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月光の姫と信望者たち  作者: 山之上 舞花
第1章 セリアテスと記憶喪失と王宮の人々
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9-2 ゴムが欲しい!からの・・・あれ?

こんな素敵アイテムは手に入れなければ!

それでは、どこで購入できるか訊きましょう。


「私も欲しいわ。どこで購入すればいいのかしら」

「いえ、これは、お嬢様がお使いになるようなものではございませんから」

「なんで、おかしいわ。誰が使ってもいいはずよ」

「いえ、お使いになられるときれいな御髪が傷んでしまいます」

「そんなことはないはずよ」

「いいえ。前例がございますので」


おかしいわ。髪の毛をゴムで縛ったからって傷むはずがないわ。

もし、傷んだのだとしたら、すごくきつく縛ったか、お手入れの仕方が悪かったのよ。

そうおもい言ってみましたがわかってくれません。

それでもゴムが欲しい私は、いろいろとサラエさんに言ってみました。


「何を騒いでるの、セリアテス」


戻ってくるのが遅かったからか、おばあさまが居間から顔をのぞかせました。


「おばあさま。私、ゴムが欲しいのです。購入先を教えてほしいとサラエさんに言ったのですが、私が使うものではないと、教えていただけません」

「とにかく落ち着きなさい。部屋に入って座ってから話を聞くわね」


仕方なく部屋に入り、椅子に座ります。


「それで、ゴムが欲しいとか言っていたけど、髪を縛るのに使いたいの」

「いいえ、違います。服を改良したいのです。だから、かなり長いものがほしいのですが。えっと、長さの単位はなにかしら。ああ、それから、お兄様の小さくなった服をいただくわけにはまいりませんか。あ、でも、これも紐で縛るのかしら。紐だとやっぱり動きにくいわよね。ボタンを何とか手に入れないと。でも、作るしかないのかな。糸玉じゃだめかしら。あー服の形状をみないと改良のしようがないかな。ホックなら簡単に作れるかしら。ファスナーは・・・難しいわよね。ダッフルコートみたいな引っかけるタイプなら簡単かしら。それから、エプロンがあるといいわよね。割烹着タイプもすてがたいし。それと・・・」


途中から、自分の思考に入り込んでつぶやきに変わっていました。

思いつくまま言葉を並べていきます。


「セリアテス!」


突然耳元で大きな声がしました。

私はハッと顔を上げました。

皆が私を見ています。

私の顔から血の気が引いていくのがわかります。


(どうしよう。やっちゃったわ。聞かれてたわよね。いいわけできないわ)


「セリア、そんな顔をしないで。大丈夫よ。「彼女」に言われたことを思い出したのよね」


お母様が微笑みながら言ってくれました。

そういえば、彼女の言葉を思い出したら教えてほしいと、王妃様に言われてました。


「はい、お母様」

「服にかかわることなのね。何をどうしたいのか教えてくれるかしら」


お母様の言葉に勇気をもらいました。


「あの、お母様。今着ている服もそうですが、とても不便です」

「不便?」

「後ろで止めるので一人で着替えが出来ません」

「普通はそうじゃの」

「それですと、有事の際にすぐに行動ができません」

「有事?」

「それに魔物と戦うときにドレスでは、動きを阻害されます」

「魔物と戦う?」

「乗馬をするときもドレスですか」

「ええ、女性は鞍に横向きに座るわね」

「それでは、馬を疾走させたら振り落とされてしまうかもしれません」

「何を言っているの、セリア?女性は馬を疾走させたりしないものよ。乗馬をするのは嗜みよ」


この世界の常識にクラクラしてきました。

何と言おうか迷い、黙ってしまいました。


「セリアテス、聞いてもいいかのう。なぜ、セリアテスは魔物と戦うなどということを思ったのじゃ。魔物と戦うのは男の仕事じゃろう」


おじいさまが聞いてきました。

やはり、そういう考え方でしたか。


「おじいさま、魔物と戦うのに男も女もないと思います。それよりも貴族の義務の方が大切です」

「貴族の義務かの」

「はい。自分の領地で魔物の被害が出た場合、退治するのは領主の義務ですよね」

「まあ、そうじゃのう」

「その時領主も討伐に参加しますよね」

「規模にもよるがのう」

「魔物の規模が大きくて手が足りなくて、それなのに領主がいなくて、でもその家族がいた場合は、代わりに討伐に参加しないのですか」

「いや、そのために領主は軍をもっているんじゃ。領主がいなくても何とかできるようにのう」

「一つ確認ですが、貴族は魔力量が多いのですよね」

「ああ」

「貴族は学園で魔法を習うのですよね」

「そうじゃ」

「女性もですよね」

「・・・何がいいたいのじゃ」

「では、女性はなんのために魔法を習うのですか。民を守るためではないのですか。女性では領主代行になれないのですか。女性は守るべき者ですか。女性が守ってはいけないのですか。戦う手段を持つ者がそれを行使しないのは怠惰ではないのですか」


おもわずまくし立ててしまいました。



86話です。


またまた、おかしいです。

ゴムを手に入れて服を改造するだけのはずだったんです。

どうしてこうなった?


プロットでは、意識改革はもう少しあとなんだけど。

ボタンの話もそれより後、なんだけどなぁ~。

まあ、いいか。

ストーリーが大幅に崩れなければ。

ね!


それでは、ここまで読んでいただきありがとうございます。

では、次話で。


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