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月光の姫と信望者たち  作者: 山之上 舞花
第1章 セリアテスと記憶喪失と王宮の人々
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父話1-4 記憶喪失・・・なのか

これにて、1日目が終了!


お疲れ様で~す。

娘の部屋には私と息子、国王、医師たち、魔術師長と向かった。

この時に娘に事情を説明してないことを指摘された。

考えるに、今までの行動は、(心配による)疲労と怒りと困惑からきた暴走だったようだ。


(だからな、なあんでお前はそんなに楽しそうに指摘してくるんだ。

 お前がそんなだからいらん八つ当たりをしてしまったではないか。

 お前も俺と同じ立場になれば、絶対同じことをするぞ。

 それどころか、もっと混乱させて大騒ぎになるぞ。

 断言してやる。お前は国王なんだからな)


そう思っても、ここで、口に出すわけにはいかないので、後で私室で話すときに言ってやることにする。

口では私に勝てないのだから・・・。


娘の顔を見たら、先ほどより落ち着いているように見えた。

医師の方をみると頷いたので、話をしても問題ないようだ。

娘に状況の説明をした。

曰く、王宮で開かれたお茶会で娘が怪我をし、怪我の治療が終わった後倒れたこと。その後熱を出して7日間目覚めなかったこと。その7日間の間に髪の色が抜けるように薄くなり今の淡いプラチナブロンドになったこと。そして魔力が強くなったこと。

話を聞き終わると娘は首をかしげながら聞いてきた。


「あの、魔力ってなんですか?」


娘の言葉がよく聞き取れなかったようだ。

娘が魔力のことが解らないなんて。

ああ、意識の混乱がまだ続いているのだろう。


魔術師長が娘に魔力について説明したが理解できなかったようだ。

周りを見回すと皆、目と目を見交わしあっている。

魔術師長が他に分からないことはあるか聞いていた。

次に娘が、言った言葉は我々に衝撃を与えた。


「あの、私は・・・どこのだれで、何という名のものでしょうか?」


室内にいる者たちは騒然とした。

だが、我々家族はそんなことに構っていられなかった。

娘のそばに近寄り、口々に言葉を紡いだ。


「セリア、私たちのことがわからないのかい?」

「ああ、なんてことでしょう」

「でもセリア、僕達のことお父様、お母様、お兄様って呼んでたよね?」


私の言葉に頷いたあと、息子の問いかけに、娘は首をかしげながら思い出すようゆっくりと答えた。


「えっとね、名前は思い出せないのだけれど、お顔を見た時に、私のお兄様だと思ったの。もちろん、お父様、お母様を見たときも、そう思ったの」


娘の答えを深刻に受け止め考え始めたら、誰かの「記憶喪失?」という声にハッとさせられた。

国王と目が合うと合図を寄越したので、一同と共に部屋を後にした。


会議室に戻るまで誰も口を開かなかった。

待っていた王妃や大臣に娘の状態を話しているのを、遠くに聞きながら、考えることに没頭していた。

どうせどんだけ話し合っても答えにたどり着けないのは、この7日間でよく分かっている。

それよりも、娘の記憶喪失は一時的なものなのか、そうじゃないのか。

本当に全てのことを忘れてしまっているのか。

それ次第で今後の対応が変わってくる。


(ああ、そうだな。

 両親に来てもらうのもいいかもしれないな。

 可愛がってもらっていたから、何か思い出すかもしれない。

 それなら、弟一家に来てもらうのもいいだろう。

 姉にも連絡を取り、こちらに来てもらうことにしよう。

 それから・・・)


ふっと、意識が浮上し周りの声が聞こえて来たら、娘の記憶喪失は一時的なものなのか、そうじゃないのかということを言い合っていた。

話し合いは「様子を見る」といういつもの結論に落ち着いた。

明日以降に詳しく診察することになり、もう何日か王宮にいるように言われた。


娘の部屋に行き、今後のことを告げたら、娘が泣きだしそうになった。

1人で王宮に残されると思ったようで、他の部屋になるが皆も王宮に泊まっていると教えたら安心したようだった。


夕食はここで家族だけで食べることになった。

王妃の計らいには感謝してもしきれない。

娘は体に力が入らないようなので、私が膝の上に抱き一緒に食事ができるようにした。

隣に座った妻がいろいろ食べさせようとしていたが、あまり食欲がないようだった。

嬉しそうに食事の世話をする妻の様子に、かなり驚かされた。

食事をしながら、家族の話をした。

祖父母が領地にいることを話したら会いたいようなので、やはりこちらに来てもらうことにしよう。


夕食後、私たちは、まだ、混乱してしていたことを知った。

いや、混乱していたことにしたい・・・。

娘に再度聞かれるまで忘れていたのだから。

娘の名前を伝え忘れていたとは・・・。


娘が眠るまで部屋にいたが、微妙な空気が流れていたのは仕方なかろう。



20話目です。

お父様話終わりました。


補足 

父と国王陛下は同い年で幼なじみです。

口がたつ父に陛下はかないません。


ここまで読んでいただきありがとうございます。



今日は大晦日ですね。

まだ、片づけが残っていますが、先に投稿するために後書きをかいてます。


うちは農家だったので、神棚とは切っても切れない生活をしていました。

特にお米を作るときに何か(種まきや田植え、稲刈りなど)をするときに神棚にご飯をあげていました。


・・・なのに、昨日お飾りを飾ろうとして向きが解らなくなっちゃって。

編み始めが左だったような・・・。

一年に一度のことって、覚えているつもりで覚えてないことってありますよね。

来年は、輪飾りにしようかな、とおもいました。


では、よいお年をお迎えください



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