第18話 村の少女
休みですね! 遊ぶ前に、今日もよろしくお願いします。
追記
これからの事を少し、考えてみました。ご協力もあり、何とか当初の目標は達成出来ました。ただ、今後もこの作品を続けていくべきかどうかで悩んでいます。
大変勝手なお願いにはなるのですが、三連休開けの9月24日(火)に、続けるかどうかの評価をしていただきたいです。この日、一日で150ポイント行くかどうかで、判断したいと思います。勝手なお願いになってしまいますが、宜しくお願いします。
パルムへ向かう道中は、至って平和であった。ハルの調子も良くなり、ラスカルに乗らずに飛び回っている。上空にも飛べるようになり、辺りの探索にも一役買っている。パルムまでは、5日間の工程で、2泊を野営で対処した。が、今晩はハルの捜索によって近くに集落があることが確認されている。もしも宿とか有れば、久しぶりのフカフカベットが待っている。
集落に到着すると、衛兵らしき者が声を掛けて来た。
「旅人さんか? 」
こちらを警戒している様子はない。
「そうだ! この集落に宿とか有れば、紹介して欲しいのだが・・・ 」
「たいした宿ではないですが、ガビル直営の宿がありますよ。集落の中央になります。ご案内致しましすか? 」
ここは、マリエル軍の領地だ。ガビルが宿をやっていても納得は出来るが、またしてもガビル直営とは? どうしようもない奴ではあったが、商才は有るのかもしれない。
「いや、大丈夫だ。ところで、今日は祭りか何かなのか? 」
町には、飾りで彩られている。
衛兵は困った顔をして、
「そんな、大層なものではありません。暗くなる前に、宿に行かれるのがよろしいでしょう」
祭りの割には、衛兵の態度が素っ気ない。気にはなったが、取り敢えず、宿に向かう。
「祭りだと言うのに、何だか活気がありませんね? 」
アリスが残念そうに言う。辺りを見渡しても、集落の住人が黙々と祭りらしきものの準備をしている。どの住人にも笑顔がない。
「夜になったら雰囲気が変わるかしら? 」
エルサも、残念そうである。しかし、一番残念がっているのは俺様だがな!
「そうだ! 夜になったら変わるかもしれない。今は、準備で忙しいのだろう。祭りが始まってから来るとしよう! 」
宿に着くが、本日は俺達だけの宿泊のようのである。祭りなのに、がら空きとは不思議なことだ。部屋に居るのも詰まらないので、一人で散歩でもしてみる。やはり、先程と変わらず作業を続けている。メイン会場となるであろう、集落の中央広場を見て回る。
すると、広場の片隅で綺麗な民族衣装を着た少女が座っている。周りの住人は作業をしているが、少女は何もしてない。じっと見ていると、こちらに気付いた。
「今日は、何の祭りなのだ! 」
まずは、この催しが何なのかを知りたい。
少女は、立ち上がり俺の方に歩いてくる。
「旅人の方ね。あなたには関係の無いことだわ! 」
冷たく、あしらわれる。
「なぜ、そんなに不機嫌なんだ」
「不機嫌? そんなものではない。旅人は、旅人らしく、おとなしくしているものですよ」
凄く刺のある言い方だ。だからと言ってここで引くわけにもいかない。
「これから祭りのようだが、どういう訳か、この集落には活気がない。どうしてなんだ? 今日は、祭りとかではないのか? 」
それを聞くと、少女の顔が悲しげになった。
「すまぬ。何だか聞いてはいけない事のようだ。助けになれればと思ったのだが」
すると、少女が顔を上げ、
「気持ちだけで、十分です。少し、お話しませんか? 旅のお話とか聞けたらと思うのですが、ダメですか? 」
そんな事で良ければするが、まだ、旅を始めたばかりでそんなに話すことなど殆どないのだが・・・
先程まで少女が座っていた場所に二人で座り、旅の話をする。少女の名は、サラ。トロルに襲われたハルを助けた話。ダリでヨーク軍と戦った話。少女は、そのな話を真剣に聞いていた。旅の話を終えると、
「ジャンさんは、お強いのですね! 」
照れてしまったが、
「そんな事はない」
「そうですか。ジャンさんは信頼出来そうなので旅のお話をして頂いたお礼に、私の事も話しますね。この集落は大きくは無いけれど、国境の町パルムとダリの中間に有って、そこそこ暮らすには良い場所でです。それも、前の魔王が居たときまでは・・・ 前魔王が勇者に倒された翌年、飛竜に乗った《ザビ》という黒騎士が現れ、生け贄の要求をしだしたのです。最初のうちは、集落を上げて戦いを挑んだけれど、ことごとく打ちのめされ、それは酷い有り様だったようです。それから、十八年。毎年、生け贄を一人差し出しています。昨年は、私の姉が生け贄とされ差し出され、翌年の指名に私が選ばれました。それが、今夜です」
しばらく、沈黙ののち、
「それで、サラはどうしたい? 」
「どうしたいとは? 」
「このまま集落の生け贄のままで良いのか? 」
「正直に言えば、嫌です。しかし、この集落の皆の幸せのためで有れば、喜んで生け贄となりましょう」
「そうか。なら、多くは言うまい」
しばらくの沈黙ののち、サラが優しく微笑み、
「何でか分からないのですが、色々話さて良かったです。逃げ出しそうでしたが、なんとか落ち着きました。ジャンさんがこの後の旅で、強い方と出会われた時には、この集落の皆を助けて下さるようお願いして頂けたらと思います。あと、今の話は内緒にして下さい」
そういうと、サラは立ち上がり中央広場で作業をしている住人達の元へ行ってしまった。
何ともやるせない気持ちになる。ことの原因は、俺様にもあるのだろ。まだ年端も行かない少女を悲しませるなど・・・
宿に戻ると、受付に見覚えのある女性がいる。なんと、マリーがいるではないか。気付かれないように部屋に行こうとするが、
「ジャンさんじゃないですか? やはり、赤い糸で結ばれているかもしれないですね! 」
と言うと、巨乳を揺らしながらマリーが抱き付いて来た。弾力のある巨乳をこれでもかと言わんばかりに押し付けて来る。
「何故ここにマリーがいるのだ! 」
「ここは、マリエル国が最近治めている重要集落の一つです。今日は、集落に薬の配達に来たのですが、暗くなってしまい、兄の宿に泊まることにしたんです。知ってます? 今日は、祭りのようですよ! 」
マリーが更に押し付けてくる。次第に顔が緩んで来るが、後方から殺気のようなものが、感じられる。何となくやな予感は、確信へと変わり、
「何で、貴様がここにいる? 」
階段を降りてきたアリスがこちらに気付き近寄ってくる。一歩近づく事に、殺気が増されている、
「あら、いらしたのですか? これから二人っきりで祭りに行こうと思っていたのに! 」
この場の空気を読めんのか? 宿のロビーが殺気で充満している。
「何をおっしゃられていることやら? 私とお祭りに行くに決まっているじゃないですか! 」
アリスが腕にしがみついてきた。負けじと反対の腕をマリーがしがみつく。この状況は悪くはないが、エルサの冷たい視線が気になる。
「旦那は、モテモテですね! 」
ハルがからかってくる。お前も、空気を読めんのか!!
「ところで、旦那はどちらと行くんですか? 」
エルサに合図を送る。このバカ飛竜を下げろ!!
しかし、今度はエルサが、
「どちらと行くんでしょうねぇ? ハルちゃん! 楽しみねぇ! 」
こいつら、絶対にダメな奴らだ。だが、
「エルサ! 一緒に行くか? 」
エルサに、助けを求めてみる。
「あら、やだ! 私みたいな貧●には、全く興味が無いでしょうに。それに、揉め事に巻き込まれるのも、ごめんだわ! 」
エルサが、冷やかな笑みを浮かべる。助けを求めた相手が、間違っていた。下僕として、助けようとは思わないのか?
「何でエルサさんなんですか? 旦那は貧乳が良いのですか? そんな事は、絶対に有りませんよね! 巨乳こそ命ですもんね! 」
ハルが、真剣に考えている。おいおい! そうじゃ無いだろう。
こちらはこちらで、アリスが引っ張る。負けじと、
「若い巨乳が良いに決まっているじゃないですか! ジャンは、マリーと行くんです! 」
マリーも負けてはいない。
「あらあら。ハルちゃん、ジャンはどちらの巨乳と行かれるのですかねぇ? ・・・くたばれ!! 」
エルサが鬼畜を見るような目をしている。
ヤバい。このままでは殺される。逃げるしかない。
「まさか、ジャン! 巨乳達を置いて逃げようなどと考えてはいないでしょうね! 」
エルサさん鋭いと言うか、キレてますねぇ! 先程から、嫌な汗が止まりませんよ。
「ハルちゃん! エロデビルと巨乳達は置いて、先に行きましょう。あと、エロデビルは死ね! 」
吐き捨てたかと思うと、ハルとエルサは先に行ってしまった。
置いて行かれても困るのだが・・・
「早く行かないと、始まってしまうのではないでしょうか? 」
「そんなことより、私と行くんですよね! 」
マリーがくっ付いてくる。
「何引っ付いてるんだよ小娘が!!! 」
アリスが引っ張る。ヤバい!
「あ! 」
と窓の外を指し二人の気をそらせ逃げる。二人の腕を振り払い、
「先に行く! 」
後は、全力で逃げる。
だが、アリスとマリーも全力で追いかけてくる。
「待てー! 」
と二人が叫ぶが、
「待てと言われて、待つ奴がいるか! 」
どっかで聞いたことのあるセリフを放ち、全力で逃げる。
読んで頂きありがとうございます。
9月24日の評価を頂けるよう、頑張ります。