8-8 子供の時間?・・・折り紙しましょ!
食事が終わると大人はまた、別室に行ってしまいました。
残された子供たちは話をしていましたが、ギルベルト様とアマリア様がつまらなさそうにしています。
そういえば、この世界の遊び道具は何があるのでしょうか?
わからないので、何かみんなで一緒に遊べるものを作りたいと思います。
すごろく、なんてどうでしょうか。
大きな紙ってあるのでしょうか?
なければ糊でくっつけて大きな紙を作るのもいいですね。
「お兄様、大きな紙ってありませんか」
「大きな紙?大体このくらいしかないかな」
先ほど地図を描いた紙と同じ物を指さします。
「ではくっつけるための糊ってありますか」
「ノリ?」
「あ、ないんですね」
「なになに。紙をくっつけるって面白そう」
「そうだね。ノリって、何でできているのかな」
ビアンカ様、シュレイン様が話しに加わりました。
うーん。どうしましょう。
あ、そうだ。
折り紙!これなら、紙をもう少し小さくすればいいかな。
「えーと、それは、またで。それより、この紙で遊びませんか」
「紙で遊ぶの?絵でも描くの?」
「違います。折り紙をしませんか」
「「「「「オリガミ?」」」」」
やっぱり折り紙ってないんだ~。
「はい。正方形にするために紙を切りたいので、ハサミがほしいのですが」
「ハサミ?」
「セイホイケイ?」
あれ、ハサミはないんですか。
「ハサミで紙を切るの?」
「ハサミで紙を切らないんですか?」
「え、ハサミは木の枝を切る物でしょう」
あー、そういうことですかー。
紙を切るのにハサミは使わないのですね。
「では、紙を切るときには何を使うのですか?」
ビアンカ様、シュレイン様が顔を見合わせたあと、お兄様の方を見ました。
お兄様は微笑むと教えてくれました。
「ナイフだよ」
クリスさんが持ってきてくれました。
ペーパーナイフと呼ばれる物ですね。
「どのくらいの大きさに切るの」
「えーと、まず半分にしてください」
半分になった片方をもらい角を合わせて三角に折り、余った部分も折って印をつけます。
「こちらの部分を切っていただけますか」
お兄様がスッと切ってくれました。
あちらで侍女さんや執事さんが同じように紙を切ってくれてます。
「これをどうするの?」
「折ります」
私は紙を1枚取ると半分に折りました。もう半分に折り開いてつぶします。
みんなが私の手元をのぞき込みます。
折って開いて、折っておさえて。面を変えて折っていきます。
出来上がったものに息を吹きこみ膨らませます。
「はい、紙風船です」
「「「「うわぁ~」」」」
「すごいね。カミフウセンか」
ポンポンと掌の上で弾ませます。
「ねえ、どうやって作るの。教えてくれる」
「はい。一緒につくりましょう」
みんなで紙を持ち折り始めます。
一つ折るごとに説明をします。
ギルベルト様とアマリア様も楽しそうに折っています。
あら、紙を切ってくれた侍女さんと執事さんも同じように折っています。
「「「「「できた!」」」」」
みなさま出来ました。
ちょっといびつなのもありますが、初めてにしてはみなさま上手くできました。
楽しそうにポンポンと弾ませています。
「ねえ、セリアテス、他にはないの」
「そうですね。次はツルをつくりましょう」
それから、物入れ、やっこさん、はかま、しゅりけん、かぶと、あやめ、かえるを折りました。
みなさま、楽しそうです。
大人たちが戻ってきて、大人も加わって折り紙をしました。
長方形の紙で紙飛行機も作りました。
紙飛行機を飛ばしたら、ギルベルト様とアマリア様が大喜びしました。
「すごいわねぇ~。紙でこんなにいろいろ作れるなんて」
おばあさまが驚きの声をあげます。
みなさまも紙飛行機を作り、廊下に出て誰が一番遠くに飛ばせるか競争をしました。
しばらく遊んだあと、折り紙をお土産にアルンスト侯爵家とルートガー公爵家は帰られました。
帰るときに、ビアンカ様、ギルベルト様も私の勉強に参加することが決まりました。
えっと、なんで?
つ、疲れました。
私は今、ソファーに座りお母様にもたれかかっています。
隣に座ったおばあさまが私の頭を撫ぜています。
眠くなってきました。
ウトウトとしてきました。
「オリガミかの。紙にこんな使い方があったのかのー」
「このモノイレも小物をいれるのにいいわね」
「紅茶の製法もそうだが、一体どれほどの知識を伝えられているのか」
「・・・セリアはまだ7歳ですのよ」
「父上・・・」
「大丈夫だ。そのために集まったんだからな」
「そうだ、ミルフォード。心配することはないぞ」
「はい。僕も守りますから」
「頼もしいのう」
何を言っているのかしら。
集まった?
守る?
何から?
誰を?
わたし?
聞きたいのに眠くて考えられないわ。
そうして私は眠りの淵へと落ちていったのでした。
76話です。
子供達が仲良く折り紙します。
・・・という話のはずが、執事さん、侍女さん、何してるの?
大人も一緒になってねぇ~。
・・・いえ、私、人のこと言えません。
私もかなり好奇心旺盛で、「何してるの?」と言われることがよくあります。
8日目が今話で終わりました。
もう2話くらいいくかと思いましたが・・・終わりました。
おじいさま達がおとなしかったからです。
おっかしいな~。
なんでかな?
と思ったら、次話がね・・・。
えー、とー、私は、今、困惑しながら、次話を書いてます。
話しはサクサクかけていますが・・・。
ちょっと待ってよ。
何、それ。
設定にないんだけど。
の、オンパレードです。
今話のサブタイトルの「子供の時間」。
次話のサブタイトルの返しです。
もう一つ、質問?です。
キスシーンって、この話で書いて大丈夫でしょうか?
どこまでならいいのかわからなくなりまして・・・。
もちろん、表現はソフトです。
よろしければ、感想にお願いします。
ということで、次話で会いましょう。
次話は、3月9日10時で予約投稿します。




