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月光の姫と信望者たち  作者: 山之上 舞花
第2章 女神様の愛し子になってから
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22-5 領地に行くための日程の決定?

国王陛下の言葉に皆が頭を下げて恭順の意を示しました。顔をあげた皆様が、一様にいい笑顔をなさっています。聖騎士の問題が解決したようでよかったです。


神殿の聖騎士ですか? 私は何も話を聞いていないので、そちらのことは知りません。決まりましたら神殿のほうから何か言ってくると思いますが、こちらからは何も言うつもりもございません。


でもこれで、私も領地に行けるのですね。陛下とエックハルト王国騎士団長とアーマド叔父様が、とりあえずの私につくための騎士たちの編成を決めています。お父様にも、何日領地にいるのかと、問いかけています。


今日が11月12日で5日後に出発。領地までは10日かかると言いますが、魔法で馬車を軽くするとかで、5日間で着くそうです。なので、予定では11月22日に領地に着くことになります。本当ならひと月くらいゆっくりしたいところですが、すぐに年末になってしまいます。遅くとも王都に12月20日には戻らなくてはならないそうです。また、馬車を軽くして5日間の移動になるそうですが、何が起こるかわからないので12月10日には領地を出立するみたいです。


なんか慌ただしくなりそうですが、年始の・・・えーと、神殿関係と王宮でのご挨拶? には、私も出なくてはならないみたいなので、仕方がないですね。なんか面倒くさい・・・いえいえ。これも公爵家令嬢であり、『女神様の愛し子』になってしまった、私の義務ですもの。顔を見せての挨拶くらい、どうってことないです。・・・本当はいまいち不安ですが、お父様やお兄様がおそばにいてくだされば、きっと乗り切れることでしょう。


そう考えていましたら、大臣のどなたかがまだ問題定義をしてきました。


「ですがやはり私は、セリアテス様がフォングラム公爵領に向かわれることには反対です。魔法を使ってセリアテス様を拉致しようとする者がいないとも限りません」

「それについては、ご安心いただきたい。私も一緒にフォングラム公爵領へと、行くことにしました」


オットマー先生がすかさず言ってくれました。それを聞いた大臣方の反応は、すごく狼狽えています。口々に王都の守りがどうのとか言っていますが、何のことなのでしょうか?


でも、オットマー先生は「普段働き過ぎだから休めと言われていたのはどなたでしたかな。それに私の故郷はフォングラム公爵領のフォングブルクだ。故郷に帰るのに、誰かの許可が必要なのか」と言って、大臣方を黙らせてしまいました。


「魔術師長が同行する以上に、安心はないだろう。それよりもこれ以上、(らち)の無い話でセリアテス様のお時間を使うことの方が、罪だと思わないか」


陛下がそう言われました。そうなのです。先ほどから私は、早く話が終わらないかと、そわそわしていました。だってね、昨日の話で、レイチェル達も王宮にきているはずなのです。もう皆様がそろって、クラリスから親衛隊の本を見せてもらっているかも、しれないのですよ。


ビアンカとフィリナも先ほどから落ち着かない様子で、私達の後ろで待っていてくれています。二人には先にローザ様のところに行ってくれていいと言ったのですが、私と一緒に行くと言い張ったので待ってもらっていたのです。


「それは申し訳ございませんでした。セリアテス様、クラーラ様、ローラント様、オスカー様。どうぞ、王子、王女宮のほうへいらしてください」


宰相様が私たちに頭を下げてきました。それに倣うように大臣方まで頭を下げていました。どうしたものかと、クラーラお姉様の顔を見ましたら、お姉様がニコッと笑ってくださいました。


「それでは私たちは失礼させていただきますわ。王子様、王女様方ともう少し交流いたしたいと思っておりますもの。行きましょう、セリアテス」


お姉様が優雅に一礼をして踵を返しました。私も淑女の礼をしてから、お姉様の後を追いかけるように歩き出しました。謁見の間から出て立ち止まると、お兄様たちとシュレイン様、ビアンカとフィリナが続けて出てきました。


案内の者に従って、皆様と仲良く話をしながら廊下を進んでいきました。話といっても、今日もまた王子様方と合同で会うことになるだろう、ということの予測でしたけどね。


王子、王女宮に入ったところで、お兄様たちと別れました。私達は女官の後をついて歩いていきました。案内された部屋には、昨日お会いした皆様が集まっていました。


「お待たせしてしまってごめんなさい、ローザ王女様、マイン王女様」

「いいえ、全然待っていませんでしたわ、クラーラ様」

「はいですの~、クラーラさま。きょうもいいかおりがしていますの~」

「あら、そうかしら。最近はこのローズの香りがお気に入りなのよ」

「うらやましいですの~。リングスタットでは、こうすいはおたかいのです~。おかあさまはこどもには、早いといいましたの~」


マイン様が本当に羨ましそうに、クラーラお姉様に言っています。確かに香水って高いものだと思います。お姉様から聞いた香水の値段は、簡単に手が出せるものではありませんでしたもの。それと子供がするものではないという王妃様の意見に、私も賛成です。けど、マイン様にはそれが悔しいのでしょうね。



328話です。


……王女様たちとやっと会えたよ~。

まだまだゆっくりペースで話は続きます。

お付き合いのほどをよろしくお願いいたします。


お読みいただきありがとうございます。

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