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月光の姫と信望者たち  作者: 山之上 舞花
第3章 魔法と領地ともろもろと
413/444

25-14 サンフェリス王家の秘事・・・

ジークフリート伯父様の出生の秘密を知るのは、ベルンハルト陛下と陛下のご両親と数名の侍女だけでした。出産に立ち会った助産師は高齢だったので数年後には亡くなり、王妃様について離宮にいた侍女は、ジーク伯父様付きになったそうです。その侍女たちは、王妃様が亡くなりジーク伯父様が成人した後、職を辞してひっそりと亡くなったといいます。

それは誰かから強要されたわけではなく、彼女たちの意志で行ったそうでした。


そういうわけなので、ベルンハルト陛下はジーク伯父様を実子と公表するのを止めることにしたそうです。



イアン料理長・・・こと、イアソート・ルジャン・キャバリエ様がキャバリエ公爵家を起こしたのは、イアソート様が18歳になられた時だそうです。もともと、キャバリエの名はサンフェリスの王族の持つ公爵家の一つだそうです。イアソート様の前にも二回キャバリエ家は在ったそうです。


イアソート様がキャバリエ公爵になられた時に、もちろん婚約者がいて婚姻間近だったのですが、結婚式のひと月前に事故で婚約者の方は亡くなってしまったといいます。

・・・これは表向きだそうです。実際はイアソート様と婚約者の方が、・・・えーと領地に視察に行って古い領主館を新しく建て替える場所の下見をしている時に、襲われたというのが真実だそうです。

この時・・・ぼかされましたが、かなり酷いことが行われたようです。お二人は薬を盛られ、それぞれに意に染まないことをされたようでした。

助けが来たのが襲われてからひと月後くらいだったそうで、何とかお二人の命は在ったそうです。ですが、婚約者の方の心はボロボロになり、正気を失ってしまっていた・・・らしいです。

結局、婚約者は正気に戻ることはなく、お亡くなりになられた・・・そうです。


お二人を襲わせた黒幕・・・どこぞの侯爵家当主(ジークフリート伯父様のお母様のこととは別の人だそうです)は、王弟であるイアソート様の妻の座に娘を押し込みました。が、彼女の不貞により侯爵まで、処分されたそうです。

・・・えー、奥様の不貞が分かったのは、寝室を共にしていなかったから・・・だそうです。これは侯爵が余計なことをしたことが原因でした。盛られた薬のせいで一時期不能となっていたそうなのです。それをイアソート様は隠していましたが、しびれを切らした奥様が、睡眠薬を使って同衾したという既成事実を作りました。で、その後妊娠。出産して・・・イアソート様とは似ても似つかないことから、発覚となったようでした。

その後、後妻に自薦他薦と囲まれたりしましたが、一切を拒否なさったイアソート様。そのまま独り身を貫いていたそうです。

なんでも症状は回復したそうですが、医師からは子供を作れないだろうと言われたそうでした。


イアソート様はいろいろ考えた結果、キャバリエ公爵家をジークフリート様に引き継がせることにしたそうです。ベルンハルト陛下と話し合い、半ば事後承諾で(というのもベルンハルト陛下は認めてくれなかったそうなので)、ジークフリート様が結婚を決められた時に、出奔したそうです。


えーと、カテリア伯母様は学院を卒業した1年後、サンフェリス国に嫁いだといいます。ジーク伯父様がサンフェリス国の学院を卒業すると同時でした。・・・あれ? クラーラお姉様の年齢と少しずれがある様な?

あっ、伯母様が学院を卒業してすぐに、サンフェリス国へと行かれていたのですね。その間にお二人の仲は近づいた・・・と。


つい気になってしまい、話の腰を折ってしまいました。



続けて、やはり簡単にイアン料理長が放浪していた間の話をしてくれました。どうやら髪色を変えて気ままに旅をしていたようです。

そしてある国で・・・王族のご落胤騒動に巻き込まれしまったそうです。

結局はご落胤を名乗った人物は偽物で、本当の王族の血筋は・・・。


ええ、お察しのとおりクリスさんです。

イアン料理長はクリスさんを庇いながら、何とかその国から逃げ出したそうですが、執拗な追手に会いあわやというところで助けられた・・・そうです。

イアン料理長を助けた相手ですか。もちろんおじい様です。


・・・というかおじい様、何をしていらっしゃったんですか?


ええっと、とにかくおじい様に連れられてリングスタットに来て、そのまま領地の邸にいたそうです。

が、やはり追手は執拗にクリスさんを狙ってきて、フォングラム家に探りをいれてきたそうです。それならば王都の邸のほうが安全だからと、二人を移動させたそうでした。


一応変装ではないのですが、髪の色を変えているそうです。イアン料理長もクリスさんも一般的な茶色い髪の茶色い瞳の色をしていました。

・・・でも顔が整っているのは隠せていないような・・・。


あれ? そんな状態なのにクリスさんは、私について王宮に行ってもよかったのでしょうか?


いや、そもそも、この話を私が聞いていいんですか。

というよりも、私はまだ子供です。幼児と云ってもいいですよね。

いくら女神様に愛し子と言われたとはいえ、そんな各国の王家の秘密なんて知りたくないです!



412話。

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