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月光の姫と信望者たち  作者: 山之上 舞花
第1章 セリアテスと記憶喪失と王宮の人々
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9-8 作った服の・・・説明ですか?

服の山を見つめても消えてくれるわけはありません。

どうしようと、頭を抱えたいところですが、みなさまに見つめられている中で、そんなみっともないことは出来ません。


お父様がそばに来ました。


「起きて大丈夫なのか。もう少し休んでいた方がよくないか」

「大丈夫です」


私と目を合わせて問いかけてきました。

しっかりと頷いて答えました。


「お父様、その服の・・・」


山と言いたくなくて言葉を止めます。


「ああ、セリアが改良したものだよ」


やっぱり~。

見たくない。

見たくないけど・・・。


「あの、何を作ったか覚えてないので見ても?」

「そうだな。出来ればどういうものか説明してくれるとうれしいが」


服の山を見ていきます。

ハンガーと移動式のラックを執事さん・・・クーベリックさんだったかしら?が、用意してくれました。

とりあえず、種類ごとにハンガーにかけていきます。

みなさまも手伝ってくれたので、すぐに片付きました。


若干涙目になりながら服をながめます。

みなさまが何も言ってこないのも不気味です。

私は大きく深呼吸をするとハンガーに掛かった服を手に取りました。

何となく、どういったつもりで作ったのか思い出してきました。


まずは、一番説明のしやすいエプロンにしましょう。


「えっと、これはエプロンです。今までのものと違うのは胸当てがあるのと、ポケットがあることです。サラエさん、キュリアさん、クリスさん、アドニーさん、こちらに来ていただけますか」


呼ばれた4人がそばにきてくれました。

5枚あるうちの1枚を手に持ちサラエさんにあてます。


「つけかたはこの肩紐を後ろでクロスさせて、腰のここに通して後ろでしばります」


次のエプロンを手にとります。キュリアさんをモデルにします。


「これもさっきと同じに後ろでクロスさせます。腰のここにボタンを留めます。そうして腰ひもをしばります」


他の2枚も同じようにクリスさん、アドニーさんをモデルに着せていきます。

うん。なんで、フリルひらひらから、シンプル イズ ベストまで作ったかな。

最後の1枚を持ち、アマリア様を呼びました。

そして、子供用に作ったエプロンを着せました。

肩の所にフリルがついた白いエプロンはアマリア様のオレンジ色のドレスによく映えました。

アマリア様が得意そうに胸を張ります。

次にマイヤさんとサリアさんにモデルになってもらいました。

割烹着を着てもらいました。


「これもエプロンの一種です。割烹着といいます。これの利点は服の袖が汚れないことです」


マイヤさんとサリアさんがくるりと回って見せました。

パチパチパチ。

拍手が起こりました。


・・・・・。

えっと、次は・・・。

・・・見なかったことに・・・いえ、後にしましょう。

じゃあ、男の人の服から。


シャツとズボンと上着を合わせていきます。

合わせたものをテーブルの上に置いていきます。 

もう一度深呼吸をして説明を始めます。


「これは男性用の服です。・・・その、どうも・・・着る人をイメージして作っていたみたいでして・・・これはおじい様にきていただきたいです」

「ほおー、わしにか」

「はい。このスリーピースの服はジャケット、ベスト、スラックスの三点でワンセットです。中にはこのワイシャツとネクタイを合わせていただきたいです。袖口にはこちらのカフスボタンをネクタイにはネクタイピンをつけます。靴はこの革靴で・・・」


なんで、革靴まで作ってるの?

この世界の靴は男女ともショートブーツのような靴だったからって・・・。


「こちらは、お父様に。今までの服とあまり変わらないようにみえますが、シャツはボタンになり、袖口もボタンで留めます。上着はこの紐をこちらに掛けることで止まります」


ああー。紐玉まで~。

何してたの、わたし・・・。


それから、アーマド叔父様には紺色の軍服調のもの、ロングブーツ付き。

エグモント叔父様には黒の燕尾服調のもの、踵が少し高い革靴付き。

お兄様、シュレイン様、ギルベルト様に、今までの変形したものを。

色はそれぞれ、お兄様はクリームイエロー、シュレイン様は海緑色(グリーン系)、ギルベルト様は浅葱色(青色系)の上下セットです。

それから、もう一組づつ、男性陣に渡しました。


残りの男性服はあとにしましょう。

女性陣の目が怖いです。


今度はドレスを並べます。

ワインカラーのドレス、目に鮮やかなライムグリーンのドレス、落ち着いてみえる赤紫のドレス、シンプルな薄紅のドレス、かわいらしいピンク色のドレス、深紅を所どころのポイントに使った子供用ドレス等。

普段着と社交用に作ったものを2着づつ並べていきます。


「これは、左から2着づつ、おばあさま、お母様、ソフィティア叔母様、ウルリーケ叔母様、ビアンカ様、アマリア様用に考えました。普段用と社交用です。普段用にはボタンを社交用にはホックを使っています。妊娠中のウルリーケ叔母様用はお腹を圧迫しない、楽なものにしました」


みなさま、興味深そうに手に取っています。

ビアンカ様が私の方を見ました。


「ねえ、セリアテスのは?あるんでしょう」

「ええ、あります」


自分の服を直したものと、お兄様から頂いた服を手に取りました。

ニッコリと笑ったみなさまが声を揃えていいました。


「「「「「じゃあ、着替えてみようか!」」」」」



92話です。


服の説明・・・。

せつめい・・・。


うわ~ん。

せつめいが、説明が難しいよう~。


あのね、エプロンはね5枚とも違うんだよ。

あとはね、胸当て部分がハートのと、Vカットになってるのなの。

1枚目はね、小学校で作ることもある、あの簡単なやつだし。


割烹着は普通の割烹着と、実はスモッグタイプなんだよね。


あとは・・・。

ご想像におまかせします。


まあ、こんだけ作れば、魔力もなくなるよね。


でも、セリアちゃんは元気です。

理由はじい様が語るので、もう2話待ってください。


ここまで読んでいただきありがとうございました。

では、次話で。


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