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月光の姫と信望者たち  作者: 山之上 舞花
第1章 セリアテスと記憶喪失と王宮の人々
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2-6 王妃様と私の話し合い?・・・ですか?

王妃様も周りを見回すと肩をすくめました。


「周りを気にしなければならない話はしていませんわ」

「お母様!お母様が気にしなくても周りが気にしますの!」

「はい、はい。・・・ほんと、誰に似たのかしら」

「お・か・あ・さ・ま!」

「おお、こわっ」


王妃様はおどけるとマイン王女様に抱きつきました。

ローザ王女様はムッとした顔をして黙ってしまいました。


「ふふふっ、ごめんなさいね。おどろかせてしまったかしら」

「はい。・・・あっ・・いえ。・・・えっと、すみません」


おもわず肯定してしまい、謝ってしまいました。


「うふふ、気にしないでね。それにしても、性格も変わったみたいね。今までと話し方も違うし、こんな素直な反応しなかったもの」

「そう・・・なのですか」

「・・・私もそう思っていましたわ」

「お母様も?」

「ええ・・・」


お母様の顔を見ると、浮かない顔をしています。

お母様は相変わらず私の髪を撫ぜてくれています。


「でも、やはり駄目みたいね。私たちを見ても思い出さないようですしね。」

「そうね・・・」

「あの、私の記憶を思い出させるために来てくださったのですか?」


王妃様の言葉に思ったことをきいてみました。


「いいえ。純粋にお見舞いよ」


答えたのはローザ王女様です。


「ふふ、そうよ。お見舞いよ。あと、謝りにね」

「えっ?」

「あなたは怪我をした時のことは覚えているのでしょう」

「はい」

「では、そのお茶会を開いたのは誰かしら」

「それは・・・」

「私の主催よね」

「確かにそうですけど・・・」

「あなたが怪我をした責任は私にもあるわ」

「そのようなことは・・・」

「いいえ。あの会は私が開いたもの。招待客の安全に配慮しなければならなかったわ。突発的なことだったとしても責任は免れないのよ」

「・・・でも、誰も悪くはないんです。・・庭園に行ったのは、・・私が・・誘ったの。・・たまたま、ハチがいて・・驚いた令嬢・・たちが・・逃げようとした・・先に・・私がいただけなのです。・・そのあとも・・意識を失ったのも・・何が・・原因?・・か、わからないけど、・・誰かが責任を負う・・ようなことではない・・と思っています。・・記憶を失ったことも」


目を閉じ、思い出しながらポツリポツリと言葉を紡いでいきます。

目を開いて王妃様を見ました。


「しいていうのなら、運が悪かった・・・ですかしら」


私の言葉に王妃様の顔には笑みが広がっていきます。


「そう。そう思ってくれるのね」


王妃様の反応に首をかしげながら頷きました。


「では、セリアテス。あなたにお願いがあるの。あなたに怪我をさせてしまったと気に病んでいるご令嬢がいるの。その方と話をしてもらってもいいかしら。あなたがそう思っているとあなたの言葉で伝えてほしいの」


王妃様の言葉に驚きましたが納得もしましたので、もう一度頷いて了承の意思を伝えました。


「ふふっ。あなたは本当にいいこね」


(えーと、なにが含まれた言葉なんでしょう)


意味がわからず王妃様を見つめていると、お母様のため息が聞こえてきました。

お母様を見ると私に微笑んでくれました。


「じゃあ、もう、この話はおしまいにしましょう。ローザ、マイン、お待たせしたわね。私とミリーはあちらで話をするわね」


そう言うと王妃様とお母様は隣の部屋に行ってしまいました。

王女様達も呆然と見送っていましたが、私と目が合うと慌てたように目をそらされました。

メイドさんが新しくお茶を入れてくれました。

一口飲むと気持ちが落ち着きました。


「あの、ローザ王女様、マイン王女様。私、先ほど目が覚めたので、今の時間がわかりませんの」


私の言葉にローザ王女様も思い出したようです。


「今は午後の3時くらいかしら。てっ、ああ。セリアは昼食を食べていないのよね」

「はい」

「ここにあるものでいいかしら。それとも、もう少し食べやすい物の方がいいかしら」


ローザ王女様があれこれ悩みはじめました。


「あまりお腹がすいていないので、ここにあるもので大丈夫です」

「そう。あ、じゃあ、果物は。食べたいものがあればすぐ用意するわよ」


(えーと、王妃様、お母様、私達だけにして、何を、どうしろというのでしょうか?)


王女様の慌てぶりに、どうしたものかと思ったのでした。




26話です。


おかしいです。王女様のターンじゃなかったです。

次回こそ!

それとそろそろ信望者1号を!!


補足  というか漢字の読み方のことで。

「私」という漢字は読み仮名がないと「わたし」「わたくし」のどちらともとれますよね。

王妃様、お母様、記憶を失う前のセリアは「わたくし」と言ってます。

えっ、言われなくてもわかっていたって。


こりゃまた失礼しました。


ここまで読んでいただきありがとうございました。


それでは、次回で!

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