただの重い二日酔い。自業自得ですよ! ハルが全身全霊を掛ける価値のない姉御です。そろそろ気付いた方が良い・・・ 。

 読んでいただき、あがとうございます。もう一回、本日は投稿します。

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