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月光の姫と信望者たち  作者: 山之上 舞花
第1章 セリアテスと記憶喪失と王宮の人々
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3-3 王女様の乱入と・・・伯爵令嬢と

おもわずすがりつくような視線を向けてしまいました。

ローザ様はわかっているというように頷くと、3人の王子に向き合いました。


「それで、どういうつもりでこちらにいらしたのかしら」


ローザ様の言葉にトゲが含まれている気がします。


「どういうつもりもなにも、彼女が思い出せるように、いろいろ話をしていただけだよ」


アルフレッド王子はにこやかに答えました。


「では、なんでセリアは困惑した顔をしているのかしら」

「えっ?」

「あれ?」

「なんで?」


私の顔を見た3人は絶句しています。


「お兄様方。自分たちが何を言っていたのかわかっておりまして?」

「それは・・・話を・・・」

「話ですの。傍から見ていますと口説いているようにしか見えませんでしたが?」

「「「くっ、口説いて など(なんか)いない ぞ(よ)」」」


3人の言葉が見事に重なりました。

ローザ様は呆れたことを隠しもせずに言葉を続けます。


「それにお忘れかもしれないですけれど、セリアは病み上がりですのよ。3人して長居をし、愚もつかぬことを言い続けて疲れさせるとは何事ですの」

「おにいさまたちはダメなの~。セリアおねえさまをつかれさせてはいけないの~」


マイン様にまでいわれて、3人は落ち込んだようです。


「疲れさせてしまって申し訳ない。ゆっくり休んでください」

「また、今度話をしよう」

「じゃあ、またね」


3人は部屋を出て行きました。

ホッと息を吐きだしました。


「ごめんなさいね、セリア。うちのバカ兄たちが」


おもわず笑ってしまいました。

マイン様が私に手を差し出してきました。


「セリアおねえさま、いすではなくて、ソファーにいどうしましょう」


ローザ様も手伝ってくれたので、どうにかソファーに移動できました。

背もたれに身体を預けると思った以上に疲れてしまったのがわかりました。


「どうする。ベッドで休むかい?」


お兄様が心配そうにのぞき込んできました。


「大丈夫です。知らない方との会話で緊張しただけですから」

「知らない方ねぇ。・・・お兄様達が聞いたら、落ち込むわね」

「いいのです~。しらないひとあつかいで~」


そのセリフってどうかとおもいますよ、マイン様。

そのまま王女様達も交え話をし、昼食を一緒にいただきました。


昼食を食べ終わるとお兄様は部屋を出ていきました。

というか、王子様に呼ばれたのです。

・・・あまり私の話がでないといいのですが・・・。


しばらくするとまた、来客がありました。

昨日、王妃様がいわれた方でしょう。

入ってきたご令嬢は緊張しているようです。

王女様達がいるのを見て、驚いて顔を青ざめさせました。

王女様達はその様子を見て部屋を出て行くことにしたようです。


「公爵夫人、セリア。また後でくるわね」

「またあとで、なのです~」


二人が立ち上がったところで、ご令嬢が声をかけました。


「ローザ王女様、マイン王女様。よろしければいてください」

「あら、よろしいの」

「はい。かまいません」


ご令嬢がきっぱりといいました。王女様方は座りなおしました。

反対にお母様が立ち上がり隣の部屋に移られました。


「あの、どうぞ、座ってください」


私が声をかけると、令嬢はビクッとしました。


「あ、いえ、・・・このままで」


私を見て動揺したのか声が震えています。握り合わせた両手を強く握ると意を決したように話しはじめました。


「私はフィリナ・リンディス・スクワーレといいます。スクワーレ伯爵の娘です。この度は私の不注意でセリアテス様にお怪我をさせてしまい申し訳ありませんでした。セリアテス様が気のすむように何でもしてください」


言い終わるとガバッという効果音がつきそうな勢いで頭を下げられました。

えっと、気のすむようにってなんでしょうか。

おもわず王女様達と顔を見合わせてしまいました。




38話です。


王子たちは王女様たちにノックアウトされました。


ふふふっ。

ローザ様、もっと言ってやってください。


と、もう一人新たな人物が出てきました。

彼女はこれからどう動いてくれるのでしょう。


では、次話で。


ここまで読んでいただきありがとうございました。

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