表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
月光の姫と信望者たち  作者: 山之上 舞花
第2章 女神様の愛し子になってから
210/444

16-8 話を聞いてくれないのなら

かなり話したので、喉を湿らせたくなってカップを持ち上げようとしましたら、先程飲みきっていました。

隅にいる侍女長のマイヤさんの方を見ましたら、心得たように侍女さんに目線で指示をだしました。

侍女さん達がみなさまのカップに紅茶を注いでくれました。

私は一口飲んで、そういえば紅茶の作り方も話したんだったと、思いました。あれから20日ほど経っているので作り方を試してみたのでしょうか。


「セリア、安心しなさい。どんなことがあってもセリアを守るからな。女神様にも直々にセリアを守るように、私達は言われたんだよ」

「そうだぞ。わしらからセリアを奪おうとするのは、女神様の言葉に逆らうことだぞ」


お父様とおじい様がそう言いました。

溜め息を吐いてもいいでしょうか。見事に私の言葉の前半をスルーされました。


「お父様もセルジアスもいい加減にしてくださらない。セリアテスの言葉をちゃんと聞く気がないのなら、セリアテスを手放すことになるわよ」


カテリア伯母様がかなりきつい表情でおじい様とお父様を見据えました。


「何を言うんだ、カテリア。わしらはセリアテスのことを考えて」

「お父様、わざと言葉をはぐらかしたり丸め込もうとすれば、セリアテスを失うことになりますわよ。気付いていらっしゃるのでしょう。これ以上セリアテスの言葉を聞く気がないのなら、私もそれなりの対応をしなければならなくなりますわ」


カテリア伯母様の言葉におじい様は苦笑を浮かべました。


「カテリア、わしはセリアテスの言葉をちゃんと聞いておるぞ。だが、セリアテスはまだ7歳じゃ。ここは大人であるわしらの出番じゃろう」

「お父様、いい加減になさって。セリアテスの顔をもう一度よく見てからその言葉を言ってくださいます」


伯母様の言葉にみなさまの視線が私に集まりました。

・・・私はどんな表情をしているのでしょうか。

みなさまの目にはどんな風に見えているのでしょうか。


「お父様達がちゃんとセリアテスのことを見ないからこんな顔をさせているのよ。それで、よく守るだなんて言えるものだわ。お父様達が守れと言われたものは何。まずは心を守らないでどうするのよ」


伯母様の言葉に私の目から涙が落ちました。

お母様がそっと私の頭を抱きしめてくれました。


「お父様、女神様は「セリアテスの言葉をよく聞きなさい」とおっしゃったわ。それは魔物のことだけではないでしょう。セリアテスが今現在、伝えたものだけでもどれだけの利権を生むのか分かりますわ。その権利がフォングラム公爵家にあると言いたい気持ちも分かります。ですが、それでは駄目だとセリアテスは考えたのでしょう」


伯母様は言葉を切ると私に微笑みました。


「セリアテス、あなたの望みは何。お父様達がダメダメでも私という頼りになる伯母様がいるのよ。何でも言ってちょうだい」

「あーあ、自分で頼りになる伯母様っていうかな~」

「オスカーは黙ってなさい。さあ、セリアテス」


頼もしい伯母様の発言に茶化すオスカーお兄様の様子がおかしくてフフッと笑ってしまいました。

お兄様が手巾で涙を拭いてくれました。


「うん。セリアは笑っている方がかわいいよ」


お兄様・・・真顔で言わないでください。


「フフッ。笑えるならよかったわ。悲壮な顔をしているから、お父様やセルジアスがいう事を聞いてくれなければ、神殿に行ってしまうつもりなのかと思ったわ」


伯母様が微笑みながら言った言葉に、おじい様達がギョッとしたようで私の顔を凝視してきました。

私はそっと視線を外しました。おじい様達の表情は驚愕に変わりました。


そうです。少し考えました。お父様達が私の言葉を聞いてくれなかったら、神殿に行ってしまおうかと。

でも、それは最終手段です。その前に何とか説得しようと思っていました。


「どう、落ち着いたかしら。落ち着いたのなら話してくれるかしら。セリアテスがどういった提案をしようとしているのかを」


私はお母様から離れて(離してもらって)座り直すと、紅茶を一口飲んでから伯母様に視線を向けました。


「その前にお聞きしたいのですが、一般の方は一日をいくら位で生活しているのでしょうか」

「一般? 国民のことかな」


お父様が恐る恐ると云う風に言葉を挟んできました。


「はい。そうですね、この王都で暮らすのには一日いくら位必要なのでしょうか。あっ、お金のことも教えてください。それから一日に食事にかかる金額が分かるとうれしいです。それに、そのお金の一番少ない額で手に入るものが分かるともっといいです」


私の言葉にみなさま顔を見合わせました。執事さんが一人部屋を出ていかれました。

あれ、貴族ってお金を持って買い物にいかないんですかね。

戻ってきた執事さんは執事長にトレイを渡しました。その後ろから侍女さんがトレイにパンを載せたものを持ってきました。どちらも私の前におかれました。


「こちらがこの世界で流通しているお金です。単位はガルドです。金貨、銀貨、銅貨が3種類ずつあります。この四角いのが1です。次に丸い形のものが10で、楕円形のものが100になります。1銅貨が10枚で上の硬貨1枚と同じ価値があります」


執事長が教えてくれました。その説明にみなさまの顔に?マークが見えます。

って、えっ10銅貨1枚と1銅貨10枚が同じものだと分からないってことはないですよね?



209話です。


危なかったです。

カテリアのあの発言が無ければ、カテリアもざまぁ対象でした。

おかしいな。


それから、お金の単位について。分かった方もいらっしゃるとはおもいますが、ガルドはゴールドのもじりです。


では、また次話で会いましょう。


追加します(指摘があったので直しました)。

感想でご指摘をいただきました。

お金のことが分かりにくいと!

なので金額に対して、どの硬貨が対するのか書かせていただきます。


まず、あの世界にはお金が9種類あります。金貨、銀貨、銅貨がそれぞれ3種類ずつです。。

四角いものが1、丸いものが10、楕円のものが100です。


それぞれを金額と合わせますと


    1ガルド   1銅貨

   10ガルド  10銅貨

  100ガルド 100銅貨

 1000ガルド   1銀貨

   1万ガルド  10銀貨

  10万ガルド 100銀貨

 100万ガルド   1金貨

1000万ガルド  10金貨

   1億ガルド 100金貨  になります。


硬貨にガルドをつけるのをやめたらスッキリしました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ