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月光の姫と信望者たち  作者: 山之上 舞花
第2章 女神様の愛し子になってから
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16-16 王子の友人達

アルフレッド王子の姫発言に、クラーラお姉様は何もいう気がないのか、口を閉ざしています。私も返答に困ってしまいました。

でも今の言葉で王女宮には、子供であっても簡単に異性は入れないということですね。


ミルフォードお兄様が苦笑を交えてアルフレッド王子に言ってくださいました。


「アルフレッド王子、セリアにもいつも通りでお願いします。いきなり姫とか言われたら驚いてしまいますよ」

「そうかな。でも、これからセリアテス様のことを姫と呼ぶ者も、増えると思うんだがな」


弟王子達だけでなく、他の方も頷いています。


「今から呼ばれなれておいた方がいいと思わないかい」

「そうですわね。お兄様の意見に賛成ですわ」


ローザ様も同意なされました。


「では、私達もセリアテス姫と呼びましょうか? それとも、月光姫の方がよろしいでしょうか?」


アルザス様がニヤニヤという擬音がつきそうな声で言ってきました。

私はブンブンと音がする勢いで首を振りました。


「何ですか、その、月光姫というのは」

「あれ、知りませんか。マイン様命名の「月のお姫様」。それを聞いてあなたを見た女官や衛兵が「月光姫」と噂して、王都中に広まってますよ。「女神様の愛し子の月光姫」とね」


アルザス様の言葉に驚愕しました。

なんで、そんな噂が・・・。じゃあ、このままじゃ私は王都を歩けないということですか。


「あら、リングスタットだけじゃないわよ。他の国も「女神様の愛し子の月光姫」は広まりつつあるわ」


クラーラお姉様の言葉に撃沈しました。

もう、各国に指名手配された気分です。


私ががっくりと肩を落としているとお兄様の声が聞こえました。


「これに関しては諦めた方がいいかな、セリア。でも、セリアが嫌ならここにいる皆には様付けで呼んでもらうようにするからね」

「はい。ぜひ、それでお願いします」

「ということなので、セリアのことは姫と呼ばないでくださいね、アルフレッド殿下」


私からは離れているのでお兄様の顔はよく見えませんが、お兄様を見ていたアルフレッド王子の顔が微妙に引きつったような気がします。頷きかたも早いです。


「では、また自己紹介をしていただきましょうか」

「自己紹介って、セリアテス様は本当に記憶を失くされているのかい、ミルフォード」


お兄さまの言葉にアルフレッド王子の友人らしい方が声をあげました。


「ええ。残念ながら皆様のことも覚えていないでしょう。だよね、セリア」

「はい。申し訳ありませんが覚えてません」


私の言葉に視線がまた集まりました。


「と、いうことですので、自己紹介をお願いします。まずは、フォルクス殿からお願いできますか」


指名をされたフォルクス様が少しを目を開いて言われました。


「俺もか。神殿で挨拶しただろう」

「あら。あれを自己紹介とはいわせないわよ」


すかさず、クラーラお姉様が言葉を返しました。フォルクス様は少し表情を引き締めますと、軽く頭をさげました。


「では、私はフォルクス・ルーテール・エックハルト。エックハルト侯爵家の嫡男であり、騎士団長嫡男でもあります。アルフレッド王子の友人です。公式の場で顔を合わせる機会も多いと思いますので、お見知りおきください。あと、王子方が馬鹿なことをしましたら、いつでも絞めますので俺に言ってください」


そう言ってニヤリと笑いました。フォルクス様は騎士団長と同じダークブラウンの髪に、瞳の色はジェード(翡翠色)です。あっ、弟二人・・・次男のシュベルツ様も三男のウェルシー様も同じ色をしています。


っていうか~、神殿で会った時と印象が違いすぎます。何ですか、そのニヤリは!


「私はクリューガー侯爵家嫡男のゲラント・ファウア・クリューガーです。よろしくお願いします」

「私はボルツマン伯爵家次男のグスタフ・ローゼス・ボルツマンといいます。アルフレッド王子の友人です」


ゲラント様とグスタフ様はどちらもブロンドの髪にアクアマリンの瞳です。ただ、印象は全く違います。ゲラント様はサラサラの癖のない髪です。表情も穏やかで春の陽だまりのような印象を受けます。対して、グスタフ様はきついくせ毛です。肩のあたりまでの長さですが、クルクルとあっちこっちに巻いています。そばかすが目立つ表情はどこかいたずらっ子のようです。


「では、私も騎士団長次男のシュベルツ・グラード・エックハルトですっ。カークライト王子の友人です。出来ればアルザス同様王子の友人をやめたいと思ってまーす」

「おい、シュベルツ」


シュベルツ様の言葉にカークライト王子が睨みます。それをどこ吹く風と受け流しています。


「シュベルツ、俺を巻き込むなよ」

「本当のことだろう」

「お前らは~」

「はいはい、やめ止め。ここがどこか思い出そうね」


お兄さまの言葉にカークライト王子とシュベルツ様、アルザス様は黙りました。

なんか、お兄様の苦労が分かります。

・・・というか、シュベルツ様も寡黙じゃなかったのですね。


お兄さまが視線でシュベルツ様の隣の少年に合図をしました。


「僕・・・いえ、私は騎士団長の三男でウェルシー・アガーテ・エックハルトといいます。セリアテス様、よろしくお願いします」

「私はマルシャン伯爵家の次男です。ハインリッヒ・バルドー・マルシャンといいます。シュナイダー様の友人です。よろしくお願いします」


ウェルシー様は元気よく話されました。・・・なんか、耳としっぽが見えた気がするけど気のせいですよね。ハインリッヒ様は茶色の髪ですが薄い色です。たぶん光に透かすとブロンドに見えるのではないかと思われるような色です。瞳の色はシトリン(薄い黄色)です。


うん。よくよく見なくても、みなさま美少年ですよね。



218話です。


本当に自己紹介だけなんて・・・。


あっ、そうそう、暁礼様。ありがとうございました。

騎士団長! ではなくてその息子での紹介ですが、髪と瞳の色を採用させていただきました。

この家は男性全員、同じ色にしようと思ってます。

・・・あれ? まだ兄弟がいるような発言になったような?


あー、まだ、アルザスの色が出てない!


じ、じゃあ、次回で。うん、次話で必ず!

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