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舐められてよかったのかな。
いいわけがない。
そうこうしているうちに、だいぶ、外が暗くなってきた。
「帰ろっか、皆で」
「おう」
「はい」
帰りの支度をしながら、涼夜君がポツリと言った。
「ってかさ、伸次。お前、よかったな。リコーダー舐めたのにさ、許してもらえて」
は?
「え? 舐めたの?」
私が見た時は未遂だったけど……もしかして、その前に?
「え、舐めましたよ?」
キョトンとした顔をする伸次。
「やっぱ、あり得ない。キモい!」
「ちなみに俺は舐めてません」
「ずるいです! 涼夜君も舐めようとしました!」
「でも、舐めてないし」
「でも、舐めようと」
「どっちもキモい」
「「……ごめんなさい」」
もう、いい。お姉ちゃんのお下がりをもらう。
……それにまぁ、リコーダーがあったからこうやって、仲間にも出会えたわけだし。
リコーダー、舐められてよかったのかな……なんて思うわけがない! 気の所為だ! 絶対!
「ほら、行くよ。変態2人組」
3人揃って教室を出ようとした時、
「お前達……何をしている?」




