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ビームは正義の基本技

初のバトル要素入ります。


そんなこんなで俺達は中庭で対峙している。


さすがに本気で戦えば平和な中庭は本格派な戦場跡となり、修復するのに莫大な金がかかる。

よって武器はお互い訓練用の切れない剣。ただし切れないけどこれで殴られると結構痛かったりする。


「ところで私は何でここに?」


何も知らない被害者リコ。

白衣を着て書類を持っているところを見ると、何かの仕事中だったようだ。

無理矢理引っ張り出されたな。


「いや審判欲しいから連れてきた。」

「さっきも言ったけど私本部の方に出す報告書まとめてて、これ以上あんまり時間割きたくない…」

「いやだから審判。」

「だから報告書…」

「審判。」

「…」


諦めろリコ。お前じゃコイツには勝てない。


というかこれ以上ってことはさっきも何かやらされたのか?

どれだけ人に迷惑かければ気が済むんだ。


「それにな、さっきのアレも使うつもりだ。いいのか?見てなくて?」

「えっ!早速使うの?じゃあ見る!」


おお、一気に輝いた。

アレって何だ?

本部に出す書類を地面に投げ捨てるほどすごいものなのか?


「じゃあ審判張り切ってやらせてもらいまーす!」

「よし!準備いいかバン?」

「何が何だか訳が分からないが…まあいい。来い、返り討ちにしてやる。」


ルールとしてはいつも通り。範囲は中庭、武器は訓練用の剣のみ。相手が戦えなくなるか降参したら勝ち。



そう「いつも」だ。

レッドは何かあるごとに、特に日曜の朝に喧嘩を吹っ掛けてくる。

俺だけにではない。

様々な局員がヘンテコな名前の技の餌食になっている。


ただ俺が他と違うのは、俺が負けたことがないという点。

もちろん今回も負ける気はない。


「行くぜ!キョウアクブラック!正義の力見せてやる!!」


そう言うなりレッドは突っ込んできた。

軌道を読み楽に受け止める。


訓練用の剣は片手剣であり、本当の剣でない分軽い。

いつも大剣を使っている俺にとっては片手剣は少し使いにくい。


しかし、レッドも本来の武器は双剣なのでハンデはほとんどない。


「おらぁ!!」


そしてレッドの攻撃は力が強い分軌道が読みやすい。双剣ならともかく今持っている剣は互いに一本。その一本だけに集中すれば攻撃に当たることはまずない。




「そんな攻撃で俺に勝てると思うか!!」

「グハッ!」


レッドが降り下ろした剣を避け、そこから素早く無防備な背中を叩く。とどめに脇腹に蹴りを入れて距離を離した。

レッドは蹴りを入れられながらも受け身をとりすぐに立ち上がる。


「いって〜。容赦ねえのな。」

「そっちが仕掛けた勝負だろ?それに本番だったらお前死んでるよ。生きてるのに感謝しな。」

「ぐ、さすがはキョウアクブラック。言ってることが凶悪だ。ヘタレのくせに。」


ほぅ、これは本当に眉間に百発入れられたいとみた。

上等だ。


「フフフ、こうなったらシャイニングセイギベルトの力を見せるしかなさそうだな。」

「オモチャのベルトで何する気だ?」

「オモチャじゃない!!選ばれた光の勇者しか着けられないベルトの力見せてやろう!」


レッドは両手を上げ叫んだ。


「シャァァァイニングプァァワァァァァ!!!」


もう何言ってるか分からん。


そして、あきれてる俺はレッドの謎の言語でベルトが光出したのを見逃していた。


「行けっシャインビィィィム!!」

「!!なにっ!」


いきなりレーザーがベルトの中心から発射された。

反射的に横に逃げた俺は後ろにあった建物の壁が少し焦げるのを見た。


何だ?今の子どもはレーザーで遊ぶのがブームなのか?


「それオモチャじゃなかったのかよ。」

「だから言っただろオモチャじゃないって。凡人どもが満足するベルトじゃ俺は満足しないのさ。名付けてシャイニングセイギベルトレッド改だ!!」


話してる間にもどんどんレーザーを連射してくる。当たったらどうなると思ってるんだ。


「ていうかリコ止めろよ!どうみてもルール違反だろ!」

「えっだって私ベルトの性能見るために審判してるのに止めちゃったら意味ないよ。」


作ったのはお前か!


「でもやっぱりバンすごいよね〜。私と話しててもレーザー楽々避けちゃうもん。さすがバンだよね。」


………



しょうがない。とりあえず俺で何とかしよう。


「スキありっ!シャインボンヴァァァァ!!!」


ボンッ!!


「煙幕!?」


気をとられたスキに煙幕を投げられ、視界が煙で覆われ何も見えない。

油断した。




「さあそろそろトドメを刺してやろう。」


レッドの声が聞こえた。すぐさまその方向に構える。


「シャァァァイニングレインブォォォ…」


声からしていつの間にかに遠くにいるらしい。

まずいな、この視界ゼロの状態でレーザーを出されたら避けるのは難しい。


「ォォォ…」

「させるか!!」


中断させようと声の方へダッシュする。


間に合うか?


「!見えた!」


およそ5メートル先に姿が見えた。

しかし、


「シャワァァァ!!!」


レッドの方が速かった。









「?何だ?何も起きない。」


瞬間的に目を閉じた俺は目を開けて回りを見渡す。


煙幕の煙は晴れ、コンクリートの無数の焦げ跡が目に入った。


そしてレッドのベルトは虹色に光輝いていた。


しかし、輝いてるだけで何も起こらない。


「………。」


本人もポカンとしている。



チャンスだな。


「ハアッ!!」


俺は渾身の一撃をレッドの眉間に打ち込んだ。










「イタタ…あんなに思いっきり叩かなくてもいいじゃんかよ…」

「こっちは殺されかけたんだぞ。」

「大丈夫大丈夫お前はこんなじゃ死にそうにないから。」

「俺は人間だ。」


レッドの最後の技は当たった人間を虹に変える技だったらしい。

まあだがさすがのリコもそれを再現することは出来なかった。


「あんなサイズだと容量とかの問題で私も作れないんだ。」


いや…大きかったら出来るのか?


そんなリコはその後、地面に捨てられた焼け焦げた穴がある報告書を見て愕然としていた。


やれやれ。



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