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月光の姫と信望者たち  作者: 山之上 舞花
第1章 セリアテスと記憶喪失と王宮の人々
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兄話2-3 王様の好きなものはスッパイものらしい

父上は王妃様に昨日のことを話し始めた。

祖父母が来ていて、アルンスト侯爵家とルートガー公爵家が昨日集まったこと。

セリアの様子。紅茶の製法。「オリガミ」のこと。


あれ、紅茶の製法って黙っているんじゃなかったっけ?


「そう、わかりましたわ。私も紅茶の製法は作り方が確定してから、世に広めるでいいと思うわ」

「ありがとうございます」


そういって、紅茶を一口飲む。

そう、お茶じゃない。紅茶だ。

父上は今日紅茶を持参していた。

そして、父上手ずから紅茶をいれた。


「本当、これの生産が安定して安価で広く飲まれるようになるといいわね」

「はい。かならず、作り上げてみせます」

「よろしく頼むわね」


王妃様はもう一口紅茶を飲むと、カップを置いた。


「それにしても、ごめんなさい、としか言えないわね」

「それは、王妃様のせいではございませんので」

「でも、ほんと、何を考えているのかしら、あのバカは」

「そう、おっしゃらないであげてください」


何のことを言っているのだろう。

全然わからないや。

ローザ王女様もわからなかったようで王妃様に聞いていた。


「何をおっしゃっているの、お母様?」

「なんでもあ」

「あなたたちのお父様がフォングラム公爵にバカなお願いをしたのよ」


たぶん父上は「何でもありません」と言おうとしたと思うんだ。

それを王妃様が遮って話している。


「バカなお願い?」

「ええ、セリアテスをアルフレッドの婚約者にと言ったらしいのよ。それどころか、カークライトかシュナイダーでもいいといったそうよ。はてはセリアテスと結婚した者を次期国王にしてもいいとか言ったらしいわ」

「本当ですの、お母様」


ちょっと、待ってよ。セリアが王子の婚約者?

確かに、この間のお茶会は王子達の婚約者を決めるためのものだって噂があったけど、だからってなんでそんなことになるの。

セリアと結婚した者が次期国王っておかしいでしょ。


「おかあさま~、わたし、いまから、おとうさまをなぐってきますの~」

「待ちなさい、マイン。あなたがそんなことをしなくていいのよ」

「で~も~」

「まって、お母様のお話をちゃんとききましょう。ね」

「わかりましたの~」


王妃様の話を要約すると、その話は父に突っぱねられたこと。

そのあと、話しを聞いた王妃様が雷を落としたこと。

「アラクラーダ様のお言葉」から、決めるのはセリアで周りから強要はできないこと。


僕はホッとした。

別に王子達がセリアの婚約者になるのが嫌なわけじゃない。

ただ、王家の意向や、取引に有利とかいう、貴族的な事情で婚約者を決められるのが、嫌なんだ。

僕だって公爵家の嫡男だからそういう観点から婚約者が決まるのはわかってる。

でも、セリアにはそういうのじゃなくて、心から好きになった人と結ばれてほしいと思うんだ。


「うふふふ。それならいいですわ、お母様。でなければ、お父様に大好きな物をいっぱい入れた飲み物を、ご用意するところでしたわ」

「あら、それはいいわね。あの人の大好きなスッパイものがいっぱい入った物など、いいんじゃないかしら」

「おとうさまには~、けんこうでいて~、いただきたいので~、マインが~、りょうりちょうにおねがいするのです~」

「まあ、マインはなんてやさしいのかしら。そうね、早速お願いしておきましょうね」

「さすが、王女様方です。きっと陛下も大変お喜びになられるでしょう」

「フォングラム公爵にもお墨付きいただいたわ。ちゃんと手配しましょうね」


王妃様、その笑顔が・・・。

父上も笑顔が黒いです。

まあ、僕もそれをすることには賛成しますけどね。


そのあと、屋敷の警備の話になった。

アルンスト侯爵家とルートガー公爵家から、セリアと一緒に子供達が勉強をするという名目で、1~2人づつ増やしていくこと。領地からも、キャバリエ公爵の護衛ということにして、呼び寄せることになったと父上が話した。


王宮側では、警ら隊の詰め所を貴族の屋敷のそばに増やすことになったそうだ。

王都の警備も見直されることが決まって、来春の騎士団の募集は人数を増やすことが決まったらしい。

来月には募集の告知がされるそうだ。

もちろん騎士団に所属するには厳しい審査がある。

それ以前に、本人確認が出来なければ騎士団には入れないときいている。


そういえば、まだ、ここに連れてこられた理由を聞いてない。

ローザ王女様をみるとニッコリと微笑まれた。


「あのね、ミルフォード様。あなたをお兄様達から引き離したかったのよ」

「どうしてとお聞きしても?」

「ええ。お兄様達にセリアの情報を聞かせたくなかったのよ」

「後で、私がいろいろ言われるのですが」

「大丈夫よ。適当にあしらってくれていいから」

「いや、でも」

「私からも許可するわ。あの子達にセリアテスのことをあまり話さなくていいわよ」

「はい。わかりました」


父上と王妃様が意味ありげに目を見交わしあった。

そして、とてもいい顔で微笑み合っていた。



84話です。


えー、今回は言うことないなぁ~。

もう、王妃様におまかせすれば、安心です。


あっ。

そうそう、王妃様。

自分の夫・・・はいいけど、息子達になんかひどいよ。

王女様達が邪魔をするのはいいけど、何故に?


では、ここまで読んでいただきましてありがとうございました。

次話で、会いましょう。


・・・・・

・・・・

・・・

はっ!

今日から4ヶ月目に入りました。

来週になれば時間が取れるようになりそうです。

もしかしたら1日2話投稿できるかもしれません。

その場合も予約投稿でいきたいと思います。


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