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月光の姫と信望者たち  作者: 山之上 舞花
第1章 セリアテスと記憶喪失と王宮の人々
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兄話2-1 僕の立場は

父と一緒に馬車に揺られながら、僕は不本意でしょうがない。

父も機嫌が悪そうだ。

そりゃ、そうだよ。

かわいいセリアの具合が悪いのに王宮に行かなきゃならないんだもの。


昨日、親族が集まって昼食会をした。

その後、子供達で話をしてたんだけど、ギルベルトとアマリアがつまらなそうにしてたんだ。

それがわかったけど、ビアンカとシュレインが離してくれなくて、二人の相手が出来ない。

どうしようと思った時、セリアが素敵な提案をしたんだ。


最初は大きな紙を欲しがったけど、ないといったら紙どうしをくっける「ノリ」が欲しいといったんだ。

それもないといったら、「オリガミ」をしようといってきたんだ。

「オリガミ」をするには紙が大きかったようで、紙を切るのにハサミが欲しいといってきた。

ハサミで紙を切らないといったら驚いていたな。

ナイフで切るのはあぶないから、僕が切ったんだ。

セリアの言う「セイホウケイ」に切ったら、本当に紙を折りだしたんだ。

みんな興味津々でセリアの手元をみていたっけ。

出来上がったものに息を吹きこみ膨らませたら、セリアはポンポンと掌の上で弾ませたんだ。

「カミフウセン」というものらしい。


みんなセリアに教えてもらいながら紙を折っていった。

ギルベルトやアマリアがわからないと、手を添えて教えていた。

向こうで、侍女や執事も紙を折っているのがみえた。

出来上がった「カミフウセン」は、少しずれてしまったけど、悪くない出来だと思う。


ビアンカが他のものはないのか聞いていた。

そして、ツル、物入れ、ヤッコサン、ハカマ、シュリケン、カブト、アヤメ、カエルを教えてくれた。

まだ、他にもあるみたいで、小声でフネ、ニソウブネ、ダマシブネ、テッポウ、あ、カミズモウなんていってたんだ。

でも、大人たちが戻ってきたから、新しいのは教えてもらえなくて。

あ、違うや。長方形の紙で「カミヒコウキ」も教えてくれたんだ。

最初は変な形と思ったけど、セリアが勢いをつけて手を離したら、スーと飛んでいったんだ。

鳥以外に飛ぶというものをみるのも初めてだったし、何より一枚の紙がここまで変化するのにとても驚いた。

大人たちも驚いていたけど、なんか、ひきつった顔をしていたな。


ひとしきり遊んだあと、折り紙をお土産にアルンスト侯爵家とルートガー公爵家は帰っていった。

帰るときに、ビアンカとギルベルトもセリアの勉強に参加することが決まったといっていた。

彼らが帰った後、セリアは疲れたのか母上にもたれかかって寝てしまったんだ。


セリアをベッドに寝かせたあと、父上たちから話を聞いた。

紅茶の製法もそうだけど、この「オリガミ」も知られたら、「女神様の神子」として確定してしまうだろうと言っていた。

そうしたら、「女神様の神子」を手に入れようとするものに、セリアは狙われるだろうと。

セリアを守るためにアルンスト侯爵家とルートガー公爵家と協力していくことになったこと。

国もセリアを守るために総力をあげて警戒態勢を整えるだろうこと。


ここいら辺は僕にはどうしようもない。

まだ10歳の子供にできることなんてたかがしれてるからね。

でも、父上に言われたんだ。

セリアの心を守っていこうと。

僕も、もう少し大きくなればセリアを守れるようになるからと。

僕は父上に鍛錬の時間を増やして欲しいとお願いした。

父上も考えておくと言ってくれた。


なのに、王宮に行かなきゃいけないなんて。

もう、カークライト様の友人を辞めたくなってきた。

もちろんそんなことは言えないけどさ。

それに、行かないと館に王子達が押しかけてきそうだ。

それだけは避けたい。


それに王宮に着いたら「オリガミ」を披露しなければいけないし。

紅茶の製法はおいておいて、「オリガミ」なら伝えても大したことにならないだろう、という判断だったんだけど。


会議室で僕は「オリガミ」をしている。

折ったものを持っていったのだけど、実際の折り方をと言われて、教えながら(・・・・・)折っている。

全然楽しくない。

なんでおじさん達に教えなければならないんだ。

僕の横で王様が一番喜んでいる。


やっと解放されたと思っていたら、今度は王子達に「オリガミ」を教えることになった。

こっちの方がまだ、楽しめた。

1回で覚えられない、カークライト様とシュナイダー様に軽い嫌味を混ぜながら教えていく。

アルフレッド様にはさすがに嫌味が言えない。

この人は本当に完璧な王子様だよな。


王子達の友人にも教えてるけど、シュナイダー様の友人であるシュレインも一緒に教えていた。

アルフレッド様の友人は騎士団長嫡男のフォルクス・ルーテール・エックハルトと、侯爵家嫡男のゲラント・ファウア・クリューガーと、伯爵家次男のグスタフ・ローゼス・ボルツマンの3人だ。

カークライト様の友人は僕と、騎士団長次男のシュベルツ・グラード・エックハルトと、宰相の孫であり公爵家嫡男のアルザス・ルーファニア・レグルスの3人。

シュナイダー様の友人は、アルンスト侯爵家嫡男のシュレインに、騎士団長三男のウェルシー・アガーテ・エックハルトと、伯爵家次男のハインリッヒ・バルドー・マルシャンの3人。


そして、なぜかローザ王女様とマイン王女様も一緒に「オリガミ」をしていたのだった。



82話です。


ミルフォードの回です。

あれれ。

これって、シスコンですか?


これは予定外の話です。

ほんとは1日とんで、医師たちの往診の回のはずでした。

これが入った理由は、折り紙の報告と、ミルフォードが王子の友人として王宮に行く日だったからです。

あと、そろそろ、攻略対象者たちをだしたかったから。

名前だけになったけどね。


うふふふ。

ヘルプミー!に、連絡くださった方ありがとうございます。

こちらに使わせていただきました。


あー、それから、宰相様の名字を変更しました。

教えていただいた名前が、素敵すぎて、よし、宰相の孫の名前に!

は、よかったのですが、もう、別の名字をつけてました。

でも、彼の名前は変えたくないとおもい、宰相様の方を変更することにしました。


では、また、次話で。


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