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月光の姫と信望者たち  作者: 山之上 舞花
第2章 女神様の愛し子になってから
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16-4 お願いを、します

クリスさんとサラエさんが朝の支度の準備をしてくれて、見守られながら自分で(そう、自分ですると頑張りました)洗面を済ませ服を着替えました。

今日は王宮に行くので、あとでもう一度着替えることになります。


食堂に行くとお父様とお母様、おばあ様がいらっしゃいました。

しばらくするとお兄様とおじい様、キャバリエ公爵家(本当はサンフェリス王太子一家と呼んだ方がいいのでしょうがジーク伯父様に拒否されています。カテリア伯母様は最後のあがきとか言っていました)が、食堂に揃いました。


今日の朝食はパン、スープ、生野菜のサラダ、肉の焼いたものを薄切りにしたもの、果物です。

うっふっふっ。パンのそばには黄色いクリームがあります。

そうなのです。カスタードクリームを作ってもらいました。

だって、プリンと同じ物を使えば作れるんですよ。

みなさま、興味津々でカスタードクリームを見ています。


・・・ではないです。

先にお父様達にお願いをしないと。


みなさまは女神様に祈りをささげて食事を始めました。

私はみなさまが、パンを取りカスタードクリームをつけて口の中に入れて、驚きに目を見開く様子を見ていました。

お父様が私が食事に手を付けていないのに気が付いたようです。私に声を掛けてきました。


「どうしたんだい、セリア。食事をしていないじゃないか。このカスタードクリームもとても美味しいな。プリンと同じ材料で作れるとは。これから、食事の時間が楽しみで仕方がないよ」

「ありがとうございます、お父様」


それだけ言うのがやっとで、次の言葉が出てきません。

隣に座っていたお兄様が私の額に手を伸ばしてきました。


「熱はないよね。食欲がないの、セリア」

「まあ、どこか具合が悪いのかしら。お部屋で休んだ方がいいのではなくて」


クラーラお姉様が向かいの席から心配そうに声を掛けてくれます。

いけません。このままでは余計な心配を掛けてしまいます。

・・・ただ、緊張しているだけなのですが、そんなことを思っている場合ではありません。


なので、軽く深呼吸をしました。みなさまの視線が痛いです。


「お父様、お願いがあります」

「何かな、セリア」

「この間の御前会議に来ていたみなさまに、集まっていただきたいのです」


お父様とおじい様、ジーク伯父様が視線を交わしました。


「それはどうしてなのか、聞いてもいいかな」

「私は、女神様に愛し子と言われてから考えていました。何故、私なのかと。考えて考えて、女神様の言葉から彼女のこと(・・・・・)が、彼女の世界(・・・・・)のことが、女神様が必要としていることなのではないのかと思ったのです」

彼女(・・)というのは王宮でも言っていた方のことかな。それは女神様のことではなかったのかい」

「はい、違います。女神様ではありません」


またお父様達が目を見交わしています。


「それで、どうして御前会議に来ていた人を集めたいのかな」

「みなさまにご協力をお願いしたいからです」

「協力のお願い?それはどういったことかな。私達だけでは駄目なのかな」


お父様は私の目を見て話してくれてます。その目の中に頼って欲しい気持と・・・打算でしょうか。その色が見えました。

私はもう一度深呼吸をしました。


「お父様では駄目です。もちろんおじい様も、おじ様達もです」


きっぱりと言い切りましたら、お父様の目に失望の色が見えました。

私はお父様から視線を外し、一度目を閉じました。


「それから、もう一つお願いがあります。王宮に行くのは私の話を聞いてからにしてください。少し遅れることを連絡していただけませんか」


お父様達だけでなくお母様達も視線を交わし合っています。


「それはとても大切なことなのね」


お母様がやさしく問いかけてくれました。私は大きく頷きました。


「では、セルジアス。王宮に連絡なさい。「女神様の愛し子」の願いです。御前会議に来ていた者に、本日の午後にお集まりいただきたいこと。セリアテスの話が済むまで、王宮には伺候できないことを。これで良いわね、セリアテス」

「はい、おばあ様」

「では、急いで食事をしてしまいましょうか。セリアテスもそんなに緊張しないで少しでも食べなさいね」


おばあ様の言葉にお父様は席を立たれて王宮に連絡をしに行ってくださいました。

私は、そう言われましたが食事が喉を通りそうにないので、無作法かなと思いましたが、パンをちぎってスープに入れてふやかすと、スプーンですくって食べました。

・・・それを見ていたカテリア伯母様がまねをされて。


「あら、これもいいわね。食欲がないときにいいかもしれないわね。やわらかくて食べやすいわ」


と、おっしゃいました。

えーと、確かに私が体調が悪い時にも普通のパンが出てきてましたよね。


そうして食事をすますとみなさま居間に移動なさいました。

食後のお茶がみなさまに行き渡りました。

私は気持ちを落ち着けるためにお茶を飲みました。

お茶と共に白いお菓子が出されました。

みなさまはこれも初めてのお菓子なのか物珍しげに見ています。


カスタードクリームを作るのに余った卵白でメレンゲを作りました。絞るための口金なんてないので、スプーンで鉄板に落として焼いたものです。何度か焦がしてしまいましたが、これは成功したものです。


私は一つつまむと口の中に入れました。すぐに溶けてしまい、優しい甘さが残ります。

私が食べたのを見て、みなさま恐る恐る口に入れ、また驚きに目を見開いたのでした。



205話です。


お待たせしました。

食チート?です。


プリンが作れたのなら、カスタードクリームも作れるじゃん。

余った卵白はメレンゲにすれば無駄にならなくていいよね!


という、ノリで書きました。


さて、次は何の料理にしましょうか。

お菓子の方がいいかな?


では、また次話で。

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