表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
17/26

第17話 ガビルの妹

 これからの事を少し、考えてみました。ご協力もあり、何とか当初の目標は達成出来ました。ただ、今後もこの作品を続けていくべきかどうかで悩んでいます。


 ダリの駐屯所を出て宿に戻る。取り敢えず、旅の支度をし、外で待機しているアリス達の元に向かう。ロバ【ラスカル】の準備も整っている。


 そこにガビルがやって来た。すると、


「その子供の飛竜は? お前たちが連れて来たのか? 」


 そうだった。飛竜の件は俺たちが原因だった。ま、今から町を出るので問題なかろう。


「ガビル! 世話賭けたな。あとのことは、任せたぞ! 」


 ガビルが不満そうだ。そこに薬屋の娘がジャンに向かって、巨乳を揺らしながら駆け寄って来た。


「昨夜の件、旅人の方が助けて頂いたと聞いて、もしやと思いまして。やはり、あなた様でしたのね! 」


 と薬屋の娘が、ジャンに抱き付く。若くて張りのある巨乳が腕に当たる。その感触のため、顔がみるみるにやけてくる。それを見た、アリスとガビルが、


「マリー! 離れなさい! 」


 アリスより早く、ガビルが叫んだ。


「嫌よ! この方は、マリーの彼氏になるのだから。食事の約束もしましたしね! 」


 マリーが見詰めてくる。若いというのは素晴らしい。肌は透き通るように白く、澄んだ目をしている。今にも吸い込まれそうだ。


「私のジャンから離れなさいよ! 」


 アリスがマリーに向かって、引き離そうとする。


「止めないか? アリス、大人げない! 」


 と、諌めるが、


「ちょっと、おばさんは引っ込んでで下さい。今は、大事なお話の最中ですので・・・ 」


 マリーがアリスに噛み付く。だが、アリスに対してそれは不味いだろう。辺りの空気が重く、周りの者達も固唾をのんで見守っている。すると、


「ジャン! 今すぐ決闘を申し込む。アリスばかりか、可愛い我が妹マリーを手玉に取るとは、笑止千万。わが剣の肥やしにしてくれる! 」


 なんだと。この巨乳のマリーがガビルの妹だと。似ても似つかん。しかし、この状況を何とかするには、決闘しかないのか? するとアリスが、


「待ちなさい、ガビル。ジャンの相手は私が殺ります! 」


 やばい。こっちの方が遥かにやばい。町の半分が消し飛ぶかもしれない。それだけは、回避しなくては・・・


「二人とも落ち着きなさい! 」


 二人がこちらを向き、


「マリー、いつまでくっ付いている! 」


 そうだった。感触が良いもんで・・・ 残念だが引き離す。


「で、どちらと勝負するのですか? 」


 アリスが迫る。どちらかとは決闘をしないと収まらないようだ。


「では、先に決闘を申し込んだガビルでどうだろう? 」


 するとガビルが前に出て来て、


「そうだろう!もはや、貴様に生きる資格はない。この女の敵を討ち滅ぼすまでだ! 」


 そんなに、憎まれなくてもよくねぇか?


 しかし、ここは穏便に方を付けなくては・・・ 宿を出る前に、エルサに準備を促しておく。町の中央広場での決闘となった。見物人が増え辺りはお祭りムードだ。知らないうちに、露天商まで集まっている。


「これだけの証人ががいるのだ、俺が勝ったあかつきには、アリスとマリーから手を引いてもらう。良いな! 」


「そんな事で良いのか? 」


「そんな事だと! 貴様は、舐め腐っているな! 俺様との決闘の後でもその口が聞ければ良いのだがな! 」


 いやいや、先ほどの牢獄での判断はどうなされた? 一回は諦めたでは無いか? 完全に我を失っているな! 仕方ないがやるしか無い。が、アリスの機嫌だけは何とかしなければ・・・


「どうしてもやるのであれば致し方ない。アリスために戦おう! 」


 それを聞いたアリスが嬉しそうにし頬を緩めている。


 よし!


 お互いに剣を抜く。ガビルが闘気を高めオーラが体全体を包み込み、そこからさらに大きくなる。

 さすが、隊長ガビルだ。広場に集まった民衆の目が、ガビルに注がれている。しかし、このままだと呆気なく終わってしまう。今後のガビルの事を考えると少し心配になってしまう。


「では、行くぞ! 」


 ガビルの剣が、襲って来る。一般民衆には、剣が早くて剣筋は見えないだろう。ガビルの剣を受け、その衝撃で民衆を飛び越える。ガビルも素早い動きで民衆を飛び越え次の一撃を加えて来る。また、その衝撃を受けて、飛ばされる。この一連パターンの繰り返し、町のはずれまでやって来た。さて、ここからが本番だ。

 また、先程と同じようにガビルが攻撃をしてくる。その剣を今度は受け止め、一気に弾き倒す。その勢いでガビルが地面に叩き付けられた。あとは最後の仕上げだ。倒れているガビルの首元に剣を当て、


「俺様の勝ちだ! 」


 と言い剣を納める。何とも呆気ないがこれがガビルとの実力差だ。


「強いなんてもんじゃない。ただの旅人では無いだろう? 何者だ! 」


「一つだけ言っておく。敗者なのだ。口の利き方は気負付けた方が良い。ところで貴様は付いている。敗者の選択をさせてやろう。俺様の影部下となるか、魔法契約をして、下僕となるかどちらが良い? 」


「何だ、その条件は? 余り変わらないではないか? 」


「大いに変わるぞ。部下と下僕だ。全然違うと思うが・・・ 」


「しかし・・・ 」


「なら、魔法契約にするか? 忠実なる下僕としてダラン共々、一生働け! 」


 ジャンからとてつもないオーラが発せられる。ガビルは、生まれて始めて感じるとてつもないオーラに体が硬直し、とてもかなう相手では無いと悟った。


「ジャン様の影の部下としてお仕え致します」


 と言い、ジャンの前でひざまずく。


「分ればよろしい! 」


 これで、一件落着だ。あとは、民衆をどうするかだが、今後の旅の事とガビルの地位を考え、適当にジャンが逃げたことにした。町外れに行くと、エルサが準備万端で待っていた。アリスも混乱の中、エルサに回収されていた。ごたごたは有ったにせよ、人目に付かないようこっそりと出発する。目指すは、国境の町パルムだ。ハルはラスカルの上に乗り、アリスとエルサが両脇を歩いている。すると、後方からマリーが走って来た。


「ジャン様! 黙って行かれる何て酷いですわ! 私も付いて行きます」


 二人の顔が驚きで強張る。


「いやいや、それは・・・ 」


 困っていると、マリーはやさしく微笑み、


「それは、嘘です。まだ私は薬屋として修業の身です。一人前になったら、ジャン様とお供します。その時は、よろしくお願いしますね! 」


 驚きはしたが、何だか惜しい気もする。


「マリーが、一人前になったらお願いするとしよう! 」


「大切な食事の約束は忘れませんから・・・ 」


「あぁ!」


 アリスの顔色が変わる。


「あと、秘薬の材料の残りです。貴重なレアアイテムですのでお返しします」


「これは! ユニコーンの角では無いか? それも先の方から使ったのか? 」


「はい、アリス様の指示で。先が尖がっていると危ないからと・・・ では、失礼します。お気負付けて、おばさまも・・・ 」


「おばさまだと・・・ さっさと帰れ! この小娘! 」


 マリーは俺たちが見えなくなるまで、手を振っていた。


 渡されたユニコーンの角を見る。柄から使えば問題ないが先っぽから使ったら恰好が悪い。


「アリス! これは何だ? 」


「見れば分るじゃないですか、ユニコーンの角ですよ! 」


「エルサ! これは何だ? 」


「見れば分るじゃないですか、ユニコーンの角ですよ! 」


「そんな事を聞いているのではない。なぜ、先端から使ったのだ! 」


 するとアリスが、


「服に尖った物が付いていると危ないので、ちょうど良い機会だと思って使ってもらったのよ! 」


 エルサもうんうんと頷き、


「道中、危なかったですからね! 残った角はお洋服に付けておきますね。また、着る機会も有るかもしれないですから・・・ 」


「角が尖ってないと、ダサくなるだろうが!!! 」


 怒るが、こいつら分かてってやりやがったな!


 するとハルが、


「秘薬を作るために大切なユニコーンの角を頂き、命の恩人です。どうか、アリスさんとエルさんを許してあげて下さい! 」


 アリスとエルサが小さくガッツポーズをしている。めちゃくちゃ腹が立つが、ハルの手前これ以上文句の言いようも無い。


「仕方い。ハルが助かったのだ。ユニコーンの角の件はもう良い」


 すると、アリスが抱き着いて来て、


「さすが、ジャン。気前がいいですなぁ? ところであの小娘と私、どっちが良かったの? 」


「離せ! 胸が当たる!  」


「嬉しいくせに・・・・ 」


 アリスがいちゃついて来る。その横で、エルサが殺気を高めていた。



 読んで頂きありがとうございます。9月24日(火)以降も続けられるよう、頑張ります。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ