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月光の姫と信望者たち  作者: 山之上 舞花
第1章 セリアテスと記憶喪失と王宮の人々
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5-2 困惑と・・・(夢の中で)後悔と・・・

王妃様は皆様を見ました。


「では、用も済んだことですし、まいりましょうか」

「ちょっと待て。まだ、話しは」

「陛下。今の言葉を聞いていませんでしたの?」


退室を言い出した王妃様に国王陛下が抗議しかけましたが、きっぱりと切って捨てました。


「本当に情けないですわ。これ以上子供の前でそんな姿を見せないでいただけます」

「うっ」


うめいたきり、陛下は言葉がでなくなりました。


「セリアテス、今日はもう一日ここでゆっくりしなさいね。明日熱が下がって体調が良ければ家に帰れますわ」


王妃様は微笑みながら私の目をのぞき込むようにしておっしゃいました。


「おい。それと」

「おだまりなさい。彼女(・・)の言葉に逆らうのですの」


王妃様が一喝なさいました。

国王陛下は・・・。んん、コメントは控えます。


「では、失礼しますわ。ああ、ローザ、マイン、フィリナ、あなたたちも今日はほどほどになさいね」

「「はい。お母様おかあさま」」

「はい。王妃様」


王女様達の返事をきくと、王妃様は皆様を連れて部屋を出て行かれました。


3人は私の向かいのソファーに座りました。


「セリア、いつまでミルフォード様に抱き付いているつもりなの」


からかうような軽い調子で、ローザ様が言います。

私はそろそろとお兄様から手を離して座り直しました。


えっと、なにが、なんで、どうなっているのでしょう。


メイドさんがお茶を入れてくれました。

みんながお茶を飲むように勧めますので、一口飲みました。

皆様、笑顔で私を見ています。


「うふふふふふ。もう、大丈夫ですわね。公爵夫人」

「ええ、これでセリアはどこにもやらないですみますわ」

「よかったのです~。これから、セリアおねえさまといっしょに、おべんきょうをするのです~」

「そうだね。ローザ王女様、マイン王女様、フィリナ嬢。セリアのことよろしくお願いするね」

「はい。微力ながらお手伝いさせていただきます」


えーと、すみません。話についていけてないです。

誰か、説明プリーズ。


「あらあら、セリアってば、わかっていないようね」

「えーと、何がおこったのでしょうか?」

「あなたはね、自由に過ごしていいのよ」

「自由に?」

「そうよ。あなたが言ったのじゃない。「自由に何も縛られずに生きてほしいと」言われたって」

「・・・ええ」

「女神さまの言葉は絶対だもの。その、女神さまの威光に逆らえる人がいるわけないじゃない」


なんか、言われた言葉の意味が違う気がするんだけど・・・。


「まだ、わからないの?アラクラーダ様からセリアは、自由にしていいって言われたのよ。それをないがしろにする行為は、たとえ国王だろうと神殿だろうとできないのよ」

「あっ・・・」

「ね、だから、これからセリアは何をしてもいいのよ」


そうか、そうなんだ。

彼女が言われた言葉はこんなにも意味が深かったんだ。


自然と、涙があふれてきました。


「「「「「セリア(おねえさま)(テス様)?」」」」」


皆様の言葉が重なりました。

私は微笑みを浮かべました。


なんだろう。身体がグラグラする。

目を開けてるのがつらいな。


そう思った時には意識を手放したのでした。


夢を見ていました。

彼女のことを。


彼女もわかっていなかったのです。

あの言葉の意味を。


彼女は地方の旧家に生まれました。

こちらでいう領主の娘、私みたいなものでしょうか。

彼女の行動は常に見られていました。

そんな家が嫌で、故郷が嫌で、中学から寮がある学校に入ってしまったの。

そこで、漫画とアニメを知って・・・。逃げたのですね。

その世界に入り込むことで現実を忘れたかった。

そうして、高校、大学と傾倒するのが、エスカレートしていったわ。

でもね、仕方がなかったのよね。

彼女には親が決めた許婚・・・婚約者がいたのよ。

だから、好きにできるのは大学卒業まで。

なのに・・・。


彼女は婚約者のことを好いていたのよ。

それなのに、大学2年の時彼から婚約をなかったことにしてほしいと言われてしまって・・・。

彼は彼女より5歳年上で、彼女のことは妹としてしか見れない、他に愛している人がいると言われたのよね。

傷心の彼女に父親はひどいことを言ったわ。

今まで好きにさせてやったのに、男の一人もものにできなかったのか。と。

父親は彼女の結婚で彼の会社を取り込もうとしていたから、予定を狂わされて怒ったのよ。


その時よね。あの言葉を言われたのは。

年が離れていたため、あまり交流の無かった兄が彼女と話をして、最後に言ってくれた言葉だったの。

でも、彼女は皮肉ととらえたのよ。役立たずだとおもったのよ。


彼女は家を出ることを許された。

いえ、勘当されたのよね。

大学を卒業してOLになり、一人暮らしは初めてづくしでいろいろと大変だったわね。

でも、それでも、守られていたのね。

兄に。家の名前に。


亡くなるときまで何も気づこうとしないで・・・。



56話です。


やっと、セリアちゃんは家に帰れそうです。

あと、何話かな?4~5話ぐらいかな。


ここまで読んでいただきありがとうございます。

読んでくださる方がいると思うと、書くことの励みになっています。


もしよければ感想などをいただけるとうれしいです。

必ずお返事します。


展開的にはカメの歩みのようにおもわれるかもしれませんが、順調?に進んでいますので、安心?してください。


それでは、次話で。

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