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月光の姫と信望者たち  作者: 山之上 舞花
第1章 セリアテスと記憶喪失と王宮の人々
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9-4 まずは・・・ボタンを作ります

紙と鉛筆、消しゴムをもらい、まずは服の形を書いていきます。

そこから、どうしたいのか書き込みます。

う~ん。ズボンにもゴムを使えば・・・。

あれ、ベルトは?

ベルトがあれば紐がいらないよね。


「おばあさま、ベルトはないのですか」

「ベルトとはなにかしら?」

「ズボンを固定するために使うものです。動物の皮を使って・・・。動物の皮って使いませんか」

「動物の皮は防具に使われているわよ」

「では、あるのですね」


よかったです。

服を書いていたのとは別の紙にベルトの形を書きます。

ついでにボタンとホックの形も書いていきます。

あら、この世界の文字を書けているわ。


書き終わった紙をおばあさまに渡しました。

おじいさま、お母様、お兄様も覗き込みます。


「なんとなくわかるけど、ボタンは木でできているのね」

「はい。他にも貝殻をつかって作ることもあるそうです」

「ベルトのここ。金属でバックルというのか。細長い皮と併用するのか」

「はい。皮に穴をあけてそこにバックルの棒を差し込んで止めます」

「ホックも変わった形ね。サイズを変えられるのね」

「はい。いろいろなサイズがありました」

「シャツと上着でボタンの形が違うけど、これもボタンなんだよね」

「そうです。シャツに使うものは丸いほうが止めやすいけど、上着のボタンは飾りとしてもおかしくないものを書きました」


私が書いた紙を見比べながら、みんなが話しています。


「まず、試せるのはボタンかな。庭師のペイスに手頃な棒がないかきいてみるか」


おじいさまはそういうと居間を出て行きました。


「そういえば、セリア。エプロンがどうとか言ってなかったかしら」

「はい」

「エプロンならみんなしてるわよ」


そうなんです。エプロンはあるんです。

いえ、私からすると前掛けといいたいです。

胸当て部分が無いのですもの。

胸当てがないものはエプロンと言いたくないです。


「あなたが知っているものとは違うのね。何が違うのかしら」


お母様。そんなキラキラした目で見ないでください。

えーと、エプロンが一番簡単に作れるけど・・・。

黙ってしまった私にお母様は、すねたような目を向けてきました。


「教えてくれないの」

「うっ」


お、おかあさま。

なんですか。

かわいすぎます。

何か、破壊力、満点です。


「あ、あのですね」


その、首をかしげてこちらを見るのは・・・、お願いします。

なしの方向で!


「胸当て部分があるのです」

「胸当て?」

「はい。こういう形です」


紙に簡単に絵をかきます。

エプロンの形と実際に身につけたものを。


「あら、これはかわいいわね。サリア、余っている布はあったかしら」

「はい。ございます。裁縫室のほうにご用意しますので、少々お待ちください」

「ええ。そのエプロンも用意しておいてね」

「わかりました」


サリアさんが居間を出て行きました。

しばらくしておじいさまが戻ってきました。


「それじゃあ行こうかのう」


他の部屋に行くようです。

案内された部屋は工具?がいろいろ置かれていました。

太さがまちまちの木の棒が何種類か置いてあります。

その横には、動物の皮と、針金?みたいな金属がありました。

少し離れたところには金属の塊もありました。


「材料はこれでいいかの」

「はい。でも、私は作り方は知らないのですけど」

「よいよい。作るのはわしらがやるから、セリアテスは形が違わないか見ていてくれればいいのじゃ」


そういって、木の棒を1本手に取りました。


「同じ物がいくつかいるんじゃったな」

「はい。出来るだけ大きさと厚さをそろえてほしいです」


おじいさまが何かを呟きました。

木の棒が細切れになりました。

それをひとつ手に取るとまた何かを呟きました。

きれいで平たくて丸い形になりました。


「あら、おもしろそうね」


おばあさまも一つ手に取るとおじいさまと同じ言葉を呟きました。

これもきれいで平たくて丸い形になりました。


「僕もやってみたい」


お兄様と、お母様も一つ手に取ると同じことをしました。

どんどん穴のあいてないボタンができていきます。

あら、あちらでも使用人の方が同じように作っています。


私もやってみたいな。

できるかな。


木切れを一つ手に取ります。

みんなが言っていた言葉を呟いてみます。

私の中で何かが動いたのがわかりました。



88話です。


内容的にはきつくない回でした。

あはっ!


では、説明を。

ベルトのことを。

ベルトはかなり昔から使われてました。

ベルトという言い方よりも飾り帯や、サッシュと言った方がわかるかな。

まあ、腰ひもが7000年前に使われていたことは確かだそうです。

で、作品にでてきた、金属と皮の併用のベルトですが・・・。

分からなかったんですよね。

いつから使われだしたのか。

でも、鉄砲が出来たあたりの服にあのタイプのベルトが使われていたような気がするし・・・。

アメリカの独立戦争あたりのような気もするし・・・。

本当にすみません。


もし、分かる方がいたら教えてください。


ボタンとホックも、実は何時から使われだしたかはっきりしないんですよね。

ただ、調べてわかったのは、ある時代のドレスは体の線をだすために、いちいち背中を縫い付けていたそうです。

なので、服を脱ぐためにドレスを切り裂いたとか。

・・・。

だから、紐で縛るのは、まだ、優しいのかな。


と、変な考えになりました。


ちょっと脱線しましたが、今の時代は服の脱ぎ着が楽でよかったです。


さて、次話は大変なことになります。


ということで、ここまで読んでいただきありがとうございました。


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