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月光の姫と信望者たち  作者: 山之上 舞花
第2章 女神様の愛し子になってから
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17-6 伯爵家にも取り巻きの方が・・・

オスカーお兄様が気遣って言ってくれているのは解りましたので、私は笑顔を見せました。


「大丈夫ですよ、オスカーお兄様。それよりもまた同じようにやる方が、疲れてしまうと思います。それなら今日で終わらせてしまいたいです。もう、4公爵家と15侯爵家は済みましたもの。次の伯爵家は43家ですよね。一度休憩を挟むように2回にわけていただいていますから、大丈夫です」

「もう、真面目なんだからセリアテスは~。でも、セリアテスが頑張るのなら、僕らも頑張らないとね」


オスカーお兄様がおどけたように言いました。その言葉にローラントお兄様とクラーラお姉様が頷いています。


みなさま優しいです。私をすごく気遣ってくれています。きっと、セリアテスが取り巻き達からどう思われていたのか、知っていたのでしょう。


前の私は高位貴族にしては魔力量が少なかったといいます。それが彼女達に侮られることになったのでしょう。


・・・侮られる? 本当にそうでしょうか? セリアテスという子はそんなに愚かだったのでしょうか?


いけません。まだ、今日は終わったわけではないのです。気を取り直した私は、用意していただいたお茶を飲み干すと立ち上がりました。


「もういいの、セリア」


お母さまに聞かれて私は頷きました。


皆で移動をしました。案内されたのは庭園です。そこには何故か、公侯爵家の方々もいらっしゃいました。幾人かは帰られたようですが、それでもほとんどの方が残っていらっしゃいます。私は顔が引き攣るのを止められません。


・・・つまり、娯楽なんですね。こうして各家の一族が揃うことはないから、私に挨拶に来るのを見るついでに、家族構成を見ておこうということでしょう。


まずは半分の22家です。ボルツマン伯爵家からになります。アルフレッド王子の友人、グスタフ様の家です。挨拶が済むとグスタフ様も王子方と合流しました。


その次はマルシャン伯爵家になります。シュナイダー王子の友人、ハインリッヒ様の家です。こちらも挨拶が済むと王子方のほうへ行かれました。これで、王子の友人方はみんな揃ったことになります。


この後、ボーレンダー伯爵家、リュディガー伯爵家、リントナー伯爵家と続き、その次のデルフォート伯爵家がまた私の取り巻きの家でした。娘の名前はクラリスといいました。簡単な紹介だけでしたが、お辞儀をしたあとに私から離れる時に、あとの家のほうに勝ち誇った笑みを浮かべていたのが印象に残りました。このあと、他16家が挨拶をされて前半の終了です。


庭園に近いお部屋で一休みです。外からは見えませんが、中からは庭園の様子がよく見えます。皆様はここぞとばかりに社交に勤しんでいらっしゃるようです。


しばらく休んでまた庭園に出ました。


後半の伯爵家の最初はスクワーレ伯爵家でした。スクワーレ伯爵様・・・。お会いするのは、そういえば初めてです。私のお父様より10歳位下ではないでしょうか? 真面目な表情で挨拶をされました。伯爵夫人は穏やかな優しい感じの方です。娘のフィリナ様とよく似ていらっしゃいます。腕には赤ちゃんを抱いています。確か生後4カ月だったでしょうか。スクワーレ伯爵家はあとはフィリナ様の弟の5人でいらっしゃっていました。目を覚ました赤ちゃんと目が合いました。思わず手を伸ばしかけて、やめました。こんな些細なことで贔屓に感じる人もいるかもしれないからです。なので、微笑んで軽く頷くだけにしておきました。


スクワーレ伯爵家が下がり、その次はハンメール伯爵家、デーベレ伯爵家と挨拶は続きました。そしてエルセルム伯爵家が挨拶にきました。この家も係累であり私の取り巻きの家です。娘の名前はディリーナ。

彼女もまた挨拶をして私の前を辞する時に、他の方々に優越感を込めた視線を向けていました。


後半の21家の挨拶が済むとまた控室に移動しましました。やはり、少し疲れました。とにかく人数が多すぎます。家族だけとはいえ、夫婦2人でという家はないのですもの。


特に私と同じ年の子供がいる家の売り込みが強いです。紹介だけのはずなのですが、私と同い年ということを強調して言われるのですから。特に女の子がいる家の売り込みが強いのはどういうことでしょうか? もしかしたら私の目に留まって取り巻きの一人になれればとか、考えておられるのでしょうか?


そんな気持ちが顔に出ていたのでしょうか? お父様がそばに来て言いました。


「セリア、もうここまでにしようか。流石に会う人数が多すぎる。お前がまた倒れてしまうのではないかと、心配なのだよ」


私の手を取り眉を寄せて言われるお父様のお顔には疲労の色が滲んで見えます。私が「女神様の愛し子」となってから、休む間もなく各国と連絡を取り合っていたとお聞きしました。私が二日前の御前会議の時に、各国の方々に会うことの提案をした事で、お父様達の仕事は激減したそうです。



262話です。

・・・予想外に挨拶が長引きそう。

でも次は子爵家だから・・・。

ふっふっふっ。

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