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月光の姫と信望者たち  作者: 山之上 舞花
第1章 セリアテスと記憶喪失と王宮の人々
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大人の時間 家族会議5

もしかしたら、すごい逸材と知り合えたのかもしれないと高まる期待と、先祖がすごくても今の当主がそれに値するとは限らないという思いが交錯する。

続きを聞こうとエグモントに目を向ける。


「その時に初代は準男爵から男爵になっています。2代目も財政に明るく、王宮内の配分に考慮し、災害用などのために貯蓄することを提案しています。おかげで、必要以上に華美な式典などはなくなりましたね」

「確かにそうだのぉ。先代国王が即位した時に華美を排したため、洗練された優雅で厳かな式典へと様変わりしたのぉ~」

「はい。この時の功績で子爵になっています。3代目、今のスクワーレ伯爵の父親ですが、かれも功績を残しています。彼も財務局に勤めましたが、国中の街道の整備に力を注がれました」

「街道の整備は財務局の担当じゃないだろう」

「普通はそうです。あの時はそうも言っていられない状態でしたから」

「ストラスブール国との紛争か」

「はい。もう少しで戦争になりかけたあれと、調整局の失態です」

「それで、街道整備とは」

「ですが、彼のおかげで今、有事の際には最速で移動できるようになりました」

「たしかにのぉ~、20年前では遠話の魔道具もここまで普及してなかったからのぉ~。街道も場所によってはひどいことになっておったしのぉ~」

「はい。街道整備はそれぞれの領主の裁量に任されていました。なので、彼は一定の基準を設けて、それに到達していないと罰則を設けました」

「少し厳しくはないのか」

「いえ、彼は国の事業ということで、予算を確保していました。ちゃんと整備をした領主には費用を支払っています」

「ほう、それは、それは」

「おかげで、国内の流通もスムーズになり、国の発展につながりました。この功績で伯爵に叙せられました」

「親父、この時にフォングラム公爵領も整備してんだろ。なんで知らねえんだよ」

「その3年ばかり国にはいなかったからの。領のことはゲラーダに任せておったし、戻ってから何も言われなかったから、無事終わっておったんじゃないのか。セレネ」

「ええ、ゲラーダが手配して終わらせてくれたわね」


そういえば、父が何年かいないことがあったが、あの時か。


「続きを話してもよろしいでしょうか」

「ああ」

「当代のスクワーレ伯爵はまだ、23歳と若いこともあり目に見えた功績はあげてません」

「23歳?若すぎません」

「成人してすぐに結婚をしていますから」

「あら、成人って18歳ではありませんでしたの?」

「いえ、15歳です」

「でも、18歳からの婚姻が多いですわよね」

「学園を卒業するのを待つと18歳になりますので」

「では、彼はそんなに早く結婚したのだな」

「たぶん、もう、伯爵位を継いでいたからでしょうね」

「そんなに早くか」

「はい。12歳の時に父親を亡くしています。奥様は4歳年上ということでしたので」

「性格は?」

「実直で真面目。ですが、学生時代は程ほどに羽目を外していたそうです。友人も多いですね」

「人に慕われる性格か」

「令嬢であるフィリナ嬢も控えめながら芯の強さを持っている方だそうです」

「まあ。それはいい拾いものをしたのかもしませんわね」


皆がミリーの方を見た。ミリーは溜め息をこぼすと話し出した。


「とても性格のいい令嬢だと思うわ。セリアに怪我させたことを悔やんで、目が覚めるまで毎日王宮に来ていたもの。セリアに許されても納得してくれなくて。償いとして勉強の助けをするように言われて喜んでいたわね。裏があるようには見えませんでしたわ」

「演技ということはないのですの」

「それは、ないと思うわ。伯爵家の自分が公爵家のセリアに釣り合わないと思っているようですし、王女様達に振り回されて、目を白黒させてましたもの」

「あら、王女様達にも気に入られたのですの」

「ええ、王宮を辞するまで3人で毎日来てくれていたわ」

「そう。では、大丈夫そうですわね」

「あら、ダメよ、ウルリーケ。私達の目で見てからでないと」

「そうですわね。私達が見て、合格点に達しなければ、セリアのそばにはおけませんわ」


ソフィティアとウルリーケが笑い合った。


「どうしますの、お義兄さま」

「使えそうなら私の下に来てもらうことにしようとおもう」

「あら、囲い込みですの」

「そのほうが、令嬢への風当たりが弱まるだろう」

「そうかもしれませんわね」


また沈黙が落ちた。

さっきと違ってゆったりとした感じの空気だ。


「他には何かございませんの」

「ああ、無いかな」

「お待ちなさい。夕べ、カテリアからフォングラム公爵領の館に着いたと連絡があったわ」

「母上、聞いておりませんが」

「お袋、家にきた連絡か」

「ちがうわよ。私が館に用があって連絡したら、ちょうど到着したのよ」

「ほんとですか」

「嘘をついてどうするの。それで、こちらから連絡するからそれまで館でゆっくりしているように伝えてあるわ。あの娘のことだから家族に無理させたでしょう」

「たしかに、姉上なら」

「このあと、領から何人か呼ぶのよね。ちょうどいいから、キャバリエ公爵の警護ということになさいな」

「ありがとうございます。母上」


そうして、もう少し警備のことを話して子供たちの所に戻ったのだった。



81話です。


この回で、大人の時間が終了します。


今話は、・・・教えられました。

スクワーレ伯爵家の設定は出来ていたんだけど、ザックリでした。

4代目で、あること。初代がすごい人。

・・・だけだったのよね。


うん、ありがとう。エグモント。

君が調べてくれて助かりました。


私は、スクワーレ伯爵が危険人物ではなくて、フィリナちゃんもいい子だよ!

と言いたかっただけなのに。

でも、結果は予想の斜め上の考えをされて終わりました。


うん。もう、あとは、任せるから、そちらはよろしくね。


では、次話は、彼に語ってもらうことにします。


ん?

あの、今話の語り手って誰かわかってますよね。


では、次話で。


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