第12話 トロルの襲来
休みなので、創作活動を行う・・・ 悲しい(^_^;)
今日も、宜しくお願いします。
どれくらい寝ただろうか、ドアをノックする音で目を覚ます。外は、暗くなっている。ドアを開けると、エルサが立っていた。どうも、食事に呼びに来たようである。食堂に向かうとアリスがすでに、席に座っていた。
アリスが顔を見るなり、
「ジャン様は、良く寝れましたか? 」
何故、寝てたと判ったのだ? いや、寝ても構わないでは無いか。
「あー。少し寝ていた」
「私はエルサさんと、子供の飛竜の看病で大変でした。今は、秘薬が効いて来ているのか、容態は少し良くなったと思います。やっと、落ち着いたのでお食事が終わったら、少し休みますね! 」
「そうだな!少し休むと良い」
「では、子供の飛竜の看病をお願いしますね! 」
「え? 俺が看るの? 」
「他に誰がいるのかしら? しっかり、寝たでしょうし看病してもらわないと・・・ 」
「でもなぁ? 」
「エルサさん。ジャンは、子供の飛竜の看病が嫌みたいですよ! 」
「私達は、ずっと看病していてクタクタですが、ジャンが看られないと言うのであれば、二人で倒れるまで頑張るしか無いですね! 」
と、エルサが嫌味を言い疲れた仕草をする。
何故だろうか? 子供の飛竜を助けてから、悪者扱いをされているような・・・
「判った。看れば良いんでしょ!看れば! 」
仕方ない。しかし、
「アリスさん。イヤイヤ看られても困ります。ここは、私達で看なければならないようです」
「ジャンじゃ、無理なようですね。もう少し役に立つと思っていたのですが・・・ 」
なんだ、この空気は?
俺だってやれば出来るって!
「大丈夫だって! 俺だって、心配している。ちゃんと看るって! 」
「じゃ!お願いしますね。ジャン! 」
アリスがエリサに目配りをしている。ま、二人で仕組んだ事だろうけど、大したことないだろう。
しばらくすると、食事が運ばれて来る。食べようとすると、
「アリス!良く来てくれた! 」
なんと、ガビルがこれから食事だという時にやって来たのである。何とも、空気の読めない奴だ!
「ところで、アリス! 今からでも遅くない。俺の嫁に成ってくれないか? 」
何とまぁ? ド直球だこと。
「こないだもお伝えした通り、私はジャンと婚約していますので無理です」
ガビルが睨んで来る。
「何故、こいつなのだ? 俺は、隊長だぞ!そして、宿も経営している。生活だって、不自由なくしてやれる。それでも駄目なのか? こんな、放浪の旅などしなくても良いのだぞ! 」
すると、アリスが立ち上がり、俺の側まで来て、
「ガビルは、何を勘違いしているのか判りませんが、この旅は婚前旅行です。あなたがどんなに偉かろうと、お金が有ろうと、私には何の魅力にもなりません。何故なら、ジャンさえ居れば、何だって、世界だって、手に入ることが出来るのですもの・・・ 」
と言うと、アリスが抱き付いて来た。
いつものように巨乳が当たる。それは、良いのだが。話していた内容は最低だな!
それを見ていたガビルが、
「何故だ! 何故なんだ! どうしてお前なのだ! 」
ガビルが叫び、頭を抱え込む。が、何を思い付いたのか、
「アリスの気持ちは良く判った。しかし、納得がいかない。そこで、貴様に決闘を申し込む! 」
すかさずアリスが、
「決闘ねぇ! 面白そうだから良いわよ! 」
なぜアリスが答える。そこは、俺が答えるところだろう!
「では、表に出るとしよう! 」
ガビルが外に案内しようとする。
「これから食事なのだが・・・ 」
「チャチャっと、片付ければ良いでしょう! 」
アリスは他人事のように言う。チャチャっと片付ければ、食事も冷める事も無いか!
仕方なく、ガビルの後ろを付いく。外に出たところで、
「確認なんだが、なぜガビルと決闘をしなければならないのだ? 」
すると、
「こう言うものは、拳で語り合うものと、相場が決まっている」
イヤイヤ、そんな事は無いだろう。ま、諦めてくれるのであれば致し方ない。
「仕方ないが、始めるとするか! 」
「そうこなくては! 」
なぜかアリスは嬉しそうだ。そして、
「私の合図で、決闘を始める。はじめ!」
アリスが仕切っている。もう、めちゃくちゃだ。
「アリスを奪ったこと、後悔させてやる! 」
はいはい。ここでも悪役ですね!何でも良いから早いとこ終わらせよう。
ガビルは、腰に差していた剣を構え距離を詰めて来る。なかなかの気迫だ。マリエル軍の隊長であることは、伊達では無いらしい。
「お前は剣を抜かなくても良いのか? 」
ガビルが尋ねる。
「お前ごときに剣は、必要ない」
「どこまでも、馬鹿にしやがって! 」
ガビルが、迫ってくる。が、突然!
「ガビル様! ガビル様!! 大変です!!! 」
と叫びながら、衛兵が、駆け寄って来る。
水を差された感じではあるが、緊迫した空気が解かれる。
「どうした? 何事か? 」
衛兵は、息を切らしながら、
「町の南側から、トロルの軍勢が攻めて来ています。至急、対応をお願いします。」
「トロルの軍勢だと? 何故、奴等はここを攻めて来たのだ? 」
「判りませんが、早くしないと町に被害が出るかも知れません」
ガビルが少し思案をし、
「ジャンとか言ったなぁ? 命拾いしたなぁ! トロルの軍勢を始末してから、続きをするとしよう。最後の食事でも楽しんでおけ! 」
そう言い放つと、衛兵と共に去って行った。アリスは、残念そうだ。
取り敢えず、食堂に戻り食事を再開する。少し冷めてしまっているが、致し方ない。
「トロルが攻めて来るとは、良くある事なのでしょうか? 」
エリサが心配そうにしている。
「良くある事ではないとは思う。だが、心配は入らないだろう。ガビルと対峙した時の感じだと、トロルに殺られるような感じでは無かったからな! 」
「その通りです。トロルに殺られるような、弱い奴ではないでしょう。それよりも、私の為に戦ってくれるジャン様は、素敵です! 」
え! ヤバい。動揺してしまった。
アリスの奴、からかって楽しんでいるな!
「アリスさんの為に、戦うなんて憧れてしまいます! 」
エリサも楽しそうに、乗っかってくる。
こいつら、俺を誰だと思っているのだ。泣く子も黙る魔王だぞ! どうにか、凝らしめなければ・・・
「何を勘違いしている。アリスの為などではない。売られた喧嘩を買ったまでだ。それに、早く食事もしたかったしな! 」
皿に残っている物を、口に入れる。動揺したのは、迂闊だった。
「またまた、そんな事は言っちゃって! 本当は、アリスさんを取られたくなかったのでしょう? 全く素直じゃないのだから。アリスさんは、幸せ者ですね! 」
なに! 口の中の物が出てきそうである。
エリサの鋭い眼光が光る。
「エルサさん、止めて下さい。ジャンが照れているじゃないですか」
エルサ、殺す。なに、煽ってんだよ。ここに居てはダメだ。2対1で負けてしまう。早く食事を済ませて部屋に戻ろう。急いで食べていると、
「ガビル様は、いらっしゃいますか? 」
衛兵があわただしく、食堂に入ってきた。
「やはり、ここにも居ない。どこに行かれたのだ。ヨークの軍勢が町の北側から攻めて来たと言うのに! 」
ほう? 南がトロルで、北がヨークの軍勢。これまた見事な挟み撃ちだ。かなり、厳しい状況になるだろう。トロルを劣りに本隊を北側からぶつけて来たとなると、戦力的に劣る北側から崩され、町に被害が出るのも時間の問題だ。敵の作戦としては、良くできているが・・・
「ジャン様! どう致しましょう? 」
エルサが心配そうにしている。が、特に問題は無い。
「アリス! 行けるか? 」
「ジャン様! やはり、そうでなければ。いつでも行けます」
「エルサは、戦力外だから町の人の避難を頼む! 」
「わかりました。戦力外だけは余計です! 」
「では、行くぞ!」
昨日もブックマークが増えて、やる気に弾みが出てきました。少しでも読んで頂ける方が増えるよう、頑張ります。
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