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月光の姫と信望者たち  作者: 山之上 舞花
第2章 女神様の愛し子になってから
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16-14 日記について

ローザ様の言葉に私以外の人は・・・いえ、私も驚きました。


「セリアに聞いたのよ。誕生日から新しく日記を書き始めたって。内緒のところに隠してあるから、他の人にはわからないだろう、って言ってたわ」


確かに。私も偶然見つけましたから。普通あんなところに隠し扉があるなんて思いませんよ。あるとしたら私の居間の絵のところだろうと・・・。


みんなの視線が私に集中してます。じゃあ、隠す必要はないですね。


「はい。偶然見つけました。内容について聞いてますか?」

「う~ん、そうね。毎日は書いていないことと、愚痴を書いていることくらいかしら」


愚痴・・・。うん。愚痴でしたね。あの令嬢方のことは。

口元が緩みました。


「そんなに楽しいことが書いてあったの?」

「いえ、そのようなことは・・・。ただ、セリアテスは彼女達のことがあまり好きではなかったみたいだったので」


それを聞いたクラーラお姉様とローザ様は笑い出しました。


「ウフフフッ。なんだ、セリアテスも彼女達のことが好きではなかったのね。じゃあ、遠慮しないで排除しておけばよかったわ」

「クスクス。日記に残すくらい鬱憤が溜まっていたなんて。フフッ。大丈夫よ、彼女達はセリアに近づけないように、公爵にも伝えておくわ」


そして笑いを収めたクラーラお姉様とローザ様はガシッと握手すると。


「「セリアテスの平穏のために力を合わせましょう」」

「マインも。マインもですの~」


3人の様子を羨ましそうに見ているフィリナ様を見ながら、日記に書かれていたことを思いだしました。


他にも、もう一つ。

日記にはある事について何度も書かれていました。

それは、


『あの方に相応しくなりたい』


誰のことなの?

セリアテスは「あの方」のために努力して「小さな淑女(リトルレディ)」の称号?を得たのよね。

名前は書かれていなくて、でも・・・初恋? なのかしら。


このことはクラーラお姉様やローザ様も知っているのかしら?


「あの、クラーラお姉様、ローザ様。セリアテスから恋の相談を受けたことがありますか?」


私の言葉にみなさま、顔をこちらに向けました。そして、お姉さまに手首をつかまれました。

ローザ様、マイン様、フィリナ様が身を乗り出してきました。


「何のことかしら、セリアテス。私、そんな話聞いてないのだけど」


と、お姉さまに言われました。


って、あれ?


結果的に墓穴を掘りました。

やはり内緒の初恋だったのですね。

それにしても、女子の食いつきが凄いです。

恋バナっていくつになっても女性は好きってことですよね。


「なに何なに! セリアってば気になる方がいたの」

「セリアおねえさま、だれなのです~。マインにおしえてください」

「水臭いわ、セリアテス。頼りになるお姉様に話して頂戴。その方との仲を取り持って見せるわ」

「セリアテス様、私も微力ながらお手伝いします」


・・・ドン引いていいですか。

私は相談を受けたことがあるかと訊いただけで、()が気になる人がいるとは言ってませんから。ね。


というわけで、誤魔化すことにしましょう。

あっ、誤魔化す必要もないですね。


「あの、セリアテスは相談したことがなかったのですね」


私の言葉にみなさま顔を見合わせます。


「セリアのこと・・・じゃないのね」

「はい。というか、恋なのかどうなのかもわからないのですけど」

「日記にはなんて、書いてあったの」

「名前はなくて、『あの方に相応しくなりたい』という言葉だけでした」


クラーラお姉様とローザ様は、また、顔を見合わせました。


「クラーラ様、何か聞いていらっしゃいます」

「いいえ。ローザ様こそ」

「私も訊いておりませんわ」


心当たりはないようですね。


「ねえ、セリアテス。他には何かヒントになるような言葉はなかったの」

「他には、何も書いてありませんでした」

「どこで見かけたとか、贈り物を頂いてうれしかったとかは?」

「そういったことは書いてなかったです」


う~ん、と、みなさま考え込んでいます。


「あの方というくらいだから、身分が高い方なのかしら」

「それともすごく年上の方かしら」

「みぶんちがいをかくすために、そういったのかもしれないですの~」


マイン様、難しい言葉をよく知っていますね。

なんか推理ショーに移りそううなところで、部屋の扉が叩かれました。

侍女の方が応対して、こちらに伝えてきました。


「王女様方、王子様方が宜しければセリアテス様を交えてお話をしたいと申されておりますが」

「お兄様達が。どういたしましょうか、クラーラ様」

「そうね。あまりかわいいセリアテスと会わせたくないけど。でも、王子達とセリアテスはまともに話をしていないのでしょう」

「ええ。最初の時は、体調のすぐれないセリアを口説いてましたの。まあ、セリアは混乱して聞いてなかったようでしたが」

「そのあとは?」

「フォングラム公爵が近づけるわけないじゃないですか」

「ま、まあ、そうね。叔父様なら。それで、他の機会もあったのでしょう」

「ええ、ですが、話などできる状態ではありませんでしたから」

「それじゃあ、折れて差し上げないと可哀相かしら」

「そうですわね。クラーラ様たちもいらっしゃるし、兄達が馬鹿なことをしそうになったら、こちらに戻ればよろしいかと思いますわ」

「セリアテスはどうしたいかしら」


王子様方・・・。う~ん、すみません。印象があまりないです。



216話です。


恋バナは好きですか?


いえ、これ以上膨らませようはないのですけどね。

だって、セリアちゃん。覚えてないのですもの。


えー、ここは線を引いてマークしておくように。

テストで出ますよ~。


では。

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