第13話 アリスの実力
三連休最後で、ダラダラ過ごしてしまいました。遅くなりましたが、宜しくお願いします。
急いで外に出る。衛兵達が北側に向かって走っている。アリスと目を合わせ、
「あっちだ!」
走り出す。エルサは置き去りになったが、アリスは何事もなく付いてくる。さすが紅蓮の女神の異名を持つだけのことはある。
「見えた!」
敵の数に対して、衛兵の数が明らかに足りていない。
「アリスは、右だ! 俺は、中央を相手にする! 」
「わかりました。ご武運を! 」
アリスは剣を抜き、今にも隊列が崩れそうになっている右側の戦場に突っ込んで行った。
俺も剣を抜き、衛兵の間をすり抜けて行く。
前線では、何人かの衛兵が殺られている。これは、まずい。かなり押されている。だが、大した戦力も無い割には、善戦していると言ったところか?
さて、本領発揮と・・・ 右側の軍勢の方で、轟音が鳴り響く。アリスが大暴れをしている。敵軍が哀れなになるぐらい蹴散らされている。アリスと戦っている軍の崩壊は時間の問題だ。
右側の軍勢は敵ではあるが、哀れで視てられないが、さて、こちらはどうしたのもか? 本気で戦えば敵軍の被害は甚大になるだろう。しかし、それでは弱い者いじめになってしまう。とりあえず、あれだな! 魔力を十分に溜める。
「スリープ! 」
すると、辺りの兵士達が敵味方関係なく、ばたばたと倒れ眠ってしまった。立っているのは、数人である。ま、雑魚は取り敢えず片付いた。
眠らずに立っている敵兵は集まり陣形を整えている。ま、何をしても結果は同じなのだが・・・・
ゆっくりと、敵陣に近づく。だが、敵陣に不幸が訪れる。アリスが横から突っ込んで来たのである。空中に飛ばされる者、くの字になって飛ばされる者、地面に叩きつけられる者、アリスは容赦がない。
「ジャン様! ご無事でした? 」
いやいや、まだ何もしてないよ。
アリスが駆け寄ってくる。
「取り敢えず、右側の敵陣を撃破して来ました! 」
それはそれは、見事な働きだこと。すると、後方から、
「ジャン! これはどういうことですか? 敵軍が、壊滅してるでは無いですか? 」
エルサも追いつて来た。
「アリスが少しはしゃぎすぎてしまって・・・ エルサ! 取り敢えず救助の方を任せる! 」
「味方はともかく、敵軍はどうしますか? 」
「武器を没収して、手当てをしてやれ! 逆らう者は縛っておけば良いだろう! 」
「判りました。衛兵と手分けして救助に当たります」
ジャンの後方にいる衛兵達に声を掛け救助を始めた。
「アリス! 少しは手加減っていうものは無いのか? 」
「何をおっしゃられているのです。戦いとは食うか食われるかです。情けは無用です! 」
言っている事は、間違ってはいないが余りにも、残酷ではないか?
「お前は強い。敵兵が、痛々しいことになっているだろう! 」
「そうですか? 久々の戦闘で、ちょっとやりすぎちゃいましたかね? 」
「その通りだよ! 」
すると、敵の本陣から大将らしき人物が、歩み寄ってくる。
紫の鎧を纏い、今までの敵とは格が違うのが一目でわかる。とにかく、大将戦の様相だ。ここは、俺様の出番のようだ。
「まさか、ここまで強い輩がいるとは誤算だった。しかし、ここで引くわけには行かない。そこの女、決闘を申し込むとしよう! 」
はい? 俺様じゃ無くて、アリスですか? いやいや、俺様にも見せ場を下さいって・・・・
「え? 私ですか? まぁ! 戦っても良いですが? ジャン様。戦ってもよろしいでしょうか? 」
「良いんじゃない! アリスをご指名のようだし・・・ 」
「何か、拗ねてませんか? 」
「良いから行け! 早く、終わらせろ! 」
拗ねている訳では無いが、なんとなく納得がいかない。アリスが歩み出て、紫の鎧を纏った敵と対峙する。
「私は、ヨーク軍のセル。いざ勝負! 」
するとアリスも、
「私は、ジャンと婚前旅行中のアリスだ! 蹴散らしてくれよう! 」
エー! その名乗り方は、無いんじゃないかなぁ?
ヨーク軍のセルが、アリスに向けて剣を振り下ろす。アリスも負けじと剣で受け止める。剣と剣の衝突で衝撃波が走る。二人の力比べが始まった。
「ほう! この私の剣を受け止めるとは、あなたやりますね! 」
セルがアリスに話しかける。
「あら! お褒めに預かり光栄ですわ! ただ、この程度では私は倒せなくてよ! 」
アリスの体をオーラが包みだす。それと同時に、アリスがセルを押し始める。
「ぐ! 何だ? この力は・・・ 」
「まだまだね! 喧嘩を売る相手かどうか、ちゃんと見極めないと・・・ 」
アリスが、セルの剣を弾き飛ばし留めの一撃を繰り出そうとしている。が、敵軍の本隊から閃光がアリスに向かって飛んでくる。それに気付いたアリスが、後ろにのけ反った。その隙を見逃さず、セルがアリスに向けて、こちらも渾身の一撃をお見舞いしてくる。
「ち! 避け切れん! 」
アリスが本気を出そうとすると、それを見ていたジャンがセルの一撃を受け止める。
読んで頂きありがとうございます。なかなか、評価が増えず凹んでます。ただ、当面の目標は10人目指して、まだまだ、頑張ります。
休みというのは、幾つになっても早いですね(^_^;)
お互いに、明日から頑張りましょう(^O^)