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月光の姫と信望者たち  作者: 山之上 舞花
第3章 魔法と領地ともろもろと
388/444

24-12 やってしまったことは・・・

カオスと化したサロンから移動しました。

えっと、なぜか昨日も来た、会議室へと移動しました。


そこで、また運び込まれたソファーにお母様、おばあ様と一緒に座っています。


部屋の中には、王子様、王女様方とその友人及び令嬢たち。それから聖王家の魔術師長たちと大使たち。

もちろんリングスタットの国王陛下、王妃殿下、宰相様、オットマー魔術師長。

それからキャバリエ公爵一家。


おじい様とお父様はすごく不機嫌な顔で腕を組んでいらっしゃいます。


「さて、皆から聞き取ったことを纏めると、先ほどクラーラ姫がおっしゃったとおりのようですな」


やりたくもないのでしょうけど、宰相様が司会進行をなさるようです。


そうそう、レオポルド神官長はもう神殿に戻られたそうでした。もし残っていてこの話を聞いたとしたら・・・考えたくないことになりそうです。


「そんな・・・」


ランベルク様が情けない声をあげましたが、客観的にみればその通りです。


最初に現れた時に、王宮騎士たちが制止しきれなかったのは、聖王家の方々だと判っていたからでした。次にアルフレッド王子が強く出られなかったのも、やはり聖王家の方ということで、それを王子が受け入れたのであれば、部屋に居た護衛の方々も倣うしかなかったのです。

そういうことなので、クラーラお姉様たちは私のいとこという立場で、対峙なさったのです。

が、それを気に食わないと、お姉様に突っかかりあしらわれてしまいました。意趣返しも私が援護したことで、返り討ちにあった状態です。

そのあとも、ご挨拶だけで終わらせればよかったものを、魔法のことで暴走して、私を攫おうと(としか見えない行動を)して、ミルフォードお兄様とオスカーお兄様に魔法を放って怪我を負わせました。


あっ、怪我は打撲程度ですんだようです。・・・もし、出血するような怪我をしていたら・・・いいえ、骨が折れるようなことがあったらどうなっていたのでしょう。


話を聞いた聖王家の大使たちは顔を蒼褪めさせています。さすがに庇いきれないと思われたのでしょう。


「どのような裁きでも受け入れます」


とおっしゃられましたから。


というわけで、怒れるおじい様、お父様、ジーク伯父様、カテリア伯母様。連絡を受けていらっしゃったアーマド叔父様が、舞台の上に並んでいます。エグモント叔父様も会議室に来たのですが、王子様方のそば・・・いえ、はっきり言いますね、ビアンカと並んで座っています。ビアンカは震えていましたから。


ふふっ。シュレインお兄様とビアンカは、褒められましたよ。お姉様たちと一緒に私を守ろうとしてくれたのですもの。

私の兄であり騎士であるミルフォードお兄様や、サンフェリス王家のクラーラお姉様、ローラントお兄様、オスカーお兄様とは立場が違います。二人は私のいとことはいえ、一公爵家令嬢と一侯爵家子息です。そこを突かれて不敬罪だと言われたら、受け入れるしかないのです。

それでも、お姉様たちと同じ様に立ちふさがってくれました。


いえ、そんなことは絶対させませんけどね。強権発動でも何でもして、私も二人を守りますとも。


そういうわけで、おじい様たちにお任せして私はお母様たちに守られて座っています。


「まず、リングスタット王家からとしては、不法侵入をしたことについて問いただしたいと思います。聖王家の方々は、そこまで他の王家を格下と見ていらっしゃるのでしょうか」


皆様の視線が聖王家の大使の方々へと注がれました。


「いいえ。我らにはそのようなつもりはございません。このような不心得者どもを輩出することになり、遺憾に思っております」


フォンテインの大使が代表して答えました。


「ですが、そちらの警備の方々も、聖王家というだけで通すようでは、甘いのではありませんか」

「それこそ、聖王家の威光に我々が逆らえるとお思いですか」


・・・なにやらバチバチと水面下でやり合っていませんか? 殊勝に見せかけてチクリと警備のことを言っていますけど・・・。

これはあれですか? 女神様の愛し子(わたし)がいるのだから、警備をしっかりしろと言いたいとか?


それって無理な話ですよね。前例でもあれば、それに照らし合わせてすればいいことです。

でも、今までは『女神様の愛し子』はいませんでした。それならば聖王家を優先するということは、当たり前のことではないですか。


うん、理不尽です。


「それならば、これからは女神様の愛し子(わたし)がいる、リングスタット国が何においても優先されるで、いいのですか?」


小声でつぶやいてしまいました。


が、ギョッとした顔で聖王家の方々が私のことを見てきました。


「それはいいかもしれないな。それならばサンフェリス国は聖王家よりも、女神様の愛し子がいらっしゃるリングスタット国に、敬意を払うことにしよう」


ジーク伯父様は表情を変えずに言いました。


「あら、それは困りましたわ。女神様の愛し子がいる国だからと、それだけで敬意を払われるだなんて」


王妃様が困ったように扇で顔を隠します。それから隣に座る陛下へと言いました。


「いっそ、フォングラム家と王家を取り換えましょうか?」



387話。

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