表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
月光の姫と信望者たち  作者: 山之上 舞花
第1章 セリアテスと記憶喪失と王宮の人々
74/444

8-5 おじいさまの扱いは・・・予定調和ですね

「お兄様、もしかしてこれは、アラクラーダ様の神子が伝えたものですか」

「よく、わかったね。そうだよ。これのおかげで、遠方との連絡が、早く楽に取れるようになったんだよ」


・・・。

うん。

もう少し何とかならなかったのかな。

でも、すごい発明だよね。

早く連絡が取れれば、緊急事態に対処しやすいよね。

でも・・・なんだろう。

この微妙な感じは。


「ねえ、お兄様。これをもう少し改良しようという方はいらっしゃらないの」

「何を言っているの、セリア。アラクラーダ様が神子様を通じて教えてくださったものだよ。勝手に変えちゃ駄目だろう」

「でも、もし、これから連絡したい方が増えたらどうなさるのですか。魔石を入れるところは無限ではありませんよね」

「そうなったら、もう一つ用意するよ。王宮では、5台の遠話の魔道具を使っていたはずだし」


そうか、そうなるよね。

まあ、いっか。

細かいことは気にしないでおこうと。

なのに、お兄様が聞いてきたんです。


「セリアは何が気になったの?」


え~、気にしないでおこうとおもったのに~。

言わなきゃダメかな。


「大したことではないのですけど、こちらから連絡をするときに、一々魔石を取り付けないといけないのは、め・・・あ、いえ、手間がかかるなとおもったのです」


お兄様が顎に手を当てて考え込んでいます。


「確かにね。魔石は小さいし落として変なところに転がりでもしたら、見つけるのは大変だね。うん。あとで、父上に話してみよう」


あれ、お父様に話すことなの?


「じゃあ、居間にもどろうか」


また、お兄様が手を差し出してくれました。

その手に摑まると腕に手を移されました。

おー、エスコートされてるみたいです。

なんか、淑女になった気分です。

手を引かれるよりずっといいです。


居間に戻る途中でお父様達が2階から降りてきました。


「何をしてたんだい」

「セリアに遠話の魔道具を見せていたのです。アーマド叔父上」

「ああ、そうか」


みなさま納得した顔をしています。

そのまま一緒に居間に入りました。

それぞれソファーや椅子に座りましたが・・・?

なんですか。私を囲むように座るのは?

おじいさまとおばあさまが蚊帳の外ですが・・・。


そんなに警戒しないといけないくらい、いろいろやっているのですね。

お二方は。


「ねえ、これはちょっとひどくない。久しぶりにかわいい孫に会ったのよ。もう少し触れ合ってもいいでしょう」

「母上、先ほど説明しましたよね。セリアは病み上がりです。無理はさせられないと」

「だがな、セルジアス。滅多に会えん孫と会ったのだぞ。もう少しそばに」

「だから、親父。セリアテスに触れるな、さわるな、話しかけるな。もう、顔を見たんだから、領地に帰れ」

「なんかわしの扱いひどくない」

「来たばっかなんだから、もう少しゆっくりしたいわね」

「何気に、セレネも無視するし」

「ゆっくりしたいなら、セカンドハウスに行きゃあいいだろう」

「ええー、それじゃあ、かわいい孫と遊べないじゃない」

「孫で遊ぶの間違いなのでは?」

「わしも会話に」

「そんなことするわけないでしょう。一緒に遊ぶのよ」

「その遊びが信用できないといっているんだが」

「わしも」

「あなた、話しが済むまで黙っていていただけません」


おばあさまにぴしゃりと言われて、おじいさまは肩を落としました。

おじいさまの様子に笑いがこみ上げてきました。


「クスクス」

「まあ、セリアテス。何か面白いことがありましたか」


おばあさまはいたずらっぽく話しかけてきました。

やっぱり・・・わざとですね。

あら、おじいさまも私の様子を伺っているわ。

仕方ありませんね。

乗ってあげることにしましょうか。


「ええ、おばあさま」

「それはなにかしら」


少しうつむき気味に右斜め下に視線を向けて口元に手を当てて、ポーズを決めます。


「それは・・・」

「それは?」

「私の口からは・・・」

「?」

「言えませんわ」

「・・・えっ?」


みなさまの顔をそっと見ると、一様に呆けた顔をしていまた。

だから、予定調和はいりませんから。

まさか、気が付かないとはおもってませんよね。


「だから言ったではありませんか。こんなことしなくても、セリアなら気が付くと」

「そうだな。とんだ茶番になったな」

「恥ずかしい芝居させやがって」

「やはりお芝居だったのですね」

「わかりやすかったかのぉ~」


おじいさまがしょげた顔で聞いてきました。

それにニッコリと微笑んで答えました。


「はい。私に思い出させるためですよね。いつもと違う行動をして、その違和感から思い出す糸口になればと、思われたのではないかと考えました」


その言葉を聞いたおじいさまは今までと様子を変えて、私にニヤリと笑い掛けました。



73話です。


書いてて、なんだこりゃと、私に言わせた回でした。

大人が出てこない方が話し的には進むのですもの。

これは、大人が不甲斐ないのかミルフォードが偉いのか?

これから、何か説明をするときには、ミルフォードにお願いしようかしら。


えーと、悪いお知らせ?です。

3月は忙しく、毎日投稿が出来そうにありません。

なので、1日おきに予約で投稿することにしました。


別に、週1で連載も始めますが、それが理由ではないからね。

ちゃんとこっちを優先するからね。


もう一つ理由としては、「月光の姫」の世界をまとめ直したいというのもあります。おもった以上に話しが長くなりそうなので、見直してまとめたいとおもいました。

皆様に読んでいただくのなら、ちゃんとした物をお届けしたいとおもっていますので、ご了承ください。


それでは、次話で、会いましょう。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ