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第14話 ジャンの実力

今日も、宜しくお願いします。

「今の行いは決闘と言いながら、約束とは違いますね! ちょっと、ふざけ過ぎてはいませんか? 」


 久々に俺様のオーラが体を包む。辺りの空気が、重々しく、敵兵がオーラを感じて動揺している。

 

 すると敵陣の方から、


「何だ、このとてつもないオーラは? あいつは何者だ? 」


 敵陣が騒めき立つ。それもそうだろう。元魔王のオーラである。魔王幹部クラスでも見た者は少ない。


「死にたい奴だけ、前に出ろ! 」


 ジャンは敵陣に向かって、ゆっくりと歩みを進める。ジャンのオーラの前に、敵兵はオーラにすら触れることが出来ない。すると、敵陣の中央が割れ、大将が現れる。


「こんなオーラを発する輩がいるとはなぁ! どうだ、俺の部下になりはしないか? 」


 それを聞いたジャンが、敵の大将を睨み付け、


「何を寝ぼけた事を言っている。部下だと! 貴様は、俺様を誰だと思っている! ま、そんなに死に急ぎたいのであれば、容赦はしない! 」


「せっかく、誘ってやっているのに。残念だよ! あの世で後悔しな! 」


 笑わせるな! 後悔するのは貴様だ!


 敵の大将もオーラを纏い、ジャンに向かって襲い掛かる。ジャンも手を構え、閃光を敵大将に向けて放つ。トロルなら一撃ではあったが、敵の大将はさらりと避け、ジャン目掛けて、剣を振り下ろす。しかし、ジャンの素早い動き対して、敵大将の剣は空を切る。


 お互いに剣を構え直す。今度は、お互いのオーラがぶつかり合う。

しかし、ジャンが笑い出す。


「敵の大将だから期待はしたが、大した事ないなぁ? もう少し、楽しめるかと思ったが・・・・ 」


「何を、負け惜しみを・・・ 」


「そうだ! 今なら俺様の部下にしてやっても良いぞ! 二人いても困ら無いからな! 」


「何を、言っている。誰が貴様などの部下などになるか・・・ 」


「良いのか? これが最後のチャンスだぞ! 」


「ふざけるな! 」


「交渉決裂だな! では、俺様の真の力を少しだけ見せてあげよう! 」


 すると、ジャンのオーラが一段大きくなりそれと同時に、敵大将のオーラを弾き飛ばす。敵大将がよろめいたところにジャンが間合いを詰めに、剣を一振りする。敵大将も剣で受け止めようとするが、ジャンの振り抜いた剣により、敵大将の剣は真二つに折れその剣は、敵大将の首元でピタリと止まった。


「どうする? ここで首を撥ねられるか、部下になるか選べ! 」


「ぐ! 強い! 」


「どうするのだ? 早く選べ! 」


「貴様の部下に成るぐらいなら、死んだ方がましだ! 」


「そうか!なら・・・・ 」


 ジャンが敵大将に手を当て閃光を放つ。まともに受けた敵大将がその場に倒れ込んだ。辺りの時間が一瞬止まり、次の瞬間それを見ていた敵兵が我先にと、逃げて行く。ま、追う必要もあるまい。


「ジャン様! 」


 アリスが駆け寄り抱き付いて来た。今度は、アリスの巨乳を堪能する。さて、この敵の大将を下僕として、契約しておくか。中々の使い手だったからな! 敵大将の手を取り魔法契約をする。続けて、先ほどぶっ飛ばしたセルにも魔法契約をする。


 取り敢えず、北側の戦闘は終わった。エルサが負傷兵の治療に当たっている。


「エルサ! どんな感じだ? 」


「敵兵の負傷者が尋常じゃ無いんですが・・・ 」


「あー! それな! アリスが・・・・ 」


 すると、アリスが膨れっ面をする。


「私が悪い訳では無いもん。攻めて来た、敵兵が悪いんだもん! 」


 ま、ごもっともでは有るが・・・・


「戦闘も終わってるし、エルサ! あとは衛兵に任せて、宿に戻るとしよう! 」


「そうですね。今日は、本当に看病しかしていないわ! 肩が凝ってしまって早くお風呂に入って、ゆっくりしたいわ! 」


 エルサは本当に疲れたらしく、肩をグルグル回している。するとアリスが、


「巨乳じゃ無くても、肩は凝りますからね! 私も一汗掻いたのでお風呂に入りたいわ! 」


 アリスは喧嘩を売ってるのか? エルサの機嫌が悪くなる。


「そうですね! 巨乳でなくても肩は凝ります。早くゆっくりしたいので、子供の飛竜の面倒は、ジャンにお願いしますね! 」


 と言うとエルサは、宿に向かって走り出してしまった。


「ジャン様! やっと邪魔者が居なくなりましたわ! 夜のデートでもしましょうよ! 」


 なんと! それが目的だったんかい。アリスの奴、昔と違って知恵を本当に付けたんだな。それはそれで厄介だ。


 町はまだ騒めいているが、大きな被害が出た様子はない。町を歩きながらアリスが、腕を組んでくる。ま、アリスも頑張った事だし、今日ぐらいは良いか。巨乳が腕に当たる感触も何だか良いし・・・


 宿に向かってアリスと昔話をしながら歩いていると、


「アリスー! 」


 大きな声で、叫びながら近づいて来る。空気の読めないガビルだ。


「ち! 」


 アリスがガビルの接近に苛立ち始めた。


「お疲れ様。トロルは、片付いたのですか? 私たちは先ほど、ヨーク軍の本隊を撃退したところです。トロルに、大分時間が掛かったようですが・・・・ 」


 アリスの機嫌が悪いのか、しゃべり方が刺々しい。


「以外に時間が掛かってしまった。北側に軍勢が攻めて来たと報告が有ったので今向かっているのだが、どうやら、撃退したらしいのだ」


「そのことでしたら、私のジャン様が撃退致しましたわ! 敵軍は壊滅状態。敵将も捕らえて差し上げましたので早く確認に行かれたらいかがですか? 」


 それを聞いたガビルが驚き、


「ヨーク軍が壊滅状態だと! そんな馬鹿な! あの軍勢には、副将にセル、大将にはダランが居るのだぞ! 俺様でも手を焼く相手だ! 」


「大将はダランと言うそうですよ、ジャン様! そう言えば、名前聞きませんでしたね? なにせ、瞬殺でしたもんね! 」


「なに! ダランが瞬殺だと! 」


「そんな事より、早く行かれないのですか? 」


 アリスが、邪魔そうな顔をしている。


「そうだ! 急がねば! また、後で話は伺うとしよう」


 ガビルが北側の戦場に向かって行った。

取り敢えず、事が大きくならなくて良かった。戦闘もガビルも・・・


 宿に着き、子供の飛竜が俺様の部屋に運ばれ来た。本当に、面倒を看なければならないらしい。エルサとアリスは、お風呂に入っているようだ。

 しかし、この子供の飛竜はどこから来たのだろうか? 飛竜を仲間にする場合には、人間界と魔界の国境に当たるパルム山脈の奥にある竜泉峡に行き、そこで大人の飛竜と契約をして、仲間にするのが通常である。だが、子供の飛竜を、竜泉峡以外で見るのは稀だ。ただ、秘薬が効いているのか良く寝ている。明日には、動けるようにはなるだろう。


 それにしても、暇だ・・・・・


 一方、ガビルの方は、北側の戦場の後始末に追われていた。


「何だこれは! 敵兵のやられ方が尋常ではないな! 」


 そばにいる衛兵が、


「ガビル様のお宿にお泊りの、女性二人と男性一人の三人組が一瞬の内に敵を壊滅状態まで追い込みまして・・・ 特に、女性の方は、敵兵をゴミののようになぎ倒し、セルとダランにつきましては、男の方がこちらも、瞬殺で倒してしまいました」


「すると、男の方は二人も一瞬で倒したと言うのか? 」


「はい。とてつもないオーラを放っていました」


 あいつは、何者なのだ? 俺のアリスを奪い、その強さ、何か引っかかる?

 セルとダランを捕らえたと言うことで、二人に会いに行く。


「ダラン、久ぶりだな! 」


「なんだ、ガビルか。よく、あんな輩を仲間に出来たものだ」


「いや、そう言う訳ではないのだが・・・ 」


「あのとてつもないオーラを発する輩など、未だかつて見たことがない。何処から来たのだ? 」


「それは判らない。ところで、何が目的でここに来たのだ? 」


「それは、言えぬな! 貴様に言ったところで、理解できぬだろう」


 ダランめ!人を馬鹿にしおって。


「まあ良い。時間はたっぷりある」


「それより、俺に魔法契約をしたのは貴様か? 」


「いや、違う」


「すると、彼奴がしたのか・・・ 」


 ダランが思案している。


「取り敢えず、牢にでも入ってもらおうか。話はそのあとだ! 」


 話を聞けば聞くほど、アリスの話していた事は、本当だ。あのジャンとか言う男、なかなかの使い手ではあるようだ。だが、アリスを奪た以上、倒さねばならい。しかし今は、負傷兵の救護と、敵兵の捕獲が最優先だ。



読んで頂き、ありがとうございます。

目標に向かって、明日も頑張ります。


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