1日目の1 目を覚まして混乱中……
まぶたに光を感じて朝なんだと思い、ゆっくりと目を開ける。
見えたものに違和感を感じて、2度ゆっくりとまばたきをした。
頭を動かして左右に目線を向けてみるが、やっぱり見覚えがない。
ふかふかの掛布団と格闘してベッドから起き上がろうとしたけど、腕に力が入らずに起き上がることができなかった。
なので、横になったまま周囲を見渡す……。
(やっぱりしらないへやだ~
え~っと……ここはどこなの?
というか、なんでわたしはここにいるの?
……あれ?
えっ?
なんで……
わたしちいさくなってる……
なんで? なんで? なんで?
……
わからない……)
パニック気味に考えていたら誰かが部屋に入ってきた。
ベッドの近くまで来たから姿が見えた。
なんかメイドさんみたいな恰好をした人だ。
その人が私の方を見た。
目が合ったその人は、目を瞑った。
そうしてもう一度目を開けて、私が目を開けているのを確認して驚いた顔をした。
もう一人メイドさんみたいな恰好をした人がそばにきたけど、その人も驚いた顔をしたあと、二人で顔を見合わせてからお辞儀をしてから、その人は部屋を出ていった。
残った人が私のほうに近づいてくる。
その人の顔を見てやっぱり知らない人だと思った。
「お嬢様、お目覚めになられたのですね。よかったです。今、公爵様に伝えにまいりましたので、すぐにこちらにいらっしゃいますよ。喉が渇いていらっしゃいませんか。起きるのをお手伝いさせていただいてもよろしいでしょうか」
なんか話しているようだけど、全然頭に入ってこなかった。
もういっぱいいっぱいで、目から涙が溢れてきた。
声を出さないように唇をギュッとつぐむ。
自然と両手もきつくシーツを握り締めた。
「お嬢様。どうしたのですか。どこか痛いところでもあるのですか」
メイドさんが突然泣き出した私に戸惑いながら声を掛けてくれたけど、嗚咽を漏らさないようにするので一生懸命で返事なんてできなかった。
(もうやだ~。
ここどこ?
なんでわたしはここにいるの?
このひともさっきのひともしらない!
このばしょもしらない。
もうやだよ~……。
おうちにかえりたいよう~!
ウウッゥ……)
そろそろ耐え切れなくなってきたので、声をあげて本泣きしようと思ったとき、廊下を走ってくる足音が聞こえてきた。
続いて扉を壊さんばかりの勢いで開けた音が響いた。
そのまま足音はベッドのそばに近づいてきた。
視界に入ってきたのは10歳位の少年だった。
少年は私の顔を見て口を開けて固まってしまった。
(だれ? このこ?
しらない、みたことない。
……みたことない?
ううん。しってる。しってるわ。
かれは、わたしの……)
「お……おにい……しゃま?」
思わず口をついて言葉がでてきました。
掠れていて、自分の声じゃないみたいだった。
私の呼びかけに我に返った兄は慌ててベッドのそばにきてくれた。
「どうしたの、セリア? どこか痛いの?」
兄の優しい声に布団から腕を出して、兄のほうに向けた。
兄は戸惑った顔をしたけど、すぐに抱き起してくれたの。
おもわず縋りつくようにしがみついてしまいました。
兄は一瞬ビクッと体を震わせましたけど、私のことをギュッと抱きしめてくれました。
その行動に励まされるように嗚咽交じりに兄に訴えます。
「ウウッ……ここ……は……ヒック……し……しらないの……。ウウッ……ヒック……いや……なの……。ヒック……お、おうち……に……かえりたいよ~。ウッワァ~ン」
とうとう大声を出して泣き出してしまいました。
「だ、大丈夫だよ、セリア。すぐに父上達が来て、家に帰れるからね。大丈夫だよ」
兄が宥めるように優しく話してくれてます。
落ち着かせようと左手で頭を撫ぜてくれてますが、右手はしっかりと私を抱きしめてくれていました。
読んでくださりありがとうございました。
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