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月光の姫と信望者たち  作者: 山之上 舞花
第3章 魔法と領地ともろもろと
336/444

23-1 領地に行く前に、まだまだいろいろあるみたいです

11月13日の朝。まだ薄暗いけど、起こされる前に起きました。

今朝は昨日と違い晴れているみたいです。


さて、着替えを済ませた私は、最近の日課の運動を行うために玄関へと行きました。皆様がお待ちかねでした。


外は昨日の雨のせいか、少し霧が出ていました。見えないというほどではないのですが、玄関前から邸の角は霞んでいてよく見えないです。


「あなた達、ぬかるんでいるところもあるから、気をつけて走るように」


おばあ様からの注意の言葉を聞いてから、皆様が走り出しました。えーと、参加者はフォングラム公爵家とキャバリエ公爵家とスクワーレ伯爵家の男の方と子供たちです。お母様たちはユレイナちゃんを囲んで、ママトークを楽しんでいるようでした。


私とクラーラお姉様、フィリナとソニック君は、いつものように屋敷の周りを走りましたが、一周だけで終えました。邸の裏のほうにぬかるんでいるだけでなく、水たまりも出来ていたのです。霧のせいでよく見えなくて、水たまりに入ってしまい服が汚れてしまったのでした。


男の方たちも泥をつけた状態で戻ってきました。ですから皆様お風呂に直行して、頭までしっかり洗ってきたようです。私も髪を布で水分をふき取るように乾かしてもらいながら、思いました。簡単に髪を乾かせる魔法があったらいいのにと。サラエさんに聞いてみたのですが、魔法をそのように使うことはないそうです。


う~ん、風魔法と火魔法をうまく使えば出来ないのでしょうか? 今日、王宮に行ったらオットマー先生に訊いてみることにしましょう。


そうそう、昨日王女様たちといる時に、オットマー先生から話をしたいと言われましてお会いしました。オットマー先生のお話はこれからの魔法の指針についてでした。来年の2月以降に各国から魔術師の代表が来て、共同で研究をして行くことが決まっているそうですが、その前に基本になる部分だけでも決めないかと、連絡が来たそうです。なので、私にそこのことを話し合いたいと言われました。


私は少し困っています。魔法について今まで皆様が考えていたことを、覆してしまったみたいでした。なので、基本作りに協力したいとは思いました。


ですが、私は根本的なところが分かっていないのです。この世界はどのように魔法を使うのでしょうか。呪文・・・みたいなものを、おじい様たちが唱えていたのは見ています。私も習ったのかもしれないのですけど、覚えていません。


大体、私が使った魔法は、無詠唱で頭に思い浮かべて物の形を変えるものでした。止められているので、他の魔法は光の魔法を一度使っただけです。蛍をイメージした小さな光でした。


えーと、そうです。だから、私は魔法のことをよく分かっていないので、屋敷に戻りミルフォードお兄様とフィリナとソニック君に相談をしました。ソニック君に驚かれましたけど、前世の記憶の中に魔法に関することがないか知りたかったのです。ソニック君には、自分の意見よりコモナー執事長に訊いた方がいいと、言われてしまいました。


執事長には昨夜のうちに話をしました。朝食を食べ終わった後に、お話を聞いてくださることになっています。彼女の世界をわかる方が身近にいて、本当によかったと思いました。


ということで、私は今、勉強部屋(サロンというよりも勉強部屋と化しているので、勉強部屋と呼びたいと思います)に、ミルフォードお兄様とフィリナとソニック君と共にいます。クラーラお姉様、ローラントお兄様、オスカーお兄様はいらっしゃいません。お三方には申し訳ないのですが、ソニック君のことをまだ知らせるわけにはいかないので、こういうことになりました。


それから、執事長がいらっしゃった時点で、侍従の方や侍女の方には部屋から出てもらいました。


私の話を聞いた執事長は少し思案した後、ソニック君に聞きました。


「ソニック様、あなたは魔法が出てくるゲームをおやりになった記憶はございますか」

「えーと、ロールプレイングゲームってやつを、いくつかやったかな」

「それでは魔法はどういう風な仕様になっていましたか」

「しよう? えーと、それってどういう意味かな?」

「そうですね。私はゲームをやったことはなかったので、詳しいことはわかりませんが、確かレベルで覚えられる魔法が決まっているものがあると聞いたことがあるのですけど。いかがですか」

「ああっ。そう、そうだよ。火の魔法でも、小さな炎から爆炎みたいな魔法まであって、そのレベルに到達しないと覚えられないとか、もらったスキルの振り分けで覚えられるとか、いろいろあったぞ」


ソニック君は腕組みをしながら考えていました。執事長の言葉に思いだしたのか、顔をあげました。とても晴れやかな顔をしています。答えを聞いた執事長は笑みを浮かべて私のほうを向いて言いました。


「セリアテス様、このゲームの知識を生かして、魔法の基本を決める事にいたしましょう」

「ゲームの知識ですか?」


私はコテンと首を傾けたのでした。



335話です。

第3章に入りました。


よろしければお付き合いのほどをよろしくお願いいたします。

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