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ビハインドヴァイス01

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日月⚪

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どうやら私は、霊だとかオカルトの類いに少し近いらしい。別に、実は化け物だったんですー、とか云う話ではなく、人間としてオカルトに流れやすくなる。霊感が強く、また、自分もとり憑かれやすい。心霊現象を目の当たりにする。日月さんの話では、私は陰陽師のプロ一歩手前くらいのものは持っているとのことだ。

だけど、正直実感が湧かない。今でも、2階から落ちて無傷だった、あの記憶が何かの間違いなのではと思ってしまう。何かの間違いで、たまたま、偶然。それにつけ込んで、私に有ること無いこと言い放ち、新田くんをいいように使っているのではないかと考えてしまう私は、人間不信に陥っているのだろうか。

新田恵祐(ニッタケイスケ)。オカルトがなんでもかんでも引っ付いてくる私よりも、遥かに彼は不幸だと思える。彼は、自分の起こした事ではなく、必ず誰かのトラブルに巻き込まれる。長崎先輩の件や、私の件。浅倉さんの件は、私が巻き込んだ。

彼は、自分の事に誰かを巻き込むことは決して悪くない、一人で戦わずに助けを求めることはいけないことではない、そう言っていた。助かろうとすることは、正しいと言っていた。

正直私は、新田くんを見ていられない。独りで私の借り返す姿を、自分が助かろうとしないのに他人が助かろうとしないのをよしとしないことを、自分が助けられるべきだと解っていない様子を、側で見てきたからこそ、見ていられない。

そして彼は、決して善性ではない。新田くんの根本となる部分は善性としてなくトラウマにあるのだが、それは今語る事ではない。新田くんが、今のようにお人好しのような行動をするうちに、内側から崩れて消えてしまいそうで怖いのだ。

恐らく、彼が壊れてしまうのは時間の問題だろう。先延ばしにしても、いつかは壊れてしまう。そして、修復にも時間がかかるのだろう。そして、きっと彼は助かることを放棄するのだろう。誰かに頼らなくても、時間が解決してくれるのだと。

どうか彼が助かることを、私は祈ることしかできやしない。


新田くんの左腕が吹き飛んでいくのを見て、私はそう思った。

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