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月光の姫と信望者たち  作者: 山之上 舞花
第1章 セリアテスと記憶喪失と王宮の人々
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王女と王女と伯爵令嬢 不安な一夜 2

~ マイン王女 ~


う~ん。

ねむれないのです~。

これが~、めがさえるということなのでしょうか~。


ほんとうは~、セリアおねえさまのそばにいたいのです~。

おねえさまをまもりたいのです~。

マインは~、まだこどもです~。

だから、マインのことばは~、たわごとと~、うけとられてしまいます~。

この~、ごびをのばすくせも~、げんいんだとおもいます~。


きをつければ~、のばさないでもはなせるのですが~、そうすると~、みんなにへんなかおをされるので~、のばすはなしかたをしてますの~。


でも、じぶんがおもいかえすだけなら、のばさなくていいですね。


マインが、セリアおねえさまと、はじめてあったのは、1さいのときでした。

きれいなごふじんと、いっしょにきていたのを、おぼえています。

それから、ローザおねえさまのところに、月になんどか、くるようになったのです。

セリアおねえさまは、くるたびに、マインのことも、あいてをしてくれたのです。

やさしいセリアおねえさまのことは、すぐに大好きになったのです。


そのセリアおねえさまに、大変なことがおこったのです。

けがをして、たおれたおねえさまは、7日間ねむって、めがさめたら、すべてを、わすれてしまったのです。

マインのことも、ローザおねえさまのことも、わすれてしまったのです。


でも、セリアおねえさまは、セリアおねえさまでした。

わすれてしまっていても、私たちをきづかってくれたのです。

じぶんのほうが、ふあんにおもっていたはずなのに。


あらためてセリアおねえさまのことが、大好きになったのです。


かみのいろがかわったセリアおねえさまは、はかなげで、くびをかしげるようすがかわいらしくて。

だれかが、まもらないと・・・。

だれかでなくて、マインがまもるのです。


だから、セリアおねえさまに、お兄さまたちは近づけさせません。


そ・れ・に・セリアおねえさまを泣かせた、パウル・ウルバーン。

あなただけは、ぜったい、ぜぇーたい、ゆるさない、のですー。



~ スクワーレ伯爵令嬢 フィリナ ~


ふう~。

これで、何度目でしょうか。

溜め息と寝返りの繰り返しです。

先ほどから、全然眠れません。


原因はわかっています。

フォングラム公爵令嬢のセリアテス様のことが気に掛かっているのです。


私とセリアテス様に、最近まで面識はありませんでした。

フォングラム公爵家はこの国の5公爵家の一つで言わずと知れた重鎮です。

その係累でもないし、どちらかというと新興のスクワーレ伯爵家は、フォングラム公爵家と接点はなかったのです。


初めて言葉を交わしたのは王妃様主催のお茶会の時でした。

私は他の令嬢方のように王子様方に話しかける勇気もなく、かといって、他の方々に話しかけることもできずに、壁の花となっていました。

そんなときにセリアテス様から話しかけていただいたんです。

他にも私のように壁の花になっていた令嬢方に話しかけて、みんなで楽しくお話しさせていただいたの。

セリアテス様が花を見に行かないかと誘ってくれたので、王宮の庭園にみんなと行きました。

庭園で咲き誇る花々を見ていたときに、隣にいた令嬢がハチに気がついたんです。

驚いて逃げだしたら、セリアテス様がいて、突き飛ばしてしまいました。

セリアテス様が倒れたところに石があってこめかみを切ってしまわれました。

すぐに医務室に連れて行かれてしまったので、あやまることができませんでした。


私はお父様に連絡をとってもらいました。

話しを聞いたお父様は青い顔をしてフォングラム公爵に会いに行きました。

戻ってきたお父様はもっと青い顔をしていました。

フォングラム公爵に謝罪したのですが、許さないと言われたそうです。


それから、セリアテス様が目覚められ面会が叶うまで、毎日王宮に通いました。

毎日お父様はフォングラム公爵に面会を申し込みましたが、公爵は会ってくださらなかったそうです。

王宮に通って5日目に王妃様に呼ばれました。

毎日来ている理由を聞かれたので、包み隠さずすべて答えました。

話しを聞かれた王妃様は溜め息をつかれたあと、力になるとおっしゃってくださいました。


そして、昨日、いえ、多分、日付が変わったので一昨日ですね。

目覚めたセリアテス様にお会いできました。

お会いして、話しには聞いていた、御髪の色が変わってしまったのを目の当たりにしました。

王女様達がいらっしゃいましたが、私を見て部屋を出て行こうとなさいました。

ですが、私から部屋にいてほしいと声をかけていてもらいました。

代わりに公爵夫人が部屋を出て行かれました。


席を勧められましたが、立ったまま謝罪をしました。

言い終わると頭を下げました。

やさしく声をかけられて私は泣いてしまいました。

聞かれるままにセリアテス様が倒れてから今日までのことを話しました。


こちらが悪いのにセリアテス様は公爵の行いをあやまってくれました。

それどころか、私に責任がないと言ってくださいました。

でも、私の気が済まないというと、素敵な提案をしてくださったのです。

記憶を失くされたセリアテス様の勉強のお手伝いです。

もう、うれしくて、頷きながら了承しました。


そうしたら、王女様たちにずるいと言われ、王宮に来た時に一緒に勉強することになりました。

今まで、雲の上の人と思っていた方々と交流がもてるのです。

天にも昇る気持ちでした。


なのに、なんですか。

アラクラーダ様の神子?

セリアテス様が?


これから、一体どうなってしまうのでしょうか。


54話です。


今話は、マイン王女様とフィリナ嬢の話です。

いつもより長めです。


もしかして、マイン王女様は天才ですか?

しゃべり方に騙されてしまいました。


フィリナ嬢はセリアちゃんに憧れてました。

いろいろあったけど、彼女のそばにいることができると喜んでました。


では、次話で会いましょう。

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