表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
月光の姫と信望者たち  作者: 山之上 舞花
第1章 セリアテスと記憶喪失と王宮の人々
32/444

医師話3 若輩者の観察は続く・・・

翌日、朝食をとり、令嬢の気持ちも落ち着いていると連絡がきたので、令嬢のもとへ向かいます。

今日は昨日のメンバーに宰相と学者も加わりました。


部屋に着くとまず医師長があいさつをしました。


「おはようございます、セリアテス嬢。私は、王宮医師のイェルン・ウェルナーといいます。体調はいかがですか」

「おはようございます。・・・えーと、気分はいいです。体も昨日より楽に起きていることができます。それと・・・ベッドから降りた時に足に力が入らなくて転びそうになりました」

「怪我はしてないですね。では、診察させていただきます。楽になさっていてください」


医師長が診察のために、呪文を呟きながら左手を令嬢の方に向けると、ご令嬢の目が輝きました。

そういえば先ほど公爵が令嬢に、昨日診察をしていないのではないかと聞かれて、魔法で診察をしたと答えたと言っていましたね。すごく興味を持たれたようで、どういう魔法なのか聞かれたとか。


「身体のほうはもういいですね。ただ、7日間動いていなかったので、筋力が衰えています。まずは無理せず少しずつ動かしていきましょう。すぐに元のように動けるようになるでしょう」


医師長の言葉に一部疑問がわきましたが、またあとで聞くことにしました。

それよりも、ここからです。医師長と令嬢のやり取りに集中しましょう。


医師長と令嬢の会話は予想していない方向に話が進みました。

医師長が「憶えていないと言ったことについて」聞いたら、「覚えていないとは言ってません」と返ってきました。それどころか、自分が言った言葉はすべて覚えているようです。

この後の医師長の質問にもよどみなく答え、ただ一つ覚えていたことも話してくれました。

医師長は令嬢の言葉に次の言葉がでなくなったようです。


次に魔術師長が令嬢に話し始めました。

魔術師長の質問に、考えながら答えています。

令嬢の答えを聞いてなるほどとおもいました。

「思い出せないだけで知っていると思うことうことは、まだあるのではないでしょうか」は 、確かにあるとおもいます。

たとえば、公爵家のご令嬢の部屋とか、実際に見れば知っていると思われるのではないでしょうか。


次に宰相閣下が話しかけました。

閣下は、令嬢の名前のことを聞いています。あと、他のご家族のことを。

特に思うことはなかったようです。


皆様黙ってしまったので、私も聞いてみたかったことを質問してみることにしました。


「あの、私からもいいでしょうか」


国王陛下が頷いてくれました。


「私は王宮医師のパウル・ウルバーンといいます。セリアテスお嬢様は7日間高熱を出して寝込んでいたと聞かれたとおもいますが、その間お嬢様はうなされていました。何か夢を見ていたのではないですか」


ご令嬢は手を口元にあて、考えながらこたえてくれました。


「・・・ゆ、夢・・ですか。・・・見ていた・・・ような・・気もするの・ですが・・。すみません。思い出せないです」

「あ、いえ。そうですよね。高熱を出していたのですから、覚えていなくても仕方がないですよね」


おおー。言われればそうだよね。

おもわず苦笑がもれました。

けど・・・なんだろう。なにかを、誤魔化してる?・・ような、気がするのは気のせいなのだろうか。


私のあとに、学者の方も質問しました。

魔力のことと、髪の色が変わったことについてです。

この質問も考えながら返事をしていますが、覚えていないからよくわからないのでしょう。


国王陛下も令嬢に話しかけましたが・・・陛下、その質問はないでしょう。

自分が誰かわかるかなんて。

令嬢は見事「国王陛下」だと言い当てました。

ですが、陛下を覚えていたからではなくて、周りの状況をよくみていて導き出した答えでした。

陛下は・・・あー、いえ、・・・。わかってもらえてよかったですね。


公爵が皆様に移動の提案をしました。

私達は頷くと、陛下があいさつをして部屋を出ていきました。


私達はまた会議室に戻りました。会議室には誰もいませんでした。

王妃様や大臣方がそろうまで、誰も話をしようとしませんでした。

皆様が揃い、先ほどの令嬢とのやりとりを話しました。

王妃様も大臣方も言葉も無く聞いていました。


一通り話が終わると沈黙がこの場を支配しました。

王妃様が動いて侍女に飲み物を用意するようにいいました。

しばらくして、皆様にお茶が配られました。

一口飲んで、喉が渇いていたことに気が付きました。

誰かがホッと息をつきました。

皆知らず知らずのうちに息を詰めていたようです。



31話です。


えーと、ちょびっとおわびを。


文字数で切り上げて投稿していた結果、区切りが悪いところで切ることになってしまいました。

前話とのつながり的に読みにくいかもしれませんが、ご容赦ください。


では、次話で。


訂正完了しています。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ