表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
月光の姫と信望者たち  作者: 山之上 舞花
第2章 女神様の愛し子になってから
208/444

16-6 物語の世界のこと

私の物語発言にみなさま顔を見合わせています。

私もこの世界が物語に似た世界と言われたら、同じようにすることでしょう。


「セリア、この世界が物語の世界だと云うのかい」

「いいえ、違います、お父様。物語に似た世界(・・・・)です。この世界が私が知る物語の世界なら、女神様が私を愛し子とする必要はないのです」


私の言葉の意味が判らないもしくは図りかねているのでしょう。目線で続きを促してきました。


「もしこの世界が物語の世界なら、女神様は自分の望むままにこの世界に現れることが出来ると思います。ですが、この間神殿に降臨なさるまで、一度もこの世界に姿を現したことはないのですよね。それでしたら、女神様はこの世界に現れることも力を使うことにも、何か制約みたいなものがあるのではないのでしょうか。だから、自分の代わりに代弁者となるものが必要なのだと思います」


お父様は私の言葉に軽く頷きました。


「だからセリアを愛し子にしたと思うんだね」

「はい。私が持つ記憶と同じものを持った方がいるかもしれませんが、身分的にも・・・あと、波長でしょうか。女神様と合うのが私なのだと思います」

「「はちょう?」」


クラーラお姉様とオスカーお兄様が呟かれました。他の方も呟きはしませんでしたが意味が解らないようです。


「みなさまも気がついたと思いますが、私のこの髪の色は女神様と同じ色です」


この言葉を言いましたら、みなさまが息をのんだのが分かりました。お母様は私の右手をきつく握りしめてきました。まるで、その言葉を聞きたくないというように。

私はお母様の顔を見上げました。お母様の瞳には不安の色が見てとれます。私は安心させるように微笑みました。

視線を正面に座るお父様に戻します。


「何故、私の髪の色が変わったのかは解りませんが、この髪の色は女神ミュスカリーデさまと同じ色です。それ故に選ばれたのだと思います」


お父様の眉間に軽くしわが寄りました。もしかしたら髪の色の話はしてほしくなかったのでしょうか。

ですが、これを話さないでは先に進めません。


「それで、セリアテスは女神様と同じ髪の色という話を、わしらに聞かせてどうするつもりなんだ」


おじい様が睨むように私を見て言いました。


「事実として知っておいて欲しかったのです、おじい様」

「知ってどうなると」


おじい様の凄みが増した気がします。今までのお茶目で気安い感じはありません。

私の左手が握られました。お兄様がギュッと握ってくれています。

お兄様はおじい様を睨みつけています。

私もお兄様の手を握り返しました。

お兄様は私の方を見て微笑んでくれました。私も微笑み返して軽く深呼吸をすると続きを話します。


「私が女神様の代弁者である証だからです」


きっぱりと言い切りましたら、おじい様の口が開きましたが、言葉が出てこずに閉じてしまわれました。

多分、おじい様達は私のためにいろいろと考えてくれたと思います。ですが、私がこれから言うことはそれを台無しにする提案になるでしょう。でも、女神様が私に望んでくれていることは違うのだから。

・・・だから、言うの。


「私は、この3日間考えていました。何故女神様は私を「愛し子」と言ってくれたのか。それから何故、()の「言葉(・・)をよく聞きなさい」と言ったのか。みんなと何が違うのか、考えた結果の結論が」

「彼女の記憶か」


お父様が私の言葉を取るように言われました。なので私は頷きました。


「だがセリア、この世界がその物語に酷似していたからといって、同じことが起こるとは限らないだろう」

「確かにお父様の仰られるとおりです。現にその物語と違う点がいくつかあります。1つは学園の名前。それから、その物語に登場していた(・・・・・・)私におこったこと。それに女神様が降臨なさったことですね」


みなさまは驚いたように私を見つめました。


「セリアが物語に登場していただって?」

「はい。私と同じ名前が出てきました。」


私の言葉にお父様達は小声で話し出しました。私はお母様とお兄様にギュッと手を握られています。

しばらくみんなの様子を見ていましたが、話しが終わりそうにありません。

と、お兄様が声をあげました。


「父上、まだセリアの話は終わっていませんよね。全部聞いてからにしていただけないでしょうか。それでセリア、その物語はどういう内容なの。もしかして僕達も出てくるのかな」


お兄様が瞳を光らせて聞いてきました。

オスカーお兄様達も期待に満ちた顔をしています。


「えーと、そうですね、学園が舞台で、15歳の年に主人公が編入してきて物語がスタートしました。お兄様も・・・」


あれ?出てきたのよね。

えっ、でも、私と3歳違うから学園は卒業していたはずで・・・。

でも、学園で会っていたのだから、学園に関係しているはず・・・。

えっ?えっ?

ちょっと待って。


基本のストーリーは魔法学園の高等部に入学から1年間の話で、魔力量が多い庶民のヒロインが、魔法を極めながら恋をするって話で。

それから・・・第3王子以外は学園には通ってなかったはずだから・・・あっ!



207話です。


決着つきませんでしたね。

それに、ゲーム話が出てきて話が伸びそうです。


ところで、何故大人(ミリアリアは除く)対子供になりかかっているのでしょう。

謎です。


では、また次話で。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ