2日目の4 お話しして疲れました
部屋の中にいる方たちが国王陛下を見ています。
(なんかみんなの目が生温かいような気がするんだけど・・・)
「それでは、一通り話も済んだと思うので、場所を移しましょうか」
お父様が溜め息をついて皆様に声をかけました。
皆様は難しい顔をして、頷いています。
「朝から大勢で押しかけてすまなかったな。ゆっくり休んでくれ」
国王陛下が私に声をかけて部屋を出ていきました。
皆様が出て行ったあと、私は大きく息を吐きだしてしまいました。
おもったより緊張していたんですね。
メイドさんが飲み物を用意してくれました。
「疲れたでしょう、セリア。水分を取ったら休むといいわ」
お母様が優しく話してくれます。
あれ、お兄様がいません。どこに行ったのでしょう。
「お母様、お兄様の姿が見えないのですが、どちらに行かれたのでしょうか?」
「ミルフォードは第2王子のカークライト様の所に行ったのよ」
「第2王子様?」
「ミルフォードはカークライト様の友人なのよ」
「友人・・・」
「そういえば、王家のことを話してなかったわね。今のリングスタット王国には国王陛下と王妃殿下の間に5人のお子様がいらっしゃるのよ」
「そうなのですか」
「ええ。国王陛下のお名前はレイフォード・マルチネス・リングスタット、33歳。王妃殿下はエルザ・フィンドレス・リングスタット、31歳。お二人の間には3人の王子様と2人の王女様がいらっしゃるのよ。第1王子殿下はアルフレッド・ウィングス・リングスタット、12歳。第2王子殿下はミルフォードと同い年のカークライト・モルゲン・リングスタット、10歳。第3王子殿下はシュナイダー・アットリテ・リングスタット、8歳。第1王女殿下はセリアと同じ年でね、ローザ・クリスタル・リングスタット、7歳。第2王女殿下はマイン・アリアリア・リングスタット、5歳よ」
(えーと・・・う~ん。
まあ・・・国王夫妻は・・・仲がいいんですね
あれ、・・・ということは)
「お母様、お兄様のように、私も王女様の友人だったの?」
お母様は少し目を見張ると微笑んで私を抱きしめてきたわ。
「いいえ。まだ、あなたは王女様の友人ではなかったわ」
(えっ・・・私は王女様の友人に相応しくなかったの・・・)
お母様の言葉に嫌な考えが浮かんでくる。お母様の顔が見れなくて俯いてしまった。
お母様の手が私の頬を撫ぜて顔を上向かせた。
お母様の目が可笑しそうに微笑んでいる。
「またなにか、余計なことを考えているでしょう」
「え、・・・あの・・・」
「あのね、セリアが王女の友人に選ばれなかったのではなくて、まだ選んでいないのよ」
お母様の話では、王家の子は8歳になったら友人を選ぶそうで、それまでは月に一度顔を合わせることになっているそうだ。同い年の子が選ばれることが多いけど、絶対ではないらしい。基本伯爵以上の家柄の子が対象となること。等々。
他にも話してくださったけど、先ほどの緊張とお母様の腕の中の安心感で、私はいつしか眠ってしまったのでした。
目が覚めると隣の部屋からお母様の声が聞こえます。ベッドの中で横を向くとメイドさんが一人隣の部屋に行くのが見え、一人が私の方に近づいてきました。
「お目覚めになられましたか、セリアテス様。お飲み物をご用意してございますが、お飲みになられますか」
「はい、・・・あ、いえ、・・・今はいいです」
「わかりました。公爵夫人にセリアテス様がお目覚めになられたことを伝えましたので、すぐこちらにいらっしゃるとおもいます」
メイドさんが言い終わると共にお母様が部屋に入ってきました。
「起きたのね、セリア。気分はどうかしら」
「・・・悪くないです」
「あのね、セリアに会いたいという方がいるのだけど、こちらに呼んでもいいかしら」
「・・・・・」
「セリア?」
「あー・・・の、着替えとか・・・身支度とか・・・いいんですか?」
ボーとして頭が回らない状態で答えていたら、お母様が手を額に当ててきました。
「熱があるわけではないわね。どうしましょうか。また後にしていただいたほうがいいかしら」
(・・・また?
・・・えっと、・・何度か来てくれた・・のかな?)
「えっと・・お母様。・・大丈夫です。寝起きで・少しボーとしていただけですから」
「そう。なら、こちらに呼ぶわね。ああ、そのままでいいわよ」
お母様の言葉に隣の部屋との扉の前にいたメイドさんが扉を開けました。
そこから1人の女性と2人の女の子が入ってきました。
誰でしょうか?
24話目です。
少しご無沙汰しました。
風邪をひいてしまい、続きを書いても話しがまとまらなくて、間があいてしまいました。
やっとあの方が出るとおもったら、最後にちょっとだけでした。
次回はあの方の独壇場?の予定です。
休んでいる間にブックマークをしてくれた方が160件超えました。
拙い文章にお付き合いくださりありがとうございます。
では、次話で。




