8-1 朝早くから・・・嵐の襲来?
朝から慌ただしい気配に目が覚めました。
時計を見ると5時30分です。
まだ、早い時間です。
昨日も起こしに来たのは6時30分でしたもの。
昨日はなかなか眠れなかったのよ。
ふふっ、見たのよね。
7歳の誕生日に描かれた肖像画。
茶色い髪もかわいかったのよね~。
吊り上がった目が猫みたいだったわ。
彼女が言ってた、日本人ののっぺり顔。
顔の起伏が無いと言いたかったみたいだけど、あの、幼く見える顔立ちは、また、別のかわいさがあったのにね。
なんで嫌がっていたのかしら?
ん?
あら、めずらしい。
誰かが廊下を走っているわ。
部屋の扉が勢いよく開きました。
「おはようございます、セリアテス様。起きていらっしゃいますか」
キュリアさんが飛び込んできました。
「ああ、よかった。起きていらしたわ」
続けて、サラエさんクリスさんも入ってきました。
「どうする。すぐにここにいらっしゃるわよね」
「そうね。着替える時間はないわね。身だしなみを整えるで、いいでしょう」
そういって私を抱き上げると
ソファーのところに連れていかれました。
サラエさんが洗面の準備をして、キュリアさんが髪をとかしてくれます。
「あの、なにが」
「すみません、セリアテス様。黙っていていただけますか」
「あ、はい」
サラエさんの鬼気迫る様子に口をつぐみます。
クリスさんが羽織る物を持ってきてくれました。
「あのね、セリアテス様、お客様が見えられたのよ」
こんなに早くからと思いましたが、私は二人のなすがままです。
目線で先を促すとクリスさんは教えてくれました。
「すぐにも、セリアテス様に会いに来ようとしたから、公爵様が引き留めています」
廊下が騒がしくなってきました。
サラエさんが「よし」と一言言って、洗面の道具を片付けました。
程なくして扉が勢いよく開きました。
「セリアテス!」
一声声をあげて、入ってきた人は、私を見て固まりました。
老人?お父様と似ているわ。
じゃあ、おじいさま?
続けて茶色い髪の品のいい老婦人が入ってきました。
その後ろから、お父様、お母様、お兄様も入ってきたけど、まだ、着替えてません。
「まあまあまあ、セリアテスなの。よく、顔を見せて頂戴」
そのまま私のそばに来て跪きました。
私の顔に両手を添えるとやさしく微笑みました。
「あなたのおばあさまよ、セリアテス」
「はい」
私も同じように微笑み返します。
私達のそばに家族がきました。
「私がわかるの」
「はい。おばあさま」
「ほんとうに」
「はい。私の大好きなおばあさまです」
おばあさまにギュッと抱きつきました。
おばあさまの後ろから焦った声が聞こえてきます。
「わしは、わしのことはわかるか」
顔を上げて、ジッと見ます。
ふいにいたずらしたくなりました。
わからないと言おうと口が動きかけましたが、やめました。
あんな期待に満ちた顔をされたらいじわるはできないです。
なので、ニッコリと笑いながら言いました。
「はい。おじいさま」
あれ。みんな顔を赤くしてフリーズしてしまいました。
あ、違います。
1人だけ固まってない人がいました。
私の頭を撫ぜながら、「ふふっ、面白いことになってそうね」と言って笑っています。
え~、なんのことでしょうか。
それから、おじいさまは部屋を追い出されました。
私が着替えるのの邪魔だと言われて。
他の家族も自分の支度のために部屋を出て行きました。
なので、この部屋にいるのは、私とメイドさん・・・侍女さんたちとおばあさまです。
おばあさまは私の支度が済むまで、ゆったりとソファーに座っていました。
本当は着替えを手伝おうとしたのですが、侍女さん達にやんわり?と断られていました。
なんだろう。想像していたのと違うみたい。
おばあさまって、一見おとなしそうなんだけど、かわいらしい感じなんだけど・・・。
うん、カンが告げている。
きっといろいろやらかしていると。
おじいさまを振り回していると。
だからー、私の着替えを楽しそうに見てないで~。
見た目ギャップはお母様だけでいいから。
はい?お母様の見た目ギャップですか。
だってね、お母様、私と同じで目が吊り上がり気味なんですよ。
かわいいけど。
それに、何もないと基本無表情みたいで。
きれいだけど。
ちょっとみ、悪役令嬢が大人になったらこんな感じという見た目なの。
だけど、涙もろいし、言葉を伝えるのが下手で・・・えーと、こじらせ女子?
まんまなのよー。
なんでわかったかって。
そりゃあ、見てればわかるでしょ。
今の私には彼女の記憶があるんだから。
ほんと、言葉を飲み込む人って大変よね。
もしかして、前の私となんかあったかなー。
私、魔力量が少なかったっていうし。
セリアに、魔力量を少なく産んでごめんなさい。とか。
余計な努力させてごめん。とか。
よくわかんないけどさ~。
などと考えていたら、おばあさまが面白いものを見ているように私を見つめていました。
うん。
余計なことを考えるのは、一人の時にしよう。
でも、もう、遅いかな?
69話です。
あはははは、はぁ~。
とうとう来ちゃったよ。
あの方たちが。
で、またまたですが、おかしい。
なんで、あなたの方がそうなんですか!?
おじいさまの方がいろいろやらかしているはずなのに~。
あ、いや、父話で、フラグは立ってたような。
次話で、衝撃の事実が!
って、たぶん?
セリアちゃん、がんばれ~。
振り回されないように自分をしっかり持つんだー。
今回8日目はかなり長くなりそうです。
本当なら、あちらの方たちがいらして、爺様、婆様は9日目のはずだったのに。
なんで、こうなった?
ここまで読んでいただきありがとうございました。
えっと、短編投稿などをして、書き忘れてましたが、
ブックマークをしてくれた方が400件を超えました。
本当にありがとうございます。
それに、感想に貴重なご意見を頂きまして、感謝しきれません。
感想をくださった方には、ちゃんとお返事しますので、よければ書いてください。
質問もお待ちしています。
答えは後書きにも載せるつもりですので、なんでも聞いてください。
それでは、また、次話で。




