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リコーダーを舐められたい。  作者: 濃紺色。
【教師 浅川】
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13/14

また明日。

物語は、終わらない。

あと少し。もう少しだけ。

「お前達……何をしている?」


思わず、強い口調になってしまった。

抑えないと。早まるな。

いつもの優しくて、爽やかな……。


「どうしたの? まだ残ってたの? 3人共」


午後5時半。下校時刻をとっくに過ぎている。

暗くなりかけた教室に3人の生徒がいた。

僕が担任を受け持つ、6年1組の生徒達。

クラスの女子の中心的存在、奏音。騒がしいおふざけ男子グループの1人、涼夜。いつも教室で静かに小説を読んでいる、伸次。

ほぼ接点のない彼等がそこにいた。


「浅川先生、ごめんなさい。私達、教室に忘れ物しちゃったんです」


潤んだ目で奏音が言った。

はぁ、と僕は溜め息を吐いた。


「もう暗くなって危ないから、気を付けて帰るんだよ」

「はぁーい」

「うぃーす」

「分かりました」


3人共、元気よく挨拶をすると、教室から出て行こうとした。

怒るのは好きじゃない。体力も使うし、嫌われてしまう。だから、優しく注意だけはしておこう。


「今度、甘い匂いがしたら、没収だからね?」


3人全員が一斉に口を押さえた。

子供は分かり易い。素直で可愛い。こういうのを見ると、本当に怒れなくなる。


「今日は見なかったことにするけど、次は駄目だからね?」


俯き、反省した素振りを見せる3人。

これ以上怖がらせないように笑顔を作る。なるべく、高い声を意識して。


「ほら、もう遅いから、気を付けて帰ってね。奏音、涼夜、伸次。また明日」


元気よく頷くと、3人は仲よく暗い廊下を歩いて行った。

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