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月光の姫と信望者たち  作者: 山之上 舞花
第1章 セリアテスと記憶喪失と王宮の人々
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5-4 事件は、未定・・・予定も、未定?

王妃様はハッとしたように周りを見回しました。

そして、コホンと咳ばらいをしました。


「もう一ついいかしら。セリアテスは未来のことと言っていたわね。確か、学園に入学してから事件が起こるとか。今、分かる範囲でいいから教えてもらえるかしら」


あー。どうしましょう。

やっぱり言うんじゃなかったわ。

ゲームにかかわるから、あまり話したくないんだけど・・・。

それとも、話した方がいいのかしら?


「あの・・・本当に・・起こるとは、限らないのですが・・」

「ええ、もちろんわかっているわ」

「その・・私が学園に入学して3年後くらいに・・」


あれ、ちょっと待って。

あの、ゲーム、恋愛だけじゃなかったよね。

魔法も極めるんだけど、確か、隣国によるヒロイン誘拐事件と、魔物の大量発生。

これって、たしか、お兄様が出てくる前の、キーワード。

そう、魔物の大量発生でヒロインがあること(・・・・)をすると、エンド後にお兄さまが攻略対象になったはず。

隣国によるヒロイン誘拐事件は全攻略対象が揃ってからおきたのよね。

・・・でも、これは、言っていいものなの?


「セリア、どうしたの?」


黙ってしまった私に王妃様がきいてきます。

迷っている場合ではないですね。

心を決めて、先に問うことにします。


「あの、この世界には魔物はいるのですか?」

「ええ、いるわ。あまり人の手が入らない所に多くいるわね」

「魔物の大量発生っておこることがあるんですか」


私の言葉を聞いた王妃様の顔色が青ざめていきます。


「まさか、魔物の大量発生がおこるというの」


王妃様の声が震えています。


「たしかに、周期的にもそろそろおこってもおかしくはないが。セリアテス、どこでおこるかわかるか」


国王陛下も真剣な顔で聞いてきます。


「この国の東・・より、やや北寄りの国境に近い森だったとおもいます。あと、西南の方角でも発生したと・・」

「なんだと、同時に2か所だと」


いや、まだ、おこってないから。

もしかしたら、だから。

そんな、真剣にならないでー。


私の心の声が聞こえたのか、お父様の冷静な声が聞こえてきました。


「おい、落ち着けレイフォード。まだ、本当におこると決まった訳じゃないのだろう。それに、おこるとしても8年後だ。いくらでも対策はできるだろう」


お父様の指摘に国王陛下も王妃様も我に返ったようです。

というか、国王を呼び捨てですか?お父様。


「ああ、そうだったな。可能性の問題だったな」

「そうですわね。でも、もし(・・)を前提として対処できるようにしておくことは、無駄にはなりませんわよね」

「わかったのなら、そろそろ娘を休ませていただきたいのだが」


お父様の言葉に陛下が慌てだしました。


「あっ、あ、そうだな。これで、聞きたいことはきいたかな~」


声が裏返ってますよ陛下。そんなにお父様って怖いのでしょうか。


「ええ、そうね。他はまた、後日にしましょうね」


王妃様も焦ったようにおっしゃいます。

お父様、何をしたんですか?

王妃様まで恐れさすなんて。


お二人は挨拶をして部屋を出て行かれました。

お父様は一緒に行かずに残っています。

ベッドのそばに椅子を持ってきて、座ると私の左手を握りました。


「ようやく明日には家に帰れるな」

「そうね。長く家を空けたわね」


お父様の隣にお母様とお兄様も椅子を持ってきて座りました。

なんか、みんな、うれしそうです。

でも、本当に帰れるのでしょうか。


「セリア、顔が暗いよ。心配しなくて大丈夫だからね」

「でも・・・おにいさま・・」


ネガティブモードになっているので、涙目のウルウルでお兄様を見つめます。


「「「うっ!」」」


あ、やっちゃいました。3人して顔を赤くしています。

もう少し時と場合を考えないと会話が続かないわ。


「そ、そうよ。王妃様も帰っていいと言ったのよ。だから、大手を振って帰れるわ。それよりね、家に帰る前に決めたいことがあるのよ」

「部屋のこと・・ですか」

「それもあるけれど、お勉強のこととかね」


えーと、今までのこと忘れちゃったから、一からになるからってことですか?

それとも、スパルタの過密スケジュールでいきます。とか?


「それよりも、体力回復が先だろう」

「いいえ。勉強をどうするかを決めないと、スクワーレ伯爵家に迷惑がかかるわ」


お母様が言いたいことがわかりました。

フィリナ様に来ていただくにしても、予定が決まらなくては困りますものね。


「だがな、家に帰って落ち着かなくてはわからないだろう」


お父様が言いたいことも分かります。

でも、私もフィリナ様と早く家で会いたいです。


「じゃあ、こうしたらどうかな。家に帰って7日後から来てもらうってことにするんです。流石に7日たてば、体調も落ち着いてくるとおもうんだけど」


お兄さま、ナイスな提案です。



58話です。


もうすぐ、連載を始めて、2ヶ月になります。

何とか続いてます。


話しはまだまだ続きます。


ということで、よろしくお付き合いくださりませ。


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